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Friday Column

No.462

『スキャンに関するめんどくさい話』

スターダスト☆レビューさんのアルバム製作も、音の最終段階であるマスタリングが終わりました。ジャケット写真にも写り込みたい気持ちはあったんですが、どうやらそこには必要とされている気配さえ感じられませんでした。というわけで、私の任務はすべて完了しました。で、6月に入り、少し時間ができたもんですから、久しぶりに旅行にでもでかけたいなぁ、と思ったんですが、よぉく考えたら、こないだ旅行から帰ってきたばっかりだったということに気づきましたので、今の私は次の旅行に出かける前にやるべきことをやらなければならないということがハッキリわかったのです。それはこないだの旅行の写真のスキャニングです。

2002年秋に購入したデジタルカメラは、カメラ付き携帯電話を2011年春に購入して以降、やんわりとその役目を終え、約10年で引退に追い込まれました。しかし、海外旅行に出かけるときは、1994年に購入したアナログのカメラ【CONTAX T-VS】を今でも持っていき、スライド用のリバーサルフィルムで撮影します。

で、撮ってきたフィルムを写真屋さんに出して現像して、それらをスキャナーで取り込んでデータ化して保存するんですが、これがとっても時間がかかる作業なのです。業者に発注してデータ化してもらうことも可能なんですが、私の場合はスライド用のフィルムなもんですから、ちょっとやっかいなことになってまして。それはなにかというと、フィルムを1枚1枚カットしない長いままの「スリーブ」という状態で現像すれば、1本あたり700円くらい、10本で7,000円でデータ化してくれるらしいんですが、そうすると、家でスライドで壁に映して見るためには、1枚1枚カットしてスライド用のプラスチックの板に挟み込む「マウント」という作業を自分自身でやらなければなりません。これはかなり面倒です。かといって、現像時にマウントしてもらうとすると、業者でのスキャニングは1枚あたり70円、つまり1本36枚で2,500円になり、これが10本となると、おいおい25,000円かよ。という話になるのです。というわけで、いろいろ迷って、現像時にマウントしてもらって、あとは家で自分で1枚ずつスキャンしてデータ化、のほうを選択しました。

これは決してお金をケチったわけではありませんよ。マウント状態のポジフィルムのスキャニングを業者に依頼するとしたら、例えば、ピントが合っていない、明度が足りないもの、また、ちょっと惜しかった気がしたので同じ画角で撮り直したもの、たまに起こるカメラ自体の不具合でシャッターがおりずに何も写ってないもの、など、つまりスキャン・データ化するにおよばないものも含めてすべて一律データ化されてしまいます。つまり“総スキャン”をくらってしまうわけで、それはそれは明らかな無駄が出るのがわかっているからです。

いや、待てよ、自分で全部確認して、スキャンしてほしいやつだけを業者に出せば、無駄はないってことか。なんだそうか、ってことは、オレはケチってことか。いや、でもそのためには、現像されたフィルム10本を一旦家に持って帰って、約400枚をすべて目で確認して要不要をわけて、再び写真屋さんに持っていくという手間がかかるわけで、やっぱり私はお金をケチっているわけではなく、この選択で正しいんですよ、たぶん。

というわけで、自宅でスキャン・データ化する、その作業を、この6月に入ってやっとできるようになったというのが今回の話です。

ここまでの話、昔ながらのフィルムのカメラを使った経験のある方なら、なんとなくなにがどのくらいそうなのかイメージできると思いますが、「スキャン」はなんとなくわかるけど、「フィルム」という意味がわからない、という方も最近はいらっしゃるようです。だって、今使ってるスキャナーを買う時に、大型電器店で「ポジのフォルムを取り込めるスキャナー」と若い女性店員さんに訊ねたら、「ポジ?」と不思議な顔をされました。そんな時代だからこそ!・・・です。

というわけで、私の地道なスキャン作業を写メで見ていただきます。

まず、マウントされたポジフィルム、その裏表を確認し、ブロワーで埃を吹き払いながら、スキャナーのポジ専用カートリッジにセットします。うちのは1度に4枚までセット可能です。

スキャナーのアプリケーションを開いて、4枚のポジフィルムをプレビューします。それぞれの「解像度」「出力サイズ」を指定して、ファイル形式と保存先を指定して、スキャンします。

基本的にはWEB上でしか使用しないので解像度は72dpi、サイズは1280×800くらいで充分。取り込み時間は4枚で約3分くらいでしょうか。スキャンが終わったら画像ファイルを開いて確認します。

地図やガイドブック、または自分でつけておいた日記で、通りの名前・料理名などを確認し、ファイル名と番号を入力します。これを丁寧にやっておくと、なにかの時、必要な写真を探すのスムーズになるでしょう。

36枚取り込んだら、フィルムケースに日付と場所を書いたシールを貼って、これで1本分のデータ化完了です。

と、こんな感じで1本=36枚を取り込むのに、だいだい1時間くらいでしょうか。朝、ちょっと早めに起きてやってます。今日、やっと4本目、インド分が終わりました。

ここまで読んだら、こんなにめんどくさいのに、それでもなぜデジカメではなく、あえてフィルムのカメラを使うのか。とお思いのことでしょう。

フォルムを使った撮影はデジカメと違って、撮った写真をその場で見て確認することはできず、つまり、帰国してフィルムを写真屋さんで現像してもらって初めて、撮った写真を確認することができるのです。それもリバーサルフィルムですから即日現像とかはなく、だいたい1週間から10日かかります。なので、デジカメのように軽い気持ちでシャッターを押すことはありません。この距離、このレイアウトで間違ってないか、ってゆうか、今、オレは本当に心からこの写真を撮りたいのか。そんなことをいちいち自問自答しながら撮るのです。ですから、写真1枚1枚にデジタルではありえない「気」が籠っているのです。もちろん自問自答をしている間に、絶好のシャッターチャンスを逃す、ということも充分あり得ます。それも含めてのアナログ撮影、それがいいのです。つまり、私はめんどくさいことが大好きな人間だということだと思います。

この1場面・1写真に込める「気」をさらにつきつめていくと、それは「絵を描く」という作業になります。「絵」は一瞬ではないので、そのチャンスを逃すこともありません。素晴らしい場面を記憶にとどめて、帰国後、家で描く、ということも可能です。今回は1枚だけ絵も描きましたが、それはまたなんかの機会にご覧いただければと思います。

というわけで、4月の旅行の写真を、来週か再来週あたりから、都市ごとに少しずつ見ていただこうと思います。御興味のある方はお楽しみに。

それでも別に興味が持てなそうな方は、去年の今頃よりはやや真実みを帯びてきた私の新作アルバムを。その前に、私が加担したスターダスト☆レビューの新アルバム【SHOUT】、8月6日の発売を楽しみにお待ちください。

2014/06/08


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