No.228
『太陽のめぐみ』
はい、現在【弾き語りばったり #11 〜言った、言わない〜】ツアー中、ひとりでがんばってま〜す。先週末からの神戸・大阪・大阪・京都と関西4公演を終えたところです。観に来てくださった皆さま、ありがとうございました。
そんな私は昨日、47ちゃいになりました、あらららら。もう、この歳になるとね、誕生日だからどうだこうだってこたぁありませんけど、まぁ、いろんなことに感謝するタイミングってことです。特筆すべきは、47歳は“素数年”だということくらいでしょうか。決して割り切れることのない1年を生きていこうと思います。ちなみにリア・ディゾンさんと同じ誕生日だということはかなり自慢できる事実ですので、これからもよろしくお願いします。
さて今週は、尊敬すべき先輩バンド、スターダスト・レビューの9月16日にリリースされた新作アルバム『太陽のめぐみ』について、私なりに勝手にいろいろかかせていただこうと思います。
01. 僕らの本能
根本要さんのワウワウギターの頑さがカッコイイ、ダンサブルなオープニングナンバー。2コーラス目後のビートのみの4小節間に、ふと不穏な空気を感じた直後、要さんのラップが炸裂します。御本人は「あれはラップじゃなくて、もっと前のロックにあった“アジテーション”」だとおっしゃってました。ライブではこの曲でメンバー紹介をして「それが僕らの本名だから〜♪」という手もあるな、と思いましたがまだ提案はしてません。
02. 太陽の女神
アルバムタイトルと一字違いのこの曲は、KATSUMIを彷彿とさせるこれまたダンサブルなラテンポップ。要さんがKATSUMIの髪型になったら・・・なんてことを考えながら聴いているとカラダが勝手に踊りだしました。Bメロへ移る時のコード感がたいへんに気持ちよく、曲後半では要さんのギターと添田くんのシンセによるソロバトルがソロハモリへとエキサイティングに展開します。「ライブではこの流れで添田くん10年ぶりの“利きビール”じゃないですかねぇ」と要さんに提案しましたが、「やんないから、うちは」と即時却下されました。
03. Priority
ちょっと懐かしめのアメリカのテレビドラマ主題歌風のギターフレーズや爽やかなコーラスがグーなミディアムAOR。作曲は根本要さんですが、私はふと旧メンバーの三谷泰弘さん的雰囲気も感じました。作詞に寺田正美さんがクレジットされていると聴き方もまた少し変わってきます。間奏のオルガンソロもナイス。
04. 潮騒静夜
シリアスなアダルトナンバー。作詞は中村中さん、濃いです。「追憶」や「木蘭の涙」もそうであるように、このような女性目線の歌を歌えることも、スターダスト・レビューの音楽性の幅の広さの大きなひとつの要因だと思えます。私にはどう考えてもできっこないですよ。着るもん着ればやれるかもしれませんけど。
05. Love×Affection
エリック・クラプトン、いやラリー・カールトンか、その辺よくわかってない私ですが、とにかくそんなメロウな泣きのギターが切ねぇたそがれ系AOR。リズミックなピアノのバッキングもいい感じです。歌詞は要さんとVOH林さんの共作。
06. 恋の呪文はRing My Bell
デビュー当時のスタレビュを思い起こさせる軽快なブギウギナンバー。シンセの音づくりも敢えて80年代初頭のYAMAHA的サウンドを意識したのではないかと、勝手に推測します。曲後半のギターソロと絡む「アー、アー、アー、アー」の積み重ねコーラス、いちばん高いパートは意外にも寺田さんが歌っているそうです。
07. 空の向こうに
作者・要さんは「When I’m Sixty-Four」のイメージとおっしゃっていましたが、私はアレンジからか「Penny Lane」的な印象を受けました。いずれにせよポール・マッカートニー調のメロディが心地よいポップナンバー。他界したお父さまへの思いを綴ったと思われる歌詞は決して重たく悲しいものではなく、むしろほんわか明るく仕上がっています。原朋直さんのソフィスティケイテッドなトランペットソロも秀逸。
08. ALIVE
待ってました、ベースの柿沼清史さん作品。どのあたりでどのような柿沼さん作品が出てくるかは、スタレビュのアルバムを聴くときの大きな楽しみのひとつです。今回はベースライン半音下り型の善良なミディアムポップナンバー。爽やかなソフトボイスに癒されます。間奏では柿沼さんのベースと要さんのギターによる、心温まる同級生掛け合いソロが聴けます。菊池桃子さんを永遠のアイドルとする柿沼さんですが、最近は真野恵里菜さんに興味を持っているようです。
09. シーズン
柿沼さんと要さんの共作は、これまでのスタレビュ作品にはあまりなかったのではないかと思われる曲調。柿沼さんのフレットレスベースがブイブイ唸ります。ちょうど私も8分の6のマイナーものを作っている途中にこの曲を聴いてしまい、偶然にも全体の雰囲気がたいへんに似ていたため、私のやつは作曲途中段階で保留にしました。うぇぇぇぇん(泣)。
10. 春キャベツ
たいへんに優れた美しいメロディを要さんがパーフェクトに歌いこなすベジタブルバラード。このアルバムの中で最も好きな曲のひとつです。「時に休みながら」からの展開部のメロディ、コードワークも素晴らしい。
11. ニッポンの汗
デビュー28年、もうすぐメンバー全員が50を越える、そんなロングキャリアバンドであるからこその、ゆる〜く楽しいオヤジラテンの秀作。スリーコードの極めて単純な作りなんですが、これがメチャクチャいいんです。この曲を初めて聴いたのは車の中でしたが、2コーラス目の「ごめんなさいねぇ」のところでは思わず大声で大爆笑してしまいました。コンサートでも会場全体がゆる〜く盛り上がることでしょう。繰り返し聴けば聴くほどコンサートでの情景がどんどん浮かんだもんですから、その一部を要さんに提案してみましたが、たぶん却下されると思います。
アレンジはすべて根本要さんと添田啓二くんによるもの。あちこちにあらゆるバリエイションをとっちらかせながらもうまいことまとめ上げているところは、これから新作アルバムを作ろうとしている私が最も見習うべきことのひとつです。
と、何も恐れずに勝手にいろいろかいてみましたが、とにかく言いたいのはとてもおもしろいアルバムだということです。スターダスト・レビューの新作アルバム『太陽のめぐみ』、皆さまも是非お聴きください。
そんなスタレビュのこれまたたいへんな公演数の全国ツアーが来週から始まります。詳しくはオフィシャルサイトを御覧ください。
私は私で明日は名古屋、あさっては浜松です。よろしくおね外資系OL。
2009/09/25
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