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Friday Column

No.064

『飛行機の季節』

というわけで今週も札幌へ向かう飛行機の中です。1988年から思えばあしかけ18年、パリ時代を除いても丸15年間ラジオのレギュラー番組をやらせてもらってます。ありがたいことです。なもんですから少なくとも年間かる〜く100回以上は飛行機に乗る生活が続いているというのは飛行機好きの私にとってとっても楽しい事実で、今週も例にもれずボーイング777機内でこの原稿をシャカシャカ、今回はそんな私の飛行機の楽しみ方を書いてみます。

飛行時間が短くトイレのことを心配する必要のない国内線はなんといっても窓側がグーですね。上空から眺める地上の景色はなんとも楽しいです。例えば東京から福岡に向かう便では、A側に座ると富士山をほぼ真上から見ることができます。札幌へ向かう便では猪苗代・田沢・十和田の東北3大湖のデザインの妙を地図と照らし合わせてみるのも楽しいです、これもA側。また、新幹線がヒモのようにツ〜ッと走ってるのを見おろすのもいいですね。16両編成で400mですから、その400mの“ヒモ”をものさしに地上の距離感を俯瞰するのもまた飛行機からならではのおもしろみです。上空から見ると人間なんて確認できないほど小さな生き物で、しかしそんな小さな生き物がこんな高いところをびゅんびゅん飛ぶもの作ったわけですから、それはすげぇわ、と思います。

目的地が近づき高度が7千フィートくらいまで下がってきたあたりで、太陽との方向がうまいこと合えば、今乗っている飛行機の影を地上に見つけることができます。高度に関わらず地上に写った機影の大きさはほぼ飛行機実物大だと思っていいので、畑や道路や川や住宅などとその大きさを比較してみましょう。またその飛行機がどのくらいの早さで進んでいるのかってのも、景色と機影からイメージすることができます。やっぱデケェなぁ〜、とか意外とゆっくりなんだぁとかいろいろ感じられることでしょう。

わかんない人にはじぇんじぇん興味わかなさそうな話でしょうが、気にせずすすめます。飛行機にだって“季節”があるってのはあまり知られてませんよね。私にとって飛行機が最も楽しい季節はズバリ夏、その醍醐味は“揺れ”です。飛行機の揺れも天気や雲によってさまざまなタイプがありますが、夏、積乱雲が発達するまさしくナウ8月は、ビート感のあるアタックの強い揺れが楽しめる、揺れファンには最もエキサイティングなONシーズンなのであります。私のように熟練の乗客になってくると、窓から前方に見える雲の感じでその数分後の揺れ具合が予想できます、ホントです。積乱雲が派手に盛り上がってる時なんつぁウキウキしますね。雲を見ながら、お、来た来た来た、来るよ〜、カモ〜ン、ガッガガッッガガッッゴゴッガガッガッッグァン、うおぉぉぉ〜〜、ってなもんです。機体がしなる後方座席ならより振り幅のディープな揺れが楽しめるでしょう。いくら書いてもわかんない人にはわかんないでしょうね。お酒飲めない人に生ビールのノドゴシについて説明するようなもんですから。まぁとにかく、好きな人には夏の生ビールのようにたまらんわけですよ、積乱雲が。

わかんないついでにもう少し話を奥に進めますと、ひとくちに積乱雲といっても様々ですが、その“積み”と“乱れ”具合で等級があるのをご存知ですか。“積み”は薄いものから厚いものへA・B・C・D・E・Fの6段階。“乱れ”はあくまで人間の視識判断で1〜6。例えば、ぐわぁ〜〜と200mクラスの上下幅で、モクモクと上方に広がりながら立ちのぼる形状のものは「D4」とか、そんな感じです。えぇ、もちろん私が勝手にあみ出した独自の等級ですよ。この夏休み、これから飛行機に乗る機会のある方、ちょっと気に留めておいてください。

写真は去年7月、ベトナム旅行の往路、ホーチミンシティが近づき降下途中の1枚。この数分後、グゴゴゴゴゴゴグゴグゴゴゴゴとサバナ気候独特のナイスでシツコイ“揺れ”を体験します。そういえば今年はまだまともに積乱雲に突っ込んでません。ネクストチャンスは週明けの福岡便。あぁ〜ひさびさキツメに揺られてぇなぁ〜。


ベトナム上空の美しい積乱雲(等級:F5)

2006/08/04


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