No.355
『【ある意味・逆に・ある反面】を振りかぶって その2』
はぁい、今週もアップが遅くなりまして申し訳ナイチンゲール。ちょっと急で大事なことがありまして、・・・なぁ〜んて言い訳にならないことをわかりきっていながら言い訳する感じがフランス的でオシャレです。
とにかく、先週に引き続きBAND LIVE TOUR【ある意味・逆に・ある反面】の振りかぶり。前半9曲をノンストップで演奏し、一旦ハケた数分後に再登場。オープニングと同じくカッコイイポーズを決めての中盤について書きたいと思います。演奏曲目を開きながらお読みください。
10. Requerdos de la Alhambra
複数の奏者で演奏するものを独りだけで演る単身弾き語りのライブとは逆の発想で、本来ひとりで演奏するべき曲を、あえて5人がかりでやってみることにしました。去年秋の【Cabrells】で、シューベルトの『Ave Maria』をギター4重奏で演ったのが、なかなかおもしろかったこともあっての、今回のギター5重奏。ツアータイトルが【ある意味・逆に・ある反面】てことから、なんとなく『アルハンブラ』かなと思って選曲しました。そんな感じでの選曲でしたが、結果的には、今ツアーで最も重要なキー的楽曲となりました。主メロ・ハモメロ・ルート・中域アルペッジョ・オブリガードなどの複数のパートを、5人が入れ替わりながら演奏します。ちなみに私が弾くギターは、根本要さんから“いただいた”、“あげてないから”、“一生大切”、“あげてないってば”との論争の渦中にある“噂のマーチンコ”です。そんなことも含めて、後に出るLIVE DVDで細かく確認してみてください。
ところで、この曲いったいタレが作ったのかなぁ、と調べてみたら、フランシスコ・タレガという人の作品でした。2003年にアルハンブラ宮殿を訪れた時に宿泊したグラナーダという街で、路上ギタリスト・Paco Secoさんから直接購入したCDの音源をもとに、ギター5本用に編曲しました。
11. プロポーズ
単身弾き語りではよく選曲していますが、バンドで演るのはかなり久しぶりな気がします。収録アルバムは91年の【ゆっくり風呂〜】ですが、演奏的には2007年のベスト盤【IDEAS】に収録した雰囲気の、ちょっとジャズっぺぇテイスト。これはそうとうイイ曲ですが、その倍くらい歌うのが難しい曲です。その日によってなにかとアプローチの違う矢代さんのピアノを背にしながら一生懸命歌いました。
12.セルロイドシティも日が暮れて
これもまたかなり久しぶりだと思います。タイトルを聞いただけで、どう考えてもじぇったい私が書いた歌詞ではないことがわかると思います。だって、「セルロイドシティ」ですよ。作詞者は、高校の同級生で大学時代に短い期間だけ一緒にバンドをやっていた長島理生。現在はなんらかの会社をやっていて、数年おきに飲みます。曲は明らかに私のものだということを、久しぶりにやってみて改めて感じました。1984年頃のこの曲の歌詞を、もし私が自分で書いていたとしたら、いったいどんな内容になっていたのでしょうか。いや、たぶん、結局書けないまま、20数年経つ今も依然発表されることなく、“ストック”しているような気もします。そういう意味では、長島がさっさと書いてデビュー時に出しといたことは良かったのかもしれません。逆に。どうあれ、自分で歌詞を書いてない28年前の曲を久しぶりにやるってことで、老眼鏡をかけて歌うことについて皆さんはどのようにお考えでしょうか。アレンジはCDとほぼ同じ感じ。西嶋さんは、リハ時から迷ったあげく、フレットレスベースで演奏しました。
13. 小羊
詞曲ともに納得度の高い作品なので、ライブの度にリハーサル段階では候補曲にあがりますが、結局なんやかんやで選曲からはずれ続け、気がつきゃ発表直後のライブハウスツアーで演奏して以来、11年ぶりの選曲。前曲と同様に老眼鏡をかけたまま、CDとほぼ同じアレンジで演奏しました。
14. まゆみ
弾き語りも含めてほとんどのコンサートで演奏している楽曲。発表からの約20年の間にアレンジはいろいろと変わりましたが、あたまの1ブロックを弾き語りで演る以外は、ほぼCDに近い形に戻りました。
15. よければ一緒に
aikoさん発祥の「男子! 女子! ショッカー・イィーッ!」からの流れで、ここ数年は同じようにこの曲を演奏します。普通の曲を普通に演って普通になごむ、この感じが私のライブではちょっと異常で楽しいです。が、そろそろやり方変えてみようかな、とも思っています。
16. Listen to the Music
新曲です。アレンジ自体はとてもスタンダードなものですが、問題はサックスソロをどうするか、でした。「サックスのソロ咽び泣かせfeel so good」と歌っている以上、ライブではギターソロというわけにも行かず、かといってサンプリングのサックス音だけではどうでしょう・・。じゃぁ、仕方がない、サックス上から吊りましょう。ということにしてみました。なんでもないことですが、あるとなしとでは大違いだと思います。
という感じの、ライブ中盤の穏やかな7曲を解説して、今週はここまでオヒラキとさせていただきます。来週も金曜日にアップできる可能性がまったくないということに大きな自信を持っていますので、皆さまは気持ちに余裕を持ってお待ちいただければと思います。
2012/03/04
撮影:山本倫子
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