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Friday Column

No.125

『バッファローの手のひら』

じゃぁ、これはなんですか?



普段の生活でコンピューターをお使いの方はすぐにおかりでしょうから、「シャープペンシルの芯のケースです」などという奥行きのないボケはやらないことにしてさっさと正解を言いますと、『USBメモリー』です。それがそうだとすぐにおわかりになった方にはこれがどういうものだという説明は不要だとは思いますが、コンピューターとは縁遠い生活を送ってらっしゃる方々には、この『USBメモリー』をどのように説明すれば最もわかりやすいのか私はわかりません。簡単にいうと、複数のコンピューター間で、またはUSB端子の付いたなんらかの機器との間でデータを移動させる時に使うやつなんですが、やっぱりいまいちわかんないかもしれませんが先に進みます。

私の場合は、普段併用している自宅用の据え置き型高級コンピューターと持ち歩き用のブック型高級コンピューターとの間で、比較的大きい容量の画像データなどを移動させたりする時に使っています。まぁでも、なきゃないで困ることはないんですけど、毎週通う札幌のSTVでは、私のブック型コンピューターは局内のサーバーに入れないもんですから、番組HP用の選曲原稿を私のコンピューターから番組のコンピューターに移す時には重宝しています。まぁでも、この場合もなきゃないで誰かのを一瞬借りれば済む話なんですが。・・といった感じで、あればなにかと便利という『USBメモリー』です。


 


このようにキャップをはずすとUSB端子があり、それをコンピューターなどに差し込んで使います。私がバッファロー社のこれを購入したのは、たぶん去年春のアルバムレコーディングの頃だったと思うんですが、今夏あたりからキャップがね、甘くなっちゃって、“カチッ”と止まんなくなっちゃったんですね。いつもカバンの中の小さいポケット部分に入れてるんですが、取り出そうとするとキャップがはずれてカバンの底の隅のほうに行っちゃってたりして、ちょっとめんどくさい日々がしばらく続きました。なので私は考えました。輪ゴム掛けりゃぁいいんだよ。


輪ゴムかけりゃぁいいんだよ

ね、これでいいでしょう、見た目ちょっとバカっぽいですけど。しかしこれが簡単に取れちゃうんですね、やっぱ。カバンから出そうとしたらキャップは底の隅のほうに行っちゃってるわ、輪ゴムはボールペンに引っ掛かっちゃうわで、めんどくささが倍になる日々がしばらく続きました。見た目どおりバカだったんですね。そんな9月最終週のある日の札幌行きの日航便は意に反して非常口座席でした。シートベルトをして携帯電話をカバンにしまっていたら、またキャップと輪ゴムが底の隅のほうに行っちゃってました。正面に座ったスチュワーデスさんが結構可愛かったこととはあまり関係ありませんが、“よしこの機会にちゃんとした固定策を真剣に考えよう”と思い立ち、バッファロー社のUSBメモリーと輪ゴムを手に脳みそをびゅんびゅん回転させてハッと良案をあみだしました。約10分間の地味な格闘の末、輪ゴム1本でキャップと本体をつなぎ、使用時にも紛失の恐れはないシンプルな固定法を完成。それを待ってくれていたかのように飛行機は離陸しました。


見た目もさりげなく
 

ゴムのラインもスマート

どうですか、完璧でしょう。写真だけだと簡単そうに見えるでしょうけどね、これが結構たいへんだったんです。輪ゴムを掛ける方向が違うと、輪ゴムを通す部分に無理な負荷が生じたり、縦のラインがねじれたり。見た目の美しさを重視し、意外と左右対称が大好きなフランス式の私なもんですから、こういう中途半端な感じはどうもダメでして、そんなこんなでこっちからでもないあっちでもない、かといってこっち向きも違う・・・と完成までに10分を要したというわけです。


 


でもね、こういうの大事でしょう、そう思います。世の中いろんなもんがどんどん進化してぐいぐい便利になりますが、便利になるってことはめんどくさいことが減ると同時に“考える”という脳内行為も減っていくのです。進化の恩恵に浴すれば浴するほど“考えない人間”になってしまう、私たちはそんな時代を生きているです。人間は考える葦であり、あっしは考える人間です。シャーペンの芯のケースほどの小さなスティックで大容量のデータを簡単に移動できる最先端IT機器である『USBメモリー』のキャップの不具合を、考えて考えて“輪ゴム1本”で処置することに、私はたいへん大きな意義を感じています。

なんだかものすごく善いことを言ったような気になっていますが、ちょっと待ってくださいね、・・・ってゆうか、たしかに『USBメモリー』自体は最先端IT機器ですが、“キャップがカチッととまるかどうか”ってのは、よぉく考えると“フタがちゃんと閉まんなくなっちゃった”レベルの、ものすご〜く昔っから普通にある極めてヒューマンでマニュアルなプロブレムなんじゃないかということに、今になって気づいてきました。それはつまり、キャップを輪ゴムで留めたことで満足している私は、食べかけの“おにぎりせんべい”が湿っけちゃわないようにと、袋を洗濯バサミで留めて満足していた小学校低学年の私となんら変わってないということではないか、ということに気づいてしまっちゃったぢゃないですか。



しかも、この『USBメモリー』の上と下には“輪ゴム”を通す穴が最初っからあるじゃないですか。穴が上部にひとつだけだったら「携帯ストリップをつけてオシャレに持ち歩こう!」ってことだと解釈できますが、上下に2つあるってことは、もしかしてバッファロー社としては、「しばらく使ってたらキャップが甘くなっちゃうから、輪ゴムで工夫して留めてね!」ってことなんじゃないですか。だとしたらどうでしょう。手のひらサイズの最先端IT機器を軽快に使いこなしていたつもりの私は、実はバッファローの手のひらの上で遊ばされていただけだ、ということじゃないですか。あぁぁぁぁぁ、45にもなってオレはまだまだモッツァレラ以下ってことかぁ、くやすぃーっ、ぎゅぅぅぅぅぅ〜、ベスト盤だって出るっていうのにぃ、うぇぇぇぇぇぇ〜〜〜ん。・・・・・だと思います。

2007/10/05

MASUYAのおにぎりせんべい http://www.masuya.co.jp/


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