No.450
『X vs GM』
昨日の午後、いつものように近くの商店街に車で行きました。ほんの100mもないほどの小さな商店街ですが、コンビニ・ドラッグストアはもちろん、果物屋さん・酒屋さん・和菓子屋さん・お弁当屋さん・電気屋さん・眼鏡屋さん・靴の修理屋さん・うなぎ屋さんまで、生活に必要なお店がバランス良くひととおり揃っていて、基本住宅街なのでこの街に住んでる人しかいない、いつも穏やかな商店街です。一方通行のわりに道幅はある程度あり、近くに適当な駐車場もないもんですから、ちょっとした買い物のときは、そのお店の前に数分駐車するのがここなりの常識になっているもんですから、私も普段はそうしています。
今日はクリーニング屋さんに行ったんですが、たまたま、緑色の制服を着た二人一組の、私は暗にGreen Men(以下GM)と呼んでいる、いわゆる駐車監視員さんがいらっしゃいたもんですから、これはあまりよろしくないと思い、別の場所で別の用件を先に済ませて、数分後クリーニング屋さんの前に戻ってみたら、やはりまだいます。いつもなら、GMさんはやるべきことをやったら数分で別の場所に移動するんですが、どうしたんでしょう。もうひとまわり近所を走って、再び数分後戻ってきたら、GMさんはその場所にまだいます。どうやら、モメてるみたいですね。このあとそんなに時間の余裕はなく、引き取りたい衣類がありますので、私は車を降りてクリーニング屋さんに入り、車は妻が運転して、近くの適当な場所で待ってもらっとくことにしました。
で、クリーニング屋さんの前で、GMさんとある男性がモメてるわけなんですけど、よく見るとその男性は、読売巨人軍の黄金時代、長嶋さん・王さんと一緒に常にスターティングメンバーで活躍していた、ちょっとでも野球をやったことのある人なら知らない人はいないであろう、元有名選手だったのです。イニシャルを書くと一発でわかっちゃいそうなので、仮にXさんとしておきます。
ぱっとみた感じでは、きっといつものように車を停めてなんらかのお店に入っていた数分の間に、GMさんになんらかの違反的なシールを貼られたことに抗議しているのでしょう。クリーニング屋さんは全面ガラスの自動ドアで、その目の前の歩道でその抗議が繰り広げられていますし、だんだん声量も上がってきて、抗議の内容がハッキリと聞こえてきます。
クリーニング屋さんでの私の用はとっくに済みましたが、そのやりとりがなかなかおもしろかったですし、他にお客さんもいなかったので、クリーニング屋さんのマダムと一緒にその光景を見ていました。そのGMさんとXさんのやりとりは以下の感じ。
X:たった2分だよ、2分で違反ってこたないでしょう。
GM:いえいえ、2分じゃないです。
X:いや、2分だよ、たったの。
GM:ここにちゃんと書いてありますから。
X:書いてあるって、ただ書いただけだろう。
GM:ちゃんと最初に確認した時間とその後の時間が、撮った写真に残ってて、
その記録のシールを貼ってるんですから。
と、ここで、クリーニング屋さんのマダム(以下CM)が私にむかってひとこと
CM:無理ですよX、さん。だって10分か15分くらい停めてますよ。あの
GMさんも「ここのお客さんですか?」って、ここに聞きにきたんです
ら。そのあと10分くらい待ってあげてんですよ。となりのお弁当屋さ
んにいたみたいね。無理無理、ねぇ。
そんなうちに外ではXさんの声の音量もぐんぐん上がり、これまでは頭下げ気味だったGMさんの態度も、それに呼応して毅然としてくるのも当然です。
GM:私たちはここに放置車両があるということを記録して報告す
るのが仕事であって、それ以外の権限はないんですよ。
X:なにが放置だよ、たったの2分だよ。これが放置っつうんだったら、他
の車も全部シール貼るべきだろう。
GM:私たちもそうしなきゃなんないんですよ。ですから、御理解いただかな
いことには、ここを離れらんないでしょ。
とっても大柄のXさんが大きな身振り手振りで抗議し、それに対して頑として首を横に振り認めないGM。なんだか、判定に抗議して審判に食ってかかる野球選手、そんな光景に見えてきたもんですから、おもしろくなっちゃって、まぁ、どう考えてもアウトはアウトなんだろうけど、とにかく最後までどうなんのか見届けたい、そんな気持ちになりますよね。
X:じゃぁ、罰金払えばいいのか、いくらだよ。
GM:ですから、私たちには罰金を徴収するとか、そのような権限はないんです。
X:じゃぁなんだよ、ただのイジワルじゃねぇか、イジワル。
もう内容が完全にコドモ化し、もはや抗議とは言えない感じです。
しかし、あれですね、Xさんも負けがわかってるだけに、理論的な打開策はなく、しかし話の落ち着けどころというか、抗議のやめどころがみつからないんでしょうね。もうこうなったら、あとは、GMが根負けするまで粘りたおす、という選択肢しかなく、イジワル発言まで行き着いちゃったのでしょう。
こういう状況、どうすりゃいいんでしょうかね。
私がアンパイヤのマスクとプロテクターでも持ってたら、ばっと出てって、大きな声とジェスチャーで「退場〜!」とひとことコールすれば、Xさんも最後の捨て台詞を吐いてベンチに下がる、という選手らしい終わり方ができたんでしょうけどね。いかんせん、その持ち合わせがなかったもんですから、私にはどうすることもできません。
そんな時に、妻からの携帯が鳴り「まだ〜?」。あ、そうだ、待たせてたんだ、ということで、最終判定を見届けられぬままあわててクリーニング屋さんを出ました。
この穏やかな商店街ではあまりない光景だったからか、近隣の商店の人たちもなぁ〜んとなく出てきて、遠目から見守ってましたよ。
・・と、まぁ、それだけなんですが、なんか適当な写真はないかと思っていたら、馬場俊英くんからステキなのをいただいてましたので、馬場くんの許可を得て、ちょっと手を加えて貼りつけさせていただきます。
今日は仙台サンプラザで、スタレビュの皆さんと馬場くんとのライブです。観に来ていただける皆さま、充分お楽しみに。
で、あのあと、結局どうなったのかぁ・・・
2014/03/16
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