No.061
『レッツ・ゴーツー・カッパーブリッジ!』
レコーディングが終わったぁ!。ま〜だ言ってるよ、って感じでしょうけど、そうです、ぼくは何度でも言うよ、いいかい? レコーディングが終わったのさ。というわけでスカ〜ッとゴルフをやって、飲み会がぶりぶり続き、友人の結婚パーティーで愛勝つを熱唱して、洗車して、久しぶりにズボンとネクタイも買いました。そして私にはもうひとつ行くべき場所があったのです。それが東京都台東区松が谷の“かっぱ橋道具街”。
料理を最大の趣味のひとつとする私は、隔月発刊雑誌『LuckyRaccoon』ではキュイジーヌ・コラムも連載しているほど料理が大好きでして、料理ってのはやればやるほど食器にも興味が高まってくるのは当然のなりゆきです。なもんですから調理器具や食器などの専門店がだぁ〜っと並ぶこの“かっぱ橋道具街”は料理好きの私にとって、最も目がキラキラするべき魅惑のストリート。ブランド好きのセレブにとってのパリ・サントノーレ通りやフィレンツェ・トルナブオーニ通りにヒッテキします。
鍋やフライパンががんがん積まれている調理器具専門店では、「あぁ〜、このくらいでかいズンドーあったらなぁ〜」とか、「ってゆうか業務用のガスオーブンが家にあったらなぁ〜、あぁ〜」と唸ります。それは、中学高校時代に楽器店に行って、ガラスケースにズラ〜ッと並んだフェンダーやギブソン、リッケンバッカーなどの高級エレキギターを見つめながら「大人になったら片っ端から買い取ってやるぅ・・」と小銭を握りしめていた感じに似ているかもしれません。食器専門店では、さまざまな形やデザインのお皿を見つめながら、その皿に盛りつけるべき料理を、またその調理法をジト〜ッと静かに想像するのです。それは、大学時代にレンタルビデオ屋の奥のほうのファンタジックなコーナーに行って、ファンタジービデオのパッケージを手に取ってファンタジー女優の顔を見つめながらそれがどのような内容なのか、どのくらい期待に応えてくれるのかを目を細めてジト〜ッと静かに想像しているのに酷似しています。
とまぁ、そんな私の今回のねらいはカレー皿。私の場合「オレのカレーはコレだ!」みたいな完成されたレシピはまだなく、材料や調理法などを微妙に変えて毎回実験を繰り返し違うカレーを作っています。がしかし、それが極端なインド風やタイ風でないいわゆる“カレーライス”である以上、舟型のカレー皿で食べるのが一番うまい、という結論に達したのが43年半生きてきた今年の春頃。レコーディングが終わったら“かっぱ橋”に行って舟型のカレー皿を買ってやるのさ、と心に決めていたわけです。
ステンレスの舟型カレー皿という選択肢もあり、かなり迷ってあっちの店やこっちの店と行ったり来たりもしたんですが、結局あるお店のおかみさんの「さめないのはやっぱ陶器よねぇ。ステンレスはお店で割れないように、って作ったやつだからね、もともとは・・」というひとことに納得。そうだよな、ステンレスのやつはお店で食べるからいいんだよな、家だとちょっと雰囲気違うかもな。というわけで陶器のエッジに軽くデザインが施されたコレを買ってきました。うん、正解です、やっぱカレーはこの皿です。写真はレトルトのカレーですが、それでもぐぐっと美味くなります。
“かっぱ橋道具街”には、食器調理器の他にのれんやちょうちんの店や看板の店など飲食店関係のあらゆる専門店が並びます。そんな中ひときわカラフルに目立った存在は、日本独自の文化である「ろう製の食品サンプル」の専門店。単品で購入可能な“お寿司”のサンプルなんかは今や外国人旅行者の東京みやげの定番になりつつあるそうです。東京以外にお住まいの方は東京に来たら是非行ってみてほしいですし、東京に住んでてもそういえば行ったことないなぁ、って方も多くいらっしゃることでしょう。かなり楽しいですよ。さぁ、この夏はレッツ・ゴーツー・カッパーブリッジ!
2006/07/14
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