No.362
『ボロディンQ』
はぁ〜、もう日曜だ。
今日は、フランス大統領選じゃないですか。今回はロワイヤルさんは出ないみたいなので、あまり興味がわきませんが。ま、でもサルコジさんでしょうね。なんだかんだ言って。誰もなんだかんだ言ってない気もしますが。
ところで、はい、連日やってます。 【弾き語りばったり DL ~Col Quartetto Da Quano~】の編曲作業もラストスカートめくれあがっちゃって、いや〜んモーレツ〜、みたいな、そんな状況です。前にもちらっと書きましたように、Digital機材は使わず、ピアノと五線紙とシャーペンと消しゴムと下敷きだけでやってますから、かなりの脳コリ状態ですが、しかし、めったにない機会ですし、やりがいがあります。
来週からリハーサルが始まりますから、もう全裸編曲の許容日数はホントに残りわずか。もちろん、作業を続けるにつれて、その速度というか、脳の回転数はあがってきますので、2週間前よりは編曲ペースは速くなっているはずなんですが、しかしそれは、決して“効率が上がった”わけではない、ってのがむずかしいところで。
例えば、過去すでにレコーディングなどで弦のアレンジをしている曲でも、それはドラム・ベース・ギターがあるという前提でのものですから、今回のようにピアノと4弦の場合は、同じ譜面を流用するわけにはいきません。なので書き直すんですが、書き直すんだったら、あそこのあのパートのフレーズやっぱり変えようとか、そのようなことが出てくるわけで、ってことは当然、同時に鳴っている別楽器のラインも変わるわけですから、まぁ結局、1から編曲し直すことになります。いや・・、1からでもないか。それが10だとすると、4から、くらいのイメージでしょうか。
ま、そんな感じで速度はあがりながらも4からやり直していくうちに、へんに欲が出てくるというか、せっかくだから弦だけのイントロ作ったらステキかな、とか思ったりもしますし、また、コンサート全体の曲構成も固まってきますから、だったらやっぱり、ここでこういうタイプのやつが必要だよなぁ、とかになってくるもんですから、この期におよんで自分で自分にやること増やしてる感じです。もちろんやってて楽しいからそうなるんですけどね。
これを例えるとするならば、あれはもう17〜8年前でしょうか。栃木県のどこかでライブがあって、ベースの西嶋さんは「ボク、車で行きます」ってことで、ダンス・コーラスのトオルくん(当時は昇)を乗せて、えらく子供っぽい趣味の真っ黄色のスーパーカーで東北自動車道を突っ走ったのはいいんですが、トオルくん(当時は昇)と話がはずんじゃったのか、【郡山】と書かれた看板がシュッと頭上をかすめた時に初めて、「うわっ、行き過ぎた!」と気づいて次のインターで降りて逆方向に戻りました。・・・みたいな。いや、なんか違うなぁ、このケースとは。
じゃぁ、これはどうでしょう。
それももう12〜3年前だったと思いますが、仙台でライブがある時に、キーボードの矢代さんは「僕は車で行きますんで」ということで単身東北自動車道にのり、話し相手もいなかったせいか、そーとーイイ感じでぶっ飛ばしてたら、うわっ、前の晩に着いちゃいました。・・・みたいな。
何を書こうとしてたのかわかんなくなりましたが、たぶん、速度が上がると欲が出る、ってことだと思います。
で、ヤングでフールだった頃もやはり同じように、やればやるほどへんな欲が出てくるもんで、また、そんな作業を夜中・明け方まででもやり遂げることによって、「オレ、今そうとうがんばってる」みたいな、時が経ってみればあまり有意義とは思えない自己満足的な納得の仕方があったような気がしますが、ううん、ここ数年はそれはやってない、ってゆうかできないですね。アレンジに限らず、神経集中モノは、6時間もやってればもう、脳みそはクタクタになりますから。そっから先は、私がいた時代の福岡のように“根性”だけの世界になっていきます。年齢のせいもあるかもしれませんが、ちゃんと食べるべき時間にゆっくりおいしいものを食べて、ちゃんと寝てないと、ステキなものはできる気がしません。私はね。
というわけで、今日は12時から始めて20時にやめて帰ってきて遅い晩御飯を食べて、高級シャンパーニュの最もポピュレーでエコノミークでブリュなやつを飲みながら、日付も変わったこの時間に書いてますので、ここまでの文章も、またここから先も誤字脱字をポイントポイントに無意識に配置することになると思いますが、まぁ、そんなことはなんら気にせずにとにかく書く、ってことのほうが今は大事だと思うんで、そうします。
で・・・、どうしましょうか。
えぇ〜っとですね、先週は、Perfumeさんの新シングル【Spring of Life】を無事に店頭フラ毛しました。いやぁぁ〜、良いですよ、ホントに。詞・曲・アレンジ、すべてにおいてたいへんに素晴らしいです。The Beatlesはとっくに存在しませんし、Billy Joelさんももう新作は出さないであろう今、私の音楽にとって最も重要な“教材”のひとつ、それがPerfumeさんなのです。・・・と書いても、興味のない方には「なんで?」ってことなんでしょうけど、わかるひとには「ホントそう、オレもそう」だと思います。来月、コンサート観せていただきます。やっぱ、全歌詞暗記して行かなきゃでしょう。ね。
