No.088
『無人島レコード2』
すでに去年12月に発売されているものですが、『無人島レコード2』という本がありまして、それは株式会社ミュージック・マガジン出版の『レコードコレクターズ』というその名のとおりレコードコレクターのためのややマニアックな音楽雑誌の増刊誌ということで出ているものの6年ぶりの第2弾です。“無人島にレコードを1枚だけ持っていけるとしたら何を持っていくか”というテーマで、音楽家・評論家をはじめいろんなジャンルのいろんなひと、総勢約83人がそれぞれの「無人島レコード」を書いているというおもしろい本。これに私も書かせてもらっています。たぶん編集者の能地祐子さんが、この『金曜コラム』を読んでくてれたりなんかして指名してくれたのではないかと思います。
無人島と言ってまず思い出したのは、たしか中学生ぐらいのときにたまたまテレビで見た外国映画。内容はほとんど覚えていませんが、船が難破したかなんかで二人の男女が無人島に流れ着くという設定の映画。今思えばきっちりデザインされた衣装だったんでしょうが、ボロボロの布切れをまとった金髪女性がばりばりシェクシーで、中学生らしく煽られまくったものでした。タイトルはなんだったんだろう・・・『流されて』とか、たぶんそんなんじゃなかったでしょうか。だとしたらこの“されて”という受動感がまたそのシェクシーさに拍車をかけて、必要以上に中学生らしく煽られたのかもしれません。
実際の無人島には1度だけ行ったことがありまして、それはたしか1987年の1月。3ヶ月後のデビューに向けて、プロモーション・パンフレット用に沖縄に撮影に行った時でした。なぜ“沖縄”なのかという確固たる理由はなく、ただポリドールの平野さんが「撮影っつったら、やっぱ沖縄でしょう、ね!」といういわゆるノリで決めたんだと思いますし、なんとなくノリでロサンジェルスに行っちゃう予算はなかったんでしょうね。私もまだデビュー前の24歳ですから、行き先に対してどうこう意見を言うという発想もなく、ただ言われるがままやってきた沖縄3泊4日。でもって、あるひとつの観光パターンだったんでしょうね、無人島に行きました。
小型エンジンつきの小さいボートにカメラマンやスタイリストも含めて6〜7人で乗り、那覇市のどこからか出発して、20分だったのか1時間だったのかも定かではありませんが、無人島に着きました。よれよれの桟橋で船を降りると、ただ砂浜があり、小さな丘は木でおおわれ、「ふ〜ん無人島ね・・」という感じだったと思います。写真はいくつか撮ったんでしょうがそれ以外に何をやったのかはよく覚えてません。まぁでも、なにしろ無人島ですし、あくまで観光で数時間滞在するだけですから、何もすることはなかったんでしょう。その時撮った写真をデビュー時のプロモーション・パンフレットに使ったのかどうかも覚えてません。今思えば、ではなく、デビュー当時でさえなにしろはじゅかちぃ〜パンフレットでしたから。私の場合、自分の歴史で自分にとってあまりに不都合なことは記憶から削除するという能力を持ってるもんで、いやでもこうしてそのパンフレットの存在を覚えているということは、まだ完全に削除し切れてないってことなんでしょうけど。
20代はカメラを持ってなかったので写真が極端に少ないんですが、探してみたらありました。たぶん、カメラマンさんに撮ってもらったものでしょう。「1月だけど泳げるかもよ」って話だったんで、元水泳部として一応、海パン(競泳用)とゴーグルを持参したけど、泳がなかったんでしょう。海パンを縦にかぶってゴーグルをして『海パン仮面』というわけです。これが唯一私の記憶に残っている無人島での行動です。発想が小さい頃もこの頃も現在もまったく変わってないことが自分でよくわかります。ある意味“私らしさ?”です。また、デビュー当時の今井美樹さんみたいなボーダーのシャツも時代を感じさせます。
ともあれ『無人島レコード2』、上に書いたこととはまったく関係ないスタンスで書いてますんで、読んでみてください。選んだレコードがどうこうということよりは、いろんな人のいろんな切り口のコラム合戦として読むと結構おもしろいです。公式サイトがないようですが、ご興味のある方は探してみてください。
写真あさってたらもう1枚でてきました。こっちはけっこうカッコイイでしょう。
2007/01/19
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