No.206
『【じゃぁ、スイスの首都は?】後半をがつっと振りかぶって』
はい、トルクメニスタン旅行から無事帰ってきました。いやぁ、おもしろかったですよ。独自の世界でした。もうそのこと書きたくて書きたくてたまんないんですが、まだ写真の現像待ちですし、今週は予定どおりにBAND LIVE TOUR 2009【じゃぁ、スイスの首都は?】の後半をがつっと振りかぶります。前半の振りかぶりをお読みいただいてない方は2週前のNo.204を御覧ください。
では、改めて演奏者と演奏曲目から。
【演奏者】 清水淳(ドラム)・西嶋正巳(ベース)・中野豊(ギター)・矢代恒彦(キーボード)、そして私。
【演奏曲目/オリジナル発表年/収録アルバム】
01. 健全 安全 好青年 | ’90『野球選手が夢だった』 |
02. Happy Birthday | ’90『野球選手が夢だった』 |
03. Fusion Top Secret | ’87『テレビの中に』 |
04. Rock’n Soul in Yellow | ’99『KREMLINMAN』 |
05. RED FLAG | ’06『遥かなるまわり道の向こうで』 |
06. 愛は勝つ | ’90『野球選手が夢だった』 |
07. GO PLAIN | ’89『Happy Title』 |
08. 結婚しない二人 | ’94『東雲』 |
09. 涙の夕焼け | ’96『MAN』 |
10. 1989 | ’90『野球選手が夢だった』 |
11. 香港SAYONARA | ’93『TOKYOMAN』 |
12. けやき通りがいろづく頃 | ’90『野球選手が夢だった』 |
13. 今夜はかえさないよ | ’87『NO-NO-YESMAN』 |
14. カラス | ’01『Gleam & Squeeze』 |
15. ときどき雲と話をしよう | ’91『ゆっくり風呂につかりたい』 |
16. まゆみ | ’93『TOKYOMAN』 |
17. 恋はTONIN’ | ’88『Girl To Love』 |
18. Oxanne | ’98『TIGERSONGWRITER』 |
19. Superfaker | ’01『Gleam & Squeeze』 |
20. MOON | ’93『TOKYOMAN』 |
21. REVOLUTION (The Beatles) | |
22. 適齢期LOVE STORY 2009 | ’88『Girl To Love』 |
23. 50年後も | ’99『KREMLINMAN』 |
◆M11『香港SAYONARA』
事前飲み会で、今回のアコースティックセットはこれまでとはちょっとちがった編成で、という話し合いもあり、そんな中、いつの間にかウクレレも専門になっていた西嶋さんが「じゃぁ、ウクレレで“香港”とか・・」と、ついうっかり言っちゃった瞬間にハイ決定。西嶋さんはなんだかちょっと高そうな、普通のウクレレよりはひとまわり大きいものをリハーサルに持ってきました。私も弾いてみようかと01年に本場ハワイで購入した【KoAloha】というメーカーのウクレレを持ってきたものの5分で煮詰まり、やっぱりセンパイに弾いてもらって、私は歌に専念することにしました。するとセンパイは後日実家に戻り、置き去りにしてあったやはり【KoAloha】のウクレレを持ってきました。リハーサルスタジオのロビーで西嶋さんがセンパイにウクレレの基本奏法をレクチャーする様子が、非常にシンプルで興味深く、「うん、それ、そのまんまやりましょうよ」ということで、ウクレレ教室という設定での演奏になりました。
◆M12『けやき通りがいろづく頃』
弾き語りばったりで何度か個人練習にトライしたものの、歌唱・演奏ともに非常に難度の高い楽曲であるため断念していました。というわけで、矢代さんにピアノを弾いてもらっての“弾かれ語り”。矢代さんが私のピアノに座ってのカクテルピアノからの導入。そんなピアノに乗って私が登場人物がたいへんに多い歌詞の内容を説明しますが、それまでのメロウなカクテルピアノが徐々に不穏な雰囲気を醸し出したと思うと、やがてどう考えてもオシャレなトークのBGMとは思えない恐ろしいピアノソロへと展開し話が中断します。考えてみるとこれはある意味、“矢代さんがミニコントをやっている”ってことです。そういう意味でも貴重なワンシーンだったのではないでしょうか。清水さんは音程・リズムともにこれまた難度の高いコーラスを担当します。
◆M13『今夜はかえさないよ』
これも矢代さんの提案をもとに、4人でコーラスなんてチャレンジングでいいかもと思い、やってみました。そしてスタレビュを越えるためには、と“ローラースケートアカペラ”や“竹馬アカペラ”なども考えてはみましたが、「やめよう、ケガする」ということで話だけで却下。まじめにコーラスの練習を繰り返し、矢代さんのキャプテン&テニール風のリズミカルなピアノにのって演奏しました。
