No.218
『台北B級グルメランキング』
まずは先週のクイズの正解です。
台北には東京同様あちこちにコンビニエンスストア(便利商店/ピェンリーシャンディェン)があります。では、【ファミリーマート】は北京語ではどのように表記されているでしょうか。
1.全家(チュェンチャー)
2.家族萬天(チャーヅーワンティェン)
3.飯米利賣多(ファンミーリーマイトゥオ)
4.SAY YES
という問題でした。
で、正解は1の「全家」どぇす。
2と3は私が勝手にでっちあげたもので、4は名曲です。
そんなわけで、今週も台北ばなしにおつきあいいただきます。
往復の飛行機は、出ました!JALマイレージバンクの特典航空券。ほぼ毎週札幌を往復している私はマイレージバンクでもかなり高いステータスだったりするので、海外で使える日航ホテルの宿泊クーポン(いわゆるタダ券)も毎年2枚あります。がしかし、私が好んで行くような旅行先は日航ホテルなどないとこばっかなので、毎年2枚のタダ券も使うことなく有効期限を切らしていました。でも今回、台北には日航ホテルがありますから、これで2泊すれば飛行機もホテルもタダ。メシ代飲み代だけで行けるもんねぇ、と小踊りしていたのもつかの間、日航ホテル(台北老爺飯店)をネットで予約しようとしたら、なんと6月28日から3ヶ月間改装工事のため全館休館ですと。なんだよなんだよ、よりによって、またタダ券使えずじまいじゃんよぉ。えぇい頭に来た、じゃぁちゃんと旅行だよ、旅行。ってことになり、2泊のつもりだったところを、勢いで高級ホテルをなぜか3泊も予約してしまいました。言ってみりゃ軽い逆ギレです。
というわけでASKAさんのコンサートを観に行くだけだったつもりの台北が、3泊4日の小旅行になりました。16年ぶり2度目の台北はもうすっかり完成された都市のようで、見た目も東京に似ていて行動するのに不自由はありません。コンビニエンスストアはもちろん、『スターバックス』も『マクドナルド』も『モスバーガー』も『吉野家』も至る所にあり、『洋服の青山』や『タイムズパーク』まで見つけちゃった日にゃ、北京語に抵抗のない私にとってはもはや外国に居る気分などほとんどありません。そんな街でも市バスに乗ってあてもなくあちこち行くという楽しみが私にはあります。それも台北の都市鉄道「捷運(チエユン)」と市バス「公車(コンチャー)」を完全網羅した路線図本【台北捷運公車指南】というたいへんわかりやすいものがホテルの裏の『セブンイレブン』で売ってたりましたから、これさえあればどこへでも行けます。あとはひたすら食べるのみです。
と、そんなこんなで3泊4日、あっちゃこっちゃで食いまくってやりました、台北の庶民食ばかりを全10食。これらをざっと載せようと思いますが、今回はランキング形式にします。別に意味はありませんよ、私が食べたものを並べるだけですからランキングでもなんでもないんですけど、でもなんか、みんな好きじゃないですか、“ランキング”って響き、ねぇ。ですから形だけの順位などなんら気にせず、「おいしいもんいっぱい食べてよかったねぇ」と寛大に御覧ください。では【台北B級グルメランキング】の発表です。
第10位:涼麺(リャンミェン)
『陳家涼麺』 南京東路五段123巷29号
「朝はみな涼麺を食べる」とガイドブックに載っていたので、朝行ってみました。学祭風の紙皿にのったシンプルな“胡麻ダレ冷やし中華”的なもの。量的にも確かにさらっと朝向きだと思えます。ちなみにの住所の見方ですが、大きな通りはある程度の距離毎に「一段・二段」と分けられていて、「巷(シャン)」とは、表通りから路地を入った界隈のことのようです。例えばこの店は、南京東路五段の123番地の路地を入った先にありました。
第9位:蕃茄麺(ファンチェミェン)
『山西蕃茄牛肉刀削麺』 民生西路 番地不明(馬偕医院の南対面)
東京でも時々見かける“刀削麺(タオシャオミェン)”、麺生地のかたまりを包丁で削り飛ばしながら釜で茹でるアレです。台北市内で数軒見かけましたが、どの店にもかならず“山西”と書いてありますから、直轄市・北京がある河北省の西隣にある山西省の食べものなんでしょう。で、「蕃茄(ファンチエ)」とは北京語でトマトのことで、「蕃茄麺」とはトマトがたくさん入ったスープ麺です。チャレンジ精神で食べてみましたが、味はまぁ、“新しい経験のひとつ”と思えばそれでいいのです。