で、そういう意味で言うと、逆になんですけど、佐々木希ちゃんのアルバムが出るってことで、んんん、どうしょっかなぁ〜、と思ってたんですが。Perfumeさんのそれとは違って、佐々木希ちゃんについては、“めちゃくちゃカワイイから大好きっ” という、それがすべてだったりするので、アルバムっつってもなぁ・・・。でもやっぱり、ファンとしては買って持っておきたい、という気持ちがフツーにあるわけで。で、そこにきてジャケットの写真がとても良いわけで。だからやっぱ買うべきなんですよ、つべこべ言わずに。
で、買おうと決めたんですが、私がカワイイと思ったジャケ写は通常盤のやつで、もちろん初回盤のジャケ写もカワイイんですが、どっちが良いかっつうと通常盤のジャケ写のほうが好みで、いやしかし、初回盤にはPVのDVDがついてるもんですから、どうしましょか。んんんんん、さっきも書きましたように、Perfumeさんとは意味が違うわけで、・・ということをよく考えてみると、佐々木希ちゃんのそれに関して私が欲っしているのはCDではなくDVDであるような気がしてくるわけで、・・・ってことはやっぱ初回盤か。いや、でも通常盤のあのジャケットがいいんだよなぁ。オレもあんなジャケット作りたいもん、マジで。・・・という葛藤の末、はい、両方買っちゃいました、きゃはっ。発売日翌日だったので“オクレ毛”ですけど、初回盤が残っててよかったです。
さ〜て、やっとここからが今回の本題です。
佐々木希ちゃんのアルバム買って、なにはどうあれとっても楽しい気分の私ですが、それとは別に、今回のアレンジを進める上で、その音像をイメージするために弦楽四重奏の音源を聴きたいのは当然のことで、しかし、家にはピアノや交響曲のCDはあるものの、弦楽四重奏のやつがなかったもんですから、佐々木希ちゃんのそれを買いに行くついでに買っておこうと思うわけです。で、チャイコフスキーさんの弦楽四重奏曲を集めたCDを、佐々木希ちゃんのそれと一緒に買いました。
ここまで飽きずにお読みいただいた皆さまには、私が佐々木希ちゃんのCD、それも2枚と、チャイコフスキーさんの弦楽四重奏のCDを一緒に買ったことは御理解いただけると思います。
が、しかし、お会計をする店員さんはどう思うでしょうか。
それは、例えば、本屋さんで、あくまで自分は【試験に出る英単語】を買うテイで、部活の先輩に頼まれた『GORO』を仕方なく一緒に買わなきゃいけない70年代後半の九州の高校生。・・というイメージ。
ん〜、わかりにくいですか。
じゃ、例えば、レンタルビデオ屋さんで、あくまで自分はトム・クルーズ主演の『トップガン』を借りるテイで、なんかわかんないけど的な表情で、白石ひとみの『官能姫』を一緒に借りる90年代前半の東京の大学生。・・というイメージ。
何が言いたいかとゆうと、私は佐々木希ちゃんのCD、それだけを正々堂々とレジに持っていけますよ。だけど、たまたまチャイコフスキーちゃんの弦楽四重奏ものも必要だっただけなのに、お会計をしてくれたお嬢さんは、上に書いた2つの例のようなことのように解釈しているのではないか。むしろ佐々木希ちゃんのCDだけ買うほうが、正々堂々として良いと解釈されるのではないか。じゃぁ、今日はチャイコフスキーやめとくか。いや、必要なんですよ。今やろうとしている仕事をより良いものにするために、必要なんです。という説明をするわけにもいかず。いや、そんな説明しちゃったら、明らかに上に書いた2つの例のようなことだと解釈されるに違いない。ま、そんなこと思いながら買ってきました。
ね、なんとも良いでしょう、この組み合わせ。 右奥のバイオリンのおじさんも、なんだかうれしそうですもんね。いや、意外といちばん喜んでんのは、左手前のチェロの人だったりしてね。弓を持つ手がうろうろしてないですか。なんか、ね。
ともあれ、そんな御四方、【ボロディン・カルテット】という、ソ連時代に国家から名称を授けられた、モスクワの歴史ある名門室内楽団みたいですよ。もちろん私は知らなかったですけど。
で、そのCDのオビなんですが、いや、スペースが限られてるのはわかりますよ。だからって、【ボロディンQ】はどうでしょう。
なんか、すっっごいクダラナイんだけど、めっっっちゃくちゃオモシロイ、みたいな、そんな響きですよね。うん、タイトルって大事だよなぁ。だって、このコラムのタイトル見た時、「なんだろう、おもしろそう」って思ったでしょう。
そういう意味では、5月に入ったら、そーとー風変わりな企画を、このサイトで発表しますので、充分に心の準備をしておいてください。
はぁ〜い、というわけで、今週私が言いたいのはそれだけです。やっつけ気分でわぁ〜っと書いたわりには、けっこうな文字量になりました。「この人、酒飲むとそーとー話なげぇ〜んだろうなぁ」ってことで良しとしてください。では、股。
2012/04/22
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