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Friday Column

No.234

『食った、食わない 〜四国中国北海道〜』

はい、【弾き語りばったり #11 〜言った、言わない〜】も高知・松山・広島・札幌追加公演と終了しました。観に来てくださった皆さまありがとうございました。大阪府貝塚市と東京・浜離宮ホールでの追加公演を残して、ここでツアーは一旦一段落しました。さて、今週も引き続きツアー先の各地で何を食べてきたかをだぁ〜っと並べてみますが、11月1日(日)の移動日はたいへんにボリュームのある1日でしたので、その日だけ単独で来週にまわすことにして、ではどうぞ。


主翼両端が折れ上がるBoeing 737-800
 

久しぶりに空から富士山

■10月30日(金)高知
東京からJAL1489便で高知へ。久しぶりに空から富士山を見た気がします。新幹線から見ると偉大な存在ですが、空から見ると地球のニキビという解釈もありです。14時、高知龍馬空港に到着後、その足で小さく噂の“鍋焼きラーメン”を食べにいきます。“鍋焼きラーメン”とはその名のとおり土鍋に入ってぐつぐつ煮立ってるラーメンなんでしょうが、話を聞いただけで実際に食べるのは今回が初めてなのでその正体はまだ知り得ません。イベンター・DUKEの岡野くんによると、“鍋焼きラーメン”は高知市から西に車で30分ほど離れた“須崎”という街に多くあるそうですが、そこに行く時間の余裕はなく、高知市内にも支店がひとつあるということで、【元祖鍋焼きラーメン・うどん専門店 ちゅるちゅる】にやって来ました。まず店名に仄かな不安を感じますが、店外の看板書いてあったに“早い!安い!”とフレーズは入店直前の不安をさらに煽ります。だって“鍋焼き”が“早い”ってのはなんか矛盾してるでしょう。ま、とにかく入店し、噂の“鍋焼きラーメン”を注文します。そして“鍋焼きラーメン”は決して“早い!”とは言えない適度な時間がかかった後にでてきました。鶏中心のスープに黄色がかった中細麺が土鍋でぐつぐつというよりは、細かい泡を吹きながら煮立っています。具材はネギ・かまぼこ・ちくわに生卵。チャーシューはないんだ、と思っていたら鍋底に鶏のぶつ切り肉がかくれていました。うん、これって“鶏鍋ラーメン”ですよ。そう思えば、ありそでなさそなりそな銀行、かなりおいしゅうございました。


高知【ちゅるちゅる】の
 

鍋焼きラーメン

高知公演終了後は、ワイン・シャンパーニュの品揃えも豊富な隣の酒店から持ち込み可能といううれしいシステムの居酒屋さんに去年に続いてやってきました。“かつおの塩たたき”などをつまみにシャンパーニュを軽く飲み、去年同様「行く、行かない、食べる、食べない」と言いながら、結局は屋台街でラーメンを食べるのです。


かつおの塩たたき
 

結局は屋台街でラーメン

■10月31日(土)高知→松山
この日は高知から松山へ移動して、2年ぶりの松山公演。それはやはりレンタカーで行くべきでしょう。しかも高速にのってぴゅっぴゅって2時間もかけずに着いちゃったんじゃ、わざわざレンタカーを借りる意味もないでしょう、ってことで、時間は倍かかりますが敢えて一般道で松山を目指します。DUKEの岡野くんが「途中の引地橋とうところに、峠の茶屋みたいなイイ感じのドライブインがあったんですが、なにしろ下の道で行くのは10年ぶりくらいなので、今もやってるかどうか・・」と言うので、じゃぁ、そこで昼飯を食べるってことで10時に出ましょう。なかったらなかったで道中行き当たりばったりでなんか食う、それでこそ弾き語りばったりなのよ。ということにしてホテルを出発、土佐電鉄の線路に沿って西へ走ります。高知市を出るまではなんかわかんないけど結構な渋滞が続きましたが、いの町に入ると道はだんだんすいてきました。


仁淀川に架かる仁淀川橋

仁淀川橋を渡って国道33号線をさらに西へ。佐川の町を過ぎるとだんだんと峠のアトモスプヒヤが増してきました。仁淀川に沿って上ったり下ったり、川に架かるどの橋も昔の小学生の絵に描かれるような、わかりやすい鉄橋ばかりで風情があります。1時間半くらい走ると“引地”という地名が目に入ったので「岡野くん、引地だよ」というと、「あ、ありました、その店です!」ということで急ブレーキ。岡野くんが10年前に食べたドライブインは今もありました。ありましたどころかけっこうなにぎわいです。店に入るとまず多くの種類のおでんがあり、囲炉裏では菜箸くらいの串に刺して立てた鮎が焼かれていました。イイ感じです。メニューはうどん・そば、ラーメン・焼きそば、それに丼ものです。岡野くんとクールビズ・マネージャーの近藤くんはさっそく数種類のおでんを皿に盛り、親子丼と焼きそばを注文。私はうどん系にするかラーメンにするか迷いに迷ったあげく、岡野くんの親子丼に引っぱられたかたちで他人丼を注文しました。せっかくなのでおでんもちょろっと食っておこうかとおでん鍋を見ていたら、お店の人が「里芋のおでんがめずらしいから是非どうぞ」というのでそうしました。おお、これは旨い。卓上の辛子にはおろした生姜も混ざっているようで、さわやかなアクセントです。他人丼も薄味だしの上品なお味で、たいへんおいしゅうございました。帰りに女将さんが「がんばってくださいね」とお茶をおみやげにくれました。


