No.493
『高級グロッケンの件』
御心配いただいているであろう“航空性逆中耳炎”ですが、先日お医者さんに「もう、だいじょぶでしょう」と言っていただきましたので、もうだいじょぶだと思います。しかし大事をとってまだ飛行機には乗らず、STVラジオ『KANのロックボンソワ』は、今週まで東京で収録することにしました。来週から札幌に戻ります。思えば、3週間以上も飛行機に乗ってないってのは、パリからの帰国後10年で初めてのことかもしれません。
そんななか、2月25日(水)発売の新シングル『桜ナイトフィーバー』のレコーディングは順調に進み、あとはトラックダウン、マスタリングという最終段階を残すのみです。
で、今回はグロッケンです。正式楽器名は【Glockenspiel/グロッケンシュピール】。数年前、BAND LIVEのアコースティック演奏のために購入したのが、【SAITO】の『D-4』というグロッケン。去年のライブイベントで再び使おうということになって、購入時の箱に入ったままの状態だったので、専用ケースを買いました。
で、ライブイベントのために練習してみたんですが、これがたいへんに繊細で神経質な楽器でして、ふと間違って隣の鍵盤をかすろうもんなら、そのミストーンがキ〜〜〜〜〜ンとっ響き渡るもんですから、こりゃぁまいった、と思って、その演奏をすべて馬場俊英くんに押し付けましたとさ。ここまでは、コラムNo.474にも書いています。
で、その際、マレット(いわゆるバチ)の固さによって音色がかなり違うということで、どのようなマレットがあるものかと、そのメーカーである【SAITO】のウェブサイトを見てみたところ、私の『D-4』は、なんと、“幼児用”というカテゴリーに入ってました。「幼児用!?」、これには温厚な私もカチン!ときまして、ま、グロッケンだけにね。
で、“コンサートグロッケン”のカテゴリーの機種を実際に見てみたいと思い、楽器店で試奏させてもらったところ、いやはや、もう、コツンと叩いた瞬間に、その響きの厚みと奥深さに感動します。なるほど、あっちはたしかに“幼児用”かも。それでもある程度のお値段したんですけどね。
私の試奏した『SG-100』は、『G-4』よりもふたまわりも大きく、鍵盤も厚みがあります。そりゃそうでしょう、お値段だってなんまわりも高級ですからね。
で、どうしようかと思ったんですが、ライブイベントでもより良い音色で演奏したいのは、ミュージシャンとして当然のことですし、この音色はレコーディングでもよく使いますし、なにしろ、芸能活動もそろそろ丸28年にもなろうというアーティストが、“幼児用”はねぇだろうよ、という思いもあり、「よし、買っちゃえ!」ということで、大枚叩いて専用ケースもまとめて買ってきました、高級グロッケン『SG-100』。それがこちら↓
あれ? 違いますか? 違うみたいですね。 あ、これはかなり前に出前でとって食べた鰻重(竹)でした。どうも、形状が似てるからか、つい間違ってしまいました。というわけで、あらためてこちら↓
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SAITO コンサートグロッケン SG-100 |
はい、どうですか、ステキでしょう。去年9月のイベント【風のハミング】と【みんなでUHBライブ】では、馬場俊英くんに押し付けたので私が演奏することはありませんでしたが、やっと今回、新作『桜ナイトフィーバー』で、この高級グロッケン『SG-100』を初レコーディングしてみました。
『桜ナイトフィーバー』は、ストック/エイトケン/ウォーターマンのサウンドを意識した80年代調のポップなユーロディスコですから、シンセサイザーとサンプリング音源で構築したオケに、生楽器として、ストリングスと、このグロッケンを録音しました。マレットも数種類で音色を試し、結果、右手と左手、違う固さのマレットで録音しました。
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※写真はイメージです。 |
いやね、今時のサンプリングなんてもうホントすごいですから、グロッケンの音色だって良いものはいくらでもあるんですけどね。しかし、こんな時代だからこそ! 敢えて生でグロッケンを叩きました。その違いは、“気”、そして“ぬくもり”でしょうか。いやぁ〜、やっぱりぼくは・・・、人間が好きなんですね。(いい話)
それから、この曲のギターソロも生録音です。これがまた、えぇ、のちのち発表しますけど、イカしてます。ベリーグッドです。
そんなことも含めて、2月25日発売の『桜ナイトフィーバー』、カッペリングの新解釈変則カバー曲『表参道』とともに楽しみに御期待ください。(ん?日本語へんか?)
2015/01/23
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