第8位:牛肉鍋貼(ニュウロウクォティエ)
『東門餃子館』 金山南路二段31巷37号(永康街エリア)
3日目の夜、無性に焼き餃子が食べたくなり、しかし焼き餃子は中国の北のほうの食べものですから、それをここ台北で食べるってのもどうだろうと思いましたが、そう思えば思うほど焼き餃子が食べたくてたまらなくなり、ガイドブックを見て行きました。豚肉・牛肉・野菜など5種の餃子がそれぞれ茹・蒸・焼の調理法から選択でき、豚では普通すぎるかと思い、牛肉の焼き餃子を注文。レジ横のケースから「辣白菜」を持ってきて「台湾ビール」を飲みながら待ちます。1人前10個、無造作に盛られた「牛肉鍋貼」は日本で食べるのとなんら変わらぬ餃子でうまかったです。
第7位:坦仔麺(タンツミェン)
『好記』 吉林路79号(長春路との交差点付近)
挽肉のそぼろがのったスープ麺は台湾を代表する庶民食のひとつ。一般的には小皿のおかずを数品選んで、それと一緒に食べるようで、この「坦仔麺」自体は小さなお椀にちょろっとした量でした。初日到着直後ですがすでに午後3時だったのでちょうどよかったです。海老の風味が印象的でたいへんおいしゅうございました。
第6位:小龍包(シャオロンパオ)
『京鼎楼』 長春路47号
はぁい、みんな大好き小龍包です。ASKAさんのコンサート終了後、路線図本を見ながら市バス待ってる余裕などなく腹がへってたまんなかった私は、“今夜は小龍包”と決めていたので、ガイドブックに載っている店にタクシーをぶっと飛ばします。地下のフロアの隅の小卓につき台湾ビールをたのんで小龍包を待ちます。ガイドブックに載っているせいか、客はほとんどが日本人です。私の左隣の大卓には、なんらかのスポーツの選手だと思われる大学生らしきが7〜8名、いい具合に酔っぱらった感じで「もう飲めねぇ、もう食えねぇ」と適度に騒いでました。そして、少し離れたテーブルでは“エビちゃん”をちょっとキツくしたような20代後半と思われる細身の色白美人・それも双子、ともうひとりの女性が、酒も飲まずにおしとやかに小龍包を食べていました。そんな色白美人双子が帰っちゃったとたん、スポーツ学生くんたちは急に顔を集めて、「今の日本人?」「いや、台湾人でしょう」「でも日本語しゃべってたぜ」「やべぇ、オレらの会話ぜんぶ聞かれてんだ」「日本語ペラペラの台湾人じゃないの」「双子だよね」「姉妹でしょ」「ってゆうか、あれ、タレントじゃない?」「ん? ってことはもうひとりはマネージャー?」「母親だよ」「母親だったらもっと歳でしょう」「でも、整形だよね」「マジ!?」「お直し?」「え、どっちが?」と力の入った小声で緊急会議です。それがもうおかしくておかしくてね、私もビール片手にそのテーブルに混じって「彼女たちは日本人、双子でしょう。美容に多少のお金はかけてそうだけど、整形じゃないよ。でも、美人なのに光ってないってのはちょっと惜しいよね。」ってな感じで話に入りたかったんですが、やめときました。そりゃそうですよね。でも、やっぱ男ってのはいくつになってもどこにいっても考えてるこたぁ基本みな同じってことです。あぁぁ、おもしろかった。
え、小龍包? あ、はい、見た目のとおり、日本で食べるのと同じでたいへんおいしゅうございました。野菜も食わなきゃと思い「炒小白菜」と一緒に食べました。この後、ASKAさんの打ち上げに合流します。
第5位:羅葡排骨砂鍋(ルォポーパイクゥシャークォ)
『秀蘭小吃』 信義路二段198巷5-5号(永康街エリア)
