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Friday Column

No.034

『ピアノ・ソングス』

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いスマッシュ(スポーティーな挨拶)。

来年の話をすると“鬼が笑う”ってときどき聞きますが、あれはどのような根拠によるものなんでしょうね。でもって、去年の話をすると何がどうするんでしょうね。“ウニに睨み返される”なんてのどうでしょう。そんな感じで新年1発目の金曜コラムですが去年末の話です。2005年12月29日、大阪フェスティバルホールで行われたFM802主催のライブイベント【WINTER WONDERLIVE =PIANO SONGS=】。これについては有料サイト『北青山イメージ再開発』内に書こうと思っていたのですが、やっぱりここに書くことにしました。

出演者は出演順に「馬場俊英」「リクオ」「Skoop On Somebody」、私「KAN」そして塩谷哲・佐藤竹善による「Salt & Sugar」の5組。

「馬場俊英」さんとは初対面。会場入り直後、佐藤竹善さんに連れられて楽屋にCDを持って挨拶に来てくれました。お礼にお渡しするCDもなかったもので、とりあえずオフィシャルサイトの自家製カードを渡したところ、すでに見てくれているそうです。なのでいいやつに違いありません。終演後は泊まらず帰っちゃたのでゆっくり話はできませんでしたが、CDゆっくり聴かせていただきます。

「リクオ」さんとは初めてだと思っていましたが、いや、むかし会ってました。たぶん99年、いや2000年くらいでしょうか、ギタリストの窪田晴男さんが企画するクラブでのライブイベントがあり、そのイベントに「KANくんピアノ1本で出ないか?、出てくれ、出ろ!」と窪田さんから執拗に勧誘されていたのですが、「いやぁ〜、ひとりはちょっとぉ〜、ってゆうか今はまだぁ〜、ってゆうか出たくありません」と断り続けていたある日、「じゃぁ、いいから1回観に来い」ってことで、「観るだけですよ」と行った南青山のあるクラブ。その晩そこで最初に演奏していたのがリクオさんでした。「あの時に一度お会いしてますよ」とリクオさんに言われて思い出しました。いやぁ〜、うまい人がいろんなところに潜んでいるんだなぁ〜、と感心しながら、更にそのイベントへ出演する自信を失ったのを思い出しました。元スタレビュのメンバー・三谷泰弘さん=「esq」さんも出てました。

「Skoop On Somebody」の皆さんとは初対面です。ボーカルのTAKEさんの歌、舞台の袖から観てるだけでもぐわぁ〜っと来ますからね、客席で正面から聴いてたらすごいだろうなぁ、と思いました。コンサートの最後にスティービー・ワンダーさんの『I Just Call To Say I Love You』を出演者全員でやったんですが、あのようなフェイクするべき隙き間が多い曲を大人数で演奏するのは、私のように日本人的に音楽を考えるタイプの人にはちょっと難しく、大好きな曲なのでフェイクしたくなるポイントは多くありますが、「他の人とかぶっちゃったらアレかな」なんて思って引っ込みじあんのダルメシアンみたいになってしまいますが、TAKEさんはブイブイ乗っけて来てましたね。やっぱそうでないとなぁ音楽はなぁ、なんて改めて考えたりしてました。ピアノのKOICHIROさんのグルービーな演奏も素晴らしく、打ち上げの時に聞いたんですが、ピアノを習ったのは小さい頃の3年間だけで、そのあとはサッカーにのめりこみ、高校生になってから久しぶりにピアノをさわり、その後は独学だそうです。それであのプレーはすごいですね。やっぱみんな努力するんだろうなぁ、“努力”ね。私の人生に足りないもの、それは“努力”。わかってはいるんですけどね。

