No.486
『写真で見るタジキスタン・ドゥシャンベ 1』
【弾き語りばったり #19 今ここでエンジンさえ掛かれば】、広島公演を観にきていただけた皆さま、ありがとうございました。
引き続き4月の旅行記。今回はこの旅行のメインの目的地であるタジキスタンの首都・ドゥシャンベの2日目です。
Photo Albumを開いて該当番号をクソックしながら見ていただきますが、例によって写真上のチリやホコリ、また、ときおり入っているライトブルーなラインは、私のカメラ自体の問題なので気にしないでください。では、どうぞ。
【Photo Album】
4月22日(火) 08:00起床。いい天気です。目の前のルダキ公園では、朝からなんらかの集会が行われているのでしょうか。タジク国歌が高らかに鳴り響いています。(01)
10:00、ホテルのロビーにガイドさんがやって来て、今日は市内観光。まずは街のど真ん中、ホテルの目の前にあるルダキ公園を歩きます。とんでもなく高いタジク国旗が大きくたなびいています。2011年に建てられた掲揚塔の高さは165m。同年訪れたアゼルバイジャン・バクーの国旗掲揚塔は当時世界一の162mでした。たしか2009年に行ったトルクメニスタン・アシュカバッドの国旗掲揚台が当時は世界一の高さだったような気もしますが、それより高いのでしょうか。いや、その後またトルクメンがさらに高くしたのか。ま、とにかく、思えば私は世界一の高さを競う国旗掲揚塔をいくつも見ているってことです。行ったことはありませんが、北朝鮮には160mの国旗掲揚塔があるそうです。 (02)
どうあれ国を象徴する国旗ですから、まず『加トしゃんベ』の撮影を敢行します。会ってほんの数分後にいきなり、はげヅラとチョビひげをつけてセルフ撮影をする私なもんですから、ガイドさんに『加トしゃんベ』の意味を英語で説明してはみますが、そんなもん理解するはずもありません。どうあれ、ここでは良いものが撮れませんでした。
続いて、国旗塔のすぐ近くにあるタジキスタン国立博物館へ。いくつかある国立博物館で最も新しいもののようです。どの国でもまずそのようなところを見学するも、正直興味はありませんが、まぁ、礼儀だと思って見学します。(03〜05)
ちょっと早いですが、すでにお腹がすいているので昼食にします。やってきたのは、ガイドブックに唯一さらっと1行だけ載っていた【Чайхона Рохат/チャイハナ・ラハト】。チャイハナとはカフェ・食堂を意味します。(06, 07)
ここでは、中央アジアの麺料理『ラグマン』を。カザフスタンのアルマトゥイで食べたそれとはやや趣が違い、煮込んだ牛肉とじゃがいもが入った、ややビーフコンソメ的な味わいでした。おいしゅうございました。(08)
コラムNo.465にすでに掲載していますが、ガイドはムザファさん、ドライバーはアシュヘルさん。(09)
一緒に食事をしながら、もう一度『加トしゃんベ』の意味合い、それを撮ることが私がドゥシャンベへやって来た最大の目的だ、ということを丁寧に説明します。が、理解などできっこありません。しかし、私の熱意だけは伝わったようで、「とにかく撮りましょう」ということで、再びルダキ公園内の文豪ウストド・ルダキ像の前、イスマイル・サマニ像の前、独立記念塔などで『加トしゃんベ』の撮影を敢行しますが、うんん、やはりどうも違うというか、なんというか。
でも、ひとつうれしかったのは、私がメガネをかけ忘れたままポーズをとっている時に、「Mr.Kimura, glasses !/木村さん、メガネ!」とガイドのムザファさんが声をかけてくれました。「Oh, thank you」というと、「It’s important, I think…」と言っていました。撮影を繰り返すうちに、私の意図を感覚的に理解してきたようです。正直、失敗作をお見せしたくはないんですが、“旅行記”としては重要な記録ですので、ご覧いただきます。 (10〜12)