台北に於いてどのようなニュアンスのエリアかはわかりませんが、永康街(ヨンカンチエ)はグルメ天国とガイドブックに書かれていたので、初日の夜にさっそく行ってみました。牛肉麺の屋台、台湾料理、四川料理、タイ料理、ピッツェリア、ロシア料理、日式拉麺、しゃぶしゃぶ、とホントになんでもありの飲食街です。私が入ったのは、今回の食事で唯一かろうじて“餐庁(レストラン)”とカテゴライズされ得る店。メニューの最初のページに“砂鍋”(日本でいう土鍋)の項目があったので、看板料理なのだろうと思い、ならばと“大根と骨付き豚肉の煮込み鍋”を注文します。小・中・大とあり、店員さんに“小”はどのくらいの大きさかと尋ねたら、両掌でソフトボールくらいの大きさを作ったので、「あ、なんだそんなもんか」と、その“小”と合わせて「蛋炒飯」をたのみました。ところがどっこい、この“小”が結構しっかりした量でして、でもバッチリ旨いもんですからホイホイ食べてたら、忘れた頃にやってきた炒飯もしっかりした量で、がんばりましたが完食は無理でした。しかし、味はいずれもたいへんおいしゅうございました。ここだけ店舗外観写真をとり忘れました。
第4位:排骨麺(パイクゥミェン)
『排骨大王』 武昌街一段11号
豚ロース肉がドカンと乗った排骨麺。高菜漬によく似た「雪菜(シュエツァイ)」もたっぷり入っていい感じです。なんつたって揚げたてってのがたまりません。豚肉を一口かじった直後、まだ昼間だってのに思わずビールを頼んでしまいました。鶏もも肉を揚げてのっけた「炸鳥麺」ってのもかなり魅力的です。
第3位:蚵仔麺線(ハォツミェンシェン)
『丁記蚵仔麺線』 復興南路一段31巷2号(微風広場の北並び)
“牡蛎を煮込んだとろとろスープ麺”とガイドブックにあったので、これは旨そうだと行ってみました。麺料理というよりは極細麺を一緒に煮込んだスープ、お箸もなくレンゲのみで食べます。食事というよりは、おやつ代わり的ニュアンスなのかもしれません。“牡蛎のラーメン”を食べるイメージでやってきた私はちょろっと拍子抜けしましたが、しかし、味は絶品。これまでに食べたことのないテイストで、かなりうまかったです。「写真を撮ってもいいですか」と聞くと、無言でうなずいた御主人はシャイなふりしてしっかりカメラ目線、ありがとうございました。
第2位:原汁牛肉麺(ユェンチウニュウロウミェン)
『原汁牛肉麺』 杭州南路二段46号(中正記念堂の南東エリア)
台湾を代表する庶民食のひとつ“牛肉麺”。ガイドブックに載っていた目当ての店が土曜日なのに休みだったので、その隣の店に入ってみたらこれが大正解。じっくり煮込んだ柔らかい牛スネ肉がたっぷり、ラーメンと別にステーキ1枚食っちゃったようなボリュームでしたが、ペロッと完食。おまけに御主人が“茎わかめの炒め物”なんてサービスしてくれちゃったもんですから、もう腹パンパンです。ところで“原汁”って何でしょうか、調べてもわかりませんでしたけど、いい意味なんでしょう。
第1位:魯肉飯(ルウロウファン)
『金仙魚丸』 南京東路二段115巷
細かく刻んだ豚肉を甘く煮込んで御飯にぶっかけた、これまた台湾を代表する庶民食のひとつ。白飯文化の国民ならばこれ嫌いな人はいないでしょう。坦仔麺と同じく、小皿のおかずとともに食べるもののようです。注文前に器を見せてもらうと、“小”はこどものお茶碗くらいで、“大”でちっちゃめの丼くらいだったので、“大”を単品でいただきました。濃い濃いのタレが御飯に染みまくってますので逆におかずは要りません。どっちかっつうとボルドーの赤ワインでもほしくなるようなような、そんな濃厚で深みのある味わいでした。次に台湾に来た時、私はこれを食べて「あぁ、台湾に来たんだなぁ」と感じることでしょう。
さ、いかがでしたでしょうか【台北B級グルメランキング】。先にも書きましたように順位に意味はありません。いつか台北に行く機会があれば、プリントアウトしてグルメガイドとして活用していただければと思います。ホントにそうする方は、営業時間・定休日などは御自身でお調べください。
こんなんばっかりノリノリで書いている私ですが、よぉく考えればミュージシャンなのだということを自分で忘れないように、CDなんかも複数買って来ました。その中でとてもよかったものを1枚ご紹介しますので、「あ、そう言えばこの人ミュージシャンなんだよね」ということを思い出してください。
中山北路の『上揚唱片』で買った |
|
徐佳瑩のアルバム『LaLa』 |
2009/07/17
|