◆M14『カラス』
そういう意味では、この流れで最もキメなければならない、今回のツアーに於いても最も重要な曲のひとつ。清水さんのカホーンに、西嶋さんは自信がない自信がないと言いながらもフレットレスのアップライトベース。センパイのガットギターと矢代さんのキーボードによるガットギターのサンプリング音が物悲しく絡まります。ライブでは今回が初の演奏。
そんな流れでそれぞれ定位置に戻りM15『ときどき雲と話をしよう』、M16『まゆみ』と演奏し、M17『恋はTONIN’』から後半の盛り上がり系ナンバーへと続きます。
◆M18『Oxanne 〜愛しのOxanne〜』/M19『Superfaker』/M20『Moon』
『Oxnne』は“オッパイパイ”を連呼する極めて音楽的なアレンジ。10年ぶりに“秘技・レスポールまっぷたつ”を披露しました。3月27日の東京追加公演にはDVDの撮影が入っていたこともあり、バズーカ砲でメタリックテープをぶっ放しました。『Superfaker』は私の楽曲の中で最も演奏の難度の高い曲のひとつ。細かいシンコペーションのキメが多いこの曲をよりあわただしく見せながら演奏します。センパイのギターソロはやはりピアノの上で、西嶋さんはヘッドセットでコーラスもやりながら、あちこち走り回ります。そして、それまでのドタバタを一気に清算するニュアンスでのドバラード『Moon』で本編終了。
メンバー全員で最前列に並んで一礼した後、下手からハケたあと裏通路をダッシュ、すかさず上手から登場するという“イリュージョン”を披露しました。だって、一旦ハケたあと皆さんを数分間お待たせする理由が今回はありませんでしたから。例えば前回のように全員バグパイプを持つとか、前々回のように私が原田省吾さん(ハラショー)に変身するとか、そのような時間が今回は必要なかったので、当然のイリュージョンです。
◆M21『Revolution』(The Beatles)
1968年のジョン・レノン作品。特に理由はありません、ただやりたかっただけです。1978年、高校入学祝いに親から買ってもらい、デビュー後、私のバンドの初代ギタリスト・林部直樹くんに無期限貸しにしていた【Epiphone CASINO】を21年ぶりに返してもらって、『涙の夕焼け』とこの曲で持ちましたが、音は出してません。
安藤美姫ちゃんに影響を受けた新技“ミキティ・ターン” |
◆M22『適齢期LOVE STORY 2009』→全曲つなげ
思えばアマチュア時代の1985年からかれこれ24年間演奏し続けている定番中の定番曲。このライブで演奏された全曲をワンフレーズずつ繋げてダイジェストにする“全曲つなげ”も94年から続けている、この期に及んでは“お家芸”とも呼ばれたい自慢のアトラクションです。今回のドサクサ紛れ込ませ曲『崖の上のポニョ』は当然の選曲でしょう。Perfumeの『ポリリズム』も振り付きでやりたかったんですが、2曲入れるとドサクサ感が薄れますし、かといって『ポニョ』を外すわけにはいきませんでした。全曲つなげを一旦作ってリハーサルで演奏しましたが、なにかちょっと平坦な印象があったことから、最終曲『Moon』の部分でもう一度『ポニョ』をぶり返したのは正解でした。もちろん『崖の上のポニョ』の楽曲使用に関する正当な手続きはふんでいますが、DVDではこの部分は“ピー音”で処理されると思います。
で、最後はM23『50年後も』を弾き語ってお開き。
と、こんな感じでしたが、いかがでしたでしょうか。例によってツアータイトルとは何ら関係ない内容でしたが、無駄なくタイトでいながらバラエティに富んだ構成ができたのではないかと思っています。
あくまで普段着と言い張った今回の衣裳は『パイレーツ・オブ・カリビアン』的ニュアンス。今回は選曲だけでなく衣裳のアイディアも矢代さんから多くの提案があり、提案と言っても「コレが着たい」というわけではなく、あくまで私の発想を刺激する意味での投げかけ画像が多くあり、そんな中からのなんとなくのイメージでスタイリスト藤井淳子さんに作ってもらいました。
やっぱバンドは楽しいっすよ。私の本来あるべき姿です。あらためて、ありがとうございました。今回のライブDVDは、『Revolution』は収録しないものの、ほぼノーカット版を予定しています。発売時期は9月頃に設定して連休明けあたりから徐々に作業を進めようと思います。そちらもお楽しみに。
さ、来週からは『トルクメニスタン旅行記』、たぶん3週くらいに渡っても書き足りないくらいだと思います。よろしくおつきあいください。
2009/04/24
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