【ドライブイン引地橋】の
 

他人丼と里芋のおでん

更に走って峠を越えて谷を下り町に出てまた峠を越えてな感じで1時間半、予定よりもかなり早く松山の街が見えてきました。時間もあまったし、やはり“うどん”を食べておいたほうがいいんじゃないかという気持ちもありましたが、クールビズ・近藤くんがのってこなかったのでやめました。


峠や谷を走り抜け
 

松山シティが見えてきた

11月1日(金)の松山から広島への移動日は、来週たっぷり書きたいと思います。

■11月2日(月)広島
いろいろあって広島公演当日。そこが広島である以上、お昼はお好み焼きを食べるというのは誰にも変更できないルールです。イベンター、キャンディプロモーションの村上さんに連れられて、お店【もり】にやってきました。鉄板のまわりには4席、あとは壁に向いたカウンターが数席のみというパーフェクトに地元系の小さいお店。高校生が学校帰りにマンガ読みながらお好み焼き、みたいな、私たち東京もんにはなかなか見つけられっこない貴重な店です。鉄板のまわりに座って“そば肉玉イカ天入り”を注文。おばちゃんというかおねぇさんというか、いや、こういうお店は年齢に関係なく“おばちゃん”と呼ぶほうがしっくりくるのでそうしますが、ま、とにかくそんな若いおばちゃんがお好み焼きを焼いていくのを至近距離でまじまじと眺めるのは、料理好きの私にはいい時間です。で、見ていて気づきましたが、この店はこれまで食べたお好み焼きとは作る行程が若干違うようです。

これまでの私の記憶の多くは、薄くのばした生地の上にキャベツ・もやし・天かす・イカ天・豚肉などをのせて、生地のベースをつるっとひと掛けしてザッと裏返し、別の場所でお湯で蒸しほぐしながら焼きそばを焼いて軽く味をつけ、いい具合に水分が飛んで円盤状になったお好み焼きを焼きそばの上にどんとのせてギュッと押さえ込み、別の場所に生卵を割ってヘラ先で軽く溶いて、そこに一体化したそば入りお好み焼きをのせてギュギュッと押さえて卵が焼けたらザッと裏返し、ソースべちゃべちゃ、鰹粉と青のりパラパラで出来上がり、だと認識していますが、ここ【もり】はちょっと違って、最初に焼きそばを焼いて、それを薄生地の上にまずのせて、その上にキャベツ・もやし・ネギ・天かす・イカ天・豚肉、生地のベースをつるっとひと掛けしてザッと裏返し、それをギューギューと強く押さえ込みながら水分を飛ばし、別の場所に生卵を割るのは同じですが、割った卵にお好み焼きをのせたら、押さえ込むことなくすぐにさっと裏返しました。つまり上下両面に卵がつき、上面の卵は半生状態のまま、そこにソースをベチャベチチャと塗る、と、そのような行程でした。ま、基本的具材はどこも同じでしょうから、その行程を見ていなければなんの違いもわかんないんでしょうけどね。ま、作るのをじっくり見て、で、食べる、ってのは楽しいってことなのです。


広島【もり】の
 

そば肉玉イカ天入り/ネギちょいかけ

■11月3日(火祝)札幌
広島空港からJAL3401便でダイレクトに札幌へ。MD-80型機は飛びが軽くてイイ飛行機です。WESSの南くんが空港へ迎えに来てくれるので、今回は札幌ではなく千歳市内のどこかでラーメンを食べようか、という気持ちもありましたが、広島空港のレストランで食べた朝食が予想よりもしっかしした内容だったため、まだそれほどお腹はすいてなく、とりあえず札幌へ、と道央自動車道にのりました。道中いろいろ候補店を話し合いましたが、休みだったり遠かったり、そんなうちにもう札幌南インターに着きそうでしたから、近藤くんが行きたがっていた【北龍】にしようということで、札幌南で降りて厚別の【北龍】に久しぶりにやってきました。ここ数日の野菜不足を補う意味合いもありながらの“塩野菜ラーメン”、たいへんおいしゅうございました。【北龍】さんの詳細は、当サイト内『ラーメンの世界』で。


札幌・厚別【北龍】の塩野菜ラーメン

はい、というわけで札幌追加公演終了後、予定どおりに軽く風邪などひいてみましたが、どうやら流行りの重大なやつではなさそうです。そして私は今日から新作アルバムのレコーディングを開始します。これから始めるのでお聴きいただけるのはまだずっと先ですが、早め多めに期待しておいてください。

2009/11/06



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