もちろんフィルムでの撮影なので、帰国後現像しないことにはその出来はわかりませんが、ただ、「撮れた」という感触がつかめません。写真を見ただけでそこが「ドゥシャンベ」だと誰もが認識できる、世界的に有名で象徴的な場所がないのです。せめてキリル文字で「Душанбе」と大きく書かれた場所があれば、とガイドさんに聞いてみますが、う〜ん、パッと思いつかないようです。とりあえず、郊外の遺跡、【Гиcсар/ギサール】へ向かいます。
14:00、ドゥシャンベ市街から西へ25km、【Гиссарская Крепасть/ギサール要塞】へやって来ました。19世紀までブラハ・ハン国というイスラム王朝の城塞だったそうです。なんらかの復元か修復かの工事が行われていました。(13〜15)
その向かいには、かつてイスラム教の学校だった建物が2つあり、うちひとつは博物館になっています。(16, 17)
それらをさらっと見学し、来る時に通ったギザールのバザールにやってきました。歴史的なものよりも現在のタジク人の日常の風景に興味がわきますので、何枚も写真を撮っていると、通りがかりの青年が「китаец/中国人?」と聞いてきたので、「Нет, японец/いいえ、日本人」と答えると、「一緒に写真を撮ろう。オレのサングラスをかけて」ってことになって、撮りました。(18〜22)
再びドゥシャンベの街に戻ります。イスマイル・サマニ大通りにはロシア・ドイツ・イラン・アフガンなどの大使館が点在し、『Болбад/ボルバド』というコンサートホールもありました。「Душанбеと大きく書かれた場所があれば、そこで写真を撮りたい」と言うと、ガイドさんとドライバーさんはそれぞれの携帯電話で友達か誰かに「Душанбеと書かれた場所はないか」と聞いてくれています。1カ所、市庁舎にあるってことになり、そこでも『加トしゃんべ』を撮りました。(23, 24)
少し時間が余ったので、タジクの人気歌手のCDを買いたい、ってことでルダキ大通りへやってきました。しかし、DVDショップは並んでいるものの、CDショップはなく、なぜかと聞くと、音楽はみな携帯電話にダウンロードして聴くのでCDを買う人はほとんどいない、ということでした。DVDショップを何軒かまわってみましたが、やっとみつけたCDはわずか数枚。タジキスタンにも著作権という考え方はないようで、明らかなコピー品でしたが、2枚ほど買ってきました。(25, 26)
18:00、ホテルに戻り、ガイドさんとドライバーさんと握手をして別れました。タジク式の挨拶は、右手を胸に当てて敬意を表す表情をするようです。そう言えば、昨日の空港からの白タクの運転手さんも、ホテルに着く時に、ゲートの係員さんにそうしていたのを思いだしました。
19:30、日が暮れてきたので晩食に出かけます。2日目夜にして、やっと初めてドゥシャンベの街をひとりで歩きます。しかし、まだ冒険心は出し切れず、ガイドさんに教えてもらったタジク料理のレストラン数店のうち最もホテルに近い、ルダキ大通りにある【Кахвахона/カフヴァハナ】に入ってみたら、あららら、どうでしょう。ここは西ヨーロッパかと思えるモダンな内装で、ほぼ満席の客の半分以上は白人。多くの人は英語で話しています。スタイリッシュなミュージックがガンガン流れ、大きめのモニターではパリかどこかのファッションショーの映像が映し出されています。そんなつもりじゃないんだけどなぁ、と思っていると、カッコイイ店員さんが「English?」と言ってメニューを持ってきたので、「Russian」と英語で返し、ロシア語のメニューを見ました。で、チキンのシャシリックとロシアのビール。まぁ、焼鳥みたいなもんですが、おいしゅうございました。(27〜29)
徒歩数分でホテルに戻って、バーカウンターで赤ワインを一杯。今日は私の他に別の客、というか、どうやらバーテンさんの知り合いらしき40代くらいの男性がいて、英語で話しかけてきました。彼はアメリカと中国で仕事をしたことがあるらしく、「夢は日本に行くこと」と言っていました。
というわけで、ドゥシャンベの2日目はおしまい。肝心の『加トしゃんベ』は、良いのが撮れた感触がありません。明日こそ必ず撮らねばなりません。(30)
2014/11/30
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