「塩谷哲」くんとは97年のAAA(Act Against AIDS)のイベントで一緒になったのが初めてで、翌年、青山のブルーノートでのミッシェル・カミロのライブ終演後、その演奏のすごさにうなだれていたところで挨拶を交したくらいでしたが、私がパリに住んでいた2003年、2004年と、塩谷くんはコンサートでパリにやって来たのでそれを2年連続で観にいきました。で、今回1年半ぶりの再会。うぅ〜ん、うまい。そりゃそうです、日本を代表するジャズピアニストのひとりなんですからうまいのは当然なんですけどね。パリの時も思ったんですが“観ていてとても楽しい”、これってジャンルに関わらず、音楽に限らずたいへん重要なことですよね。私はジャズのジャの字もない者ですし、その関係のレコードもあまり聴かないのでよくわからんっちゃわからんのですが、でもね、“演奏が楽しい”ってのはすごい魅力なのだ、と塩谷くんを観ていて強く感じます。そしてもうひとつ打ち上げの時に聞いて素晴らしく共感したのは、中東ツアーで訪れたヨルダン・アンマンで、“あんまんをかじる写真”を撮った。それを撮るために日本からあんまんを持っていった、と言う。その写真を送られて来た佐藤竹善さんは「バカでしょうコイツ」と笑っていましたが、「いや、素晴らしい!すごく重要な行為だ。その行為によってアンマンが自身のなかで初めて真のアンマンになるのだ!」と高く評価すると、「そういってくれたのはKANさんが初めてです」と涙を流してくれました(イメージ)。その“アンマンであんまん”写真をメールで送ってくれるのを待って、ドナウ川にかかるくさり橋の上で撮った『ドナウなってんねん』と、ロンドン・タワーブリッジ前で撮った『タワーぶりっこ』をお礼に送り返そうと思っています。

「佐藤竹善」さんとは、過去にラジオ番組などで何度か顔を合わせ、一緒に演奏したのはやはり97年のAAA。それから2000年頃の関西テレビ『freebeat』。実はデビュー前にけっこう似た経路をとおっていたこともあり、会った回数の割にはなぜか親近感があるというか、なので今回はすごく久しぶりだったのにすごく自然にすんなり会話できるというか、そんな感じです。年齢は私のほうがひとつ上なんですが、私はある時までず〜っとなんとなく竹善さんのほうが上だと思っていて、彼も私のことをなんとなく年下だと思っていたらしく、たしかFM横浜の番組にゲストに出してもらった時に、私のほうがひとつ年上で竹善さんが年下だということをお互い初めて確認したんですが、「でも、いいや、おれ年下で。だってそのほうが楽だもん、ね、そうしといて竹善さん」ってことでそうしました。なので久しぶりに会った今回も、「おれさぁ、KANちゃんが日本に帰ってきてホントにうれしいんですよぉ〜」「まぁまぁ、いいから飲もうよ、ね、竹善さん」とそんなイメージでえんえん同じような会話を繰り返しながら、夜中遅〜くまで一緒に飲んでました。彼は楽しい話もツライ思い出も同じように笑いながらしゃべるんです、それがいいんですよ。名付けるならば“青森式アップルスマイル”、あれは大事ですね。なんかわかんないけど人間関係を円滑にするような気がします。

なんだか打ち上げの話ばかりになってしまいましたが、私がステージで演奏したのは、竹善さんが明け方よく“歌う天気予報”で聴いてうなずいていたという『東京ライフ』、逆代表作『牛乳のんでギュ−』、カバーを1曲というリクエストがあったので『Vienna / Billy Joel』、よそのお客さんにも比較的耳なじみがあるだろうと思い『まゆみ』、で、新曲“カレーライス”のカップリング曲『アイ・ラブ・ユー』の5曲。27日にレコーディングして28日にマスタリングしたばかりの新作を29日に人前で演奏するのはかなり緊張しましたが、この『アイ・ラブ・ユー』は私式の曲作りではめずらしく、ピアノを弾き歌いながらメロディを作り、ピアノを弾き歌いながら歌詞を書いた曲なので、それでもってレコーディングも男っぺく弾き語りで録りましたから、もうある程度カラダに漬いているというか、そんな感じだったので思い切ってやりました。ここで1回やっておくと『ばったり#3』に向けても少しは気が楽ですし。

なにはともあれとてもいいイベントでした。『ピアノ・ソングス』というタイトルも主旨がハッキリしていてわかりやすいですし、そのタイトルどおりの内容のしっかりしたイベントだったと思います。いやぁ〜しかし、みなさんすごいです、歌もピアノも、レベルぶり高千里です。ズボンの柄では私が群を抜いてたと思うんですが。

というわけでシリーズ第3弾『弾き語りばったり #3 新春シャンションショー(×3)』ツアースタートまで・・・、ゲッ、もう1週間を切りました。今回も開場時から練習しながらお客さまをお迎えします。どうぞよろしくお願い酢めし(和風の締め)。

馬場俊英 http://www.t-baba.com/

ズボンの柄
2006/01/06


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