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Friday Column

No.065

『クラスC 〜新たな安らぎ空間の提案〜

※前回からのツヅキモノというわけではありませんが、「No.064」からの流れでお読みいただいたほうがより良いかもしれません。

はい、今週は福岡行きのボーイング777機内、F級の積乱雲を期待しての搭乗ですが、事前に調べた天気予報では中国西部・九州北部ともに快晴、残念ながらカッコイイ雲は出そうにないです。基本的には“エコノミスト”の私ですが、今日はスタッフの粋なハカライでJALの国内線アッパークラス『クラスJ』の席でこの原稿をシャカシャカ書いています。カッコイイですね、まるでニューヨ−カーです。

2004年のJAL・JAS統合以前の国内線クラス分けは、JALが「スーパーシート」と「普通席」の2クラス、JASは「スーパーシート」と「普通席」の間に、「レインボーシート」(97年登場)という3クラスで飛んでいました。両社統合後の新生JALは「スーパーシート」を廃止、より安価な『クラスJ』を設定し「普通席」との2クラスで運航しています。

しかしどうなんでしょうこの『クラスJ』。どぉ〜もなんというか微妙〜というか中途半端なんですよねぇ、なにかが。ほんの小1時間のフライトですから、このクラスに乗ることで特別上級のサービスを受けるつもりはないですし、選択肢のない食事も不要です。じゃぁ搭乗者がこのアッパークラスに求めるメリットとは何か、と考えるとそれは“ゆとり”だと思います。もちろんシート自体は普通席より大きく座り心地もいいですし、座席の前後間隔もやや広めなのですが、しかし乗るといつもなにか不思議な圧迫感が充満しているんですね。例えば今乗っているこの便もそうなんですが、普通席には充分空席があるのに『クラスJ』は満席なのです。毎週通っている札幌便も普通席が満席か空席かに関わらず『クラスJ』はいつも満席です(経験上のイメージ)。容易に考えられる原因は“プラス1000円”という料金設定です。常に時間に追われ1分でも早く飛行機から降りて次なる交通機関に乗り継ぎたいビジネスマンにとっては、前方の席であるということが確実な『クラスJ=1000円』は安いもんなのでしょうか。また、せっかくのお休みで旅行する方はプラス1000円と知ったら“いいじゃんたまには”と『クラスJ』を選択することでしょう。たとえばそんな感じで『クラスJ』はいつも満席、なんだか妙な圧迫感。だったら普通席でいいよねぇ、となるわけです。しかし航空会社さん的には、私なんかが考えつく程度のことは当然考え抜いて、いろんな事情もありながら論議に議論を戦わせた結果のこの『クラスJ・1000円』という決定なのでしょうから、いいんですけどね。

せっかく乗せてもらって文句ばっか言ってんのは良くないです。ここで“金曜コラム”としては、あくまで建設的な上昇志向で新しい提案をしていかなければなりません。ここまでの記述は単にそのイントロです。というわけで私は考えました。いや、これはつい最近考えたことではなく、少なくとも10年以上前に考えついていましたが今まで発表の場がなかった、そんな素晴らしい画期的なアイディアを今から提案します。

この時期、夏休みの楽しい家族旅行に出かけるちびっ子たちが飛行機に乗ってきます。浮かれて機内をキョロキョロする子供、おびえて静かになっちゃってる子供、結構慣れててササッと自分でシートベルトをしてマンガを読むスマートな子供など様々です。そんなちびっ子たちをスチュワーデスさんは、やさしい笑顔でオモチャやお菓子を持って来て膝まづいて「ぼく、何年生〜?オモチャどれがいいかなぁ〜?」ともてなします。・・・そうです、これです、これなんです。忙しく飛び回るビジネスマンも、普段は威厳を保たねばならない重役さんも、大学教授だってお医者さんだってスポーツ選手だってミュージシャンだってみな同様に、飛行機に乗っているその時間だけは、スチュワーデスさんにやさしくやさしく“お子ちゃま扱い”してもらえる画期的なクラス、それが構想10年の新提案『チャイルド・クラス』=『クラスC』なのです。

例えば今日の福岡便、『クラスC』に乗っていたとしたらどうでしょう。「こんにちは〜、おちごとでしゅかぁ〜?」「うん」「ほんと〜、えらいねぇ〜。コンチャートなのぉ?」「ううん、プロモーション」「プロモーションってなぁに〜?」「うぅ〜んと、わかんない」「そうなのぉ〜、わかんないの〜、じゃぁヒコ−キのオモチャもってくるからねぇ〜、まっててねぇ〜」ってな具合です。どうですか、素晴らしいでしょう。例えばそんな『クラスC』でこのコラム原稿を書いてたらどうでょう。「わぁぁ〜、パソコンもできるの〜?すごいねぇ〜」「うん」「何書いてるのかなぁ〜、お姉さんに教えてほしいなぁ〜」「ダメ」「えぇぇぇ〜、教えてよぉ〜」「コラム」「わぁ〜、えらいねぇ〜、コラムってなぁに〜?」「うぅ〜んと、わかんない」「そうなのぉ〜、わかんないの〜、じゃぁキャンディ食べるぅ〜?」ってな具合です。どうですかみなさん、ってゆうか完璧でしょう。

これが国際線ならどうでしょう。ファーストクラスなんてのは、ファーストクラスに乗るに相応しい人でい続けなきゃなんないもんですから、逆に疲れますね(遠回しに“オレはファーストクラスくらい何度も乗ってるんだぜ”ということを表現している)。それにくらべてこのチャイルド・クラス=『クラスC』なら気取る必要ゼロ、機内食も食べさしてくんなきゃぜったい食べない、例えばパリならダダこねっぱなしの12時間、あぁぁ考えただけでも楽しいですねぇ〜。それでいてシャンパンやワインはきっちり飲む。この矛盾もまた『クラスC』の大きな魅力のひとつです。

・・・・あれ、・・・私、また孤立しちゃてるみたいですね、いろんな意味で。そんな空気が伝わってますんでそろそろ終わりにします。

そんな今回の原稿の後半部分は、福岡からの帰りの便ボーイング747の普通席で書いてたわけですが、台風7号の影響でブ〜リブリに激しく揺れましてね、ちょうどトルコ航空機の乱気流巻き込まれ事故のニュースを見たあとだったこともあり、また夜のフライトだったので、窓外に見えるのは“折れちゃうんじゃないの”というくらいぶりぶりしなる主翼のみ、時間が経てば経つほどぐんぐん不安になります。こんなんが20分も続いたもんですから、熟練乗客の私も久しぶりにシンミリ縮こまってしまいました。

あぁ〜、これが『クラスC』だったらなぁ・・・。「だいじょうぶでちゅよ〜、恐くないからねぇ〜。は〜い、ベルトしっかりしめましょうねぇ〜。大きく揺れまちても安全な運航には影響ごじゃいまちぇんからねぇ〜」って感じでず〜っと手ぇ握ってくれるんだろうなぁ〜。

・・あいたたたた、完全孤立ですか。しつこいんですよね、わかりました、はい、おしまいで〜ちゅ。ほな、ちゃいばば。

※実際の航空業界での「C」はビジネスクラスを表わします。

2006/08/11


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