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Friday Column

No.426

『カンペあれこれ』

9月は楽しいことにライブイベントが続いています。他の優秀アーティストのみなさんとのコラボレーションは、たいへんに楽しく、「みんな、すげぇなぁ〜」と感心しながらも、多くのことを学んでいますよ。

ピアノで歌う自分の曲は、コードは譜面なくても身体に入ってますし、歌詞も基本的には頭に入っていますが、それでもやはり、ふと“ド忘れ”することがないとは言い切れませんので、保険で歌詞を置いてます。



しかし、コラボレーション・ライブでは、他のアーティストのみなさんの楽曲を演奏することが多くありますので、やはりキチッとカンペを作っておく必要があります。ということで今週は、私のカンペあれこれを公開したいと思います。

コーラスだけをやる場合は、とりあえず、私がやるべき箇所の歌詞を書き出してカンペを作ります。が、例えば馬場俊英くんの『Boys on the Run』のように、早口でリズムの難しい字ハモフレーズが多くある曲では、そのタイミングを逸しないために直前の歌詞なども書き入れますから、カンペと言ってもかなり複雑なものになりました。こういう曲はビタッと決まるとキモチイイんですよ。決まんなかったら、誰とも目を合わせないようにします。



ピアノでなく、フロントになってコーラスなどをやる場合は、カンペは足元のモニターの前に、なるべくお客さまに見えないように置きます。自分がメインボーカルの曲では、基本的に私自身にスポットがあたっているので、カンペが見えないということは、まずありませんが、他アーティストの曲の場合は、そのコーラス箇所が来るまで、照明の関係でカンペが見づらくなっていることも間々ありますから、暗めの状態でも見えるように、白黒反転のカンペを作ったりもします。



もちろん、他アーティストの曲のピアノを弾くケースもありますから、自分で見やすいように、必要最低限だのフレーズだけを書き込んだコード譜を作成します。



また、複数のボーカリストで、ブロックによって歌い分けたり、またブロックによってハモるパートが入れ替わったりするケースもあります。先日の【風のハミング】で、根本要さん・馬場俊英くん・佐藤竹善さんと演ったThe Beatlesの『Nowhere Man』がそうです。ビートルズの曲の歌詞はだいたい暗記しているので、私がメインパートを歌う箇所の出だしの歌詞と、あとはどのブロックでどのパートに行くか、だけを書いておけばOKです。



逆に、とても難しいのは、まだあまり身体にしみ込んでない曲で、3声のコーラスがあったりする場合。これは、ちょっと音を間違えると、全体のハーモニーが濁ってしまいますし、確実に間違えないように音程を強く意識して歌わなければなりません。



例えば上の譜面。こんなもんを足元においたところで、見えるわけありませんよ。かといって、譜面台置くってのもちょっとカッコワルイでしょう。そこで作成したのがコレ。



A4サイズにわずか4段の五線紙を【Word】で作成し、ここに自分のパートの音符だけを書くのです。これなら足元に置いても充分に譜面を読むことができます。



でもね、やはり“書く”という作業が大事ですね。ちゃんと五線に音符を書き入れることで、カンペが出来上がった時には、ちゃんとフレーズをおぼえてます。

あとは、同じフレーズで言葉が1コーラス目と2コーラス目でどっちがどっちだったっけ? みたいな曲は、その言葉だけをデッカク書いてればそれで楽勝です。



しかし、このような大きな文字のあまりに単純なカンペを足元に置いていると、共演する他のアーティストや、ステージ上のスタッフのみなさんから、「ふふふ、KANさんって、あんがい心配性なのね」と ナメられてしまう可能性もいなめなめなめません。そこで作成した最新式のカンペがコレ。



ロシア語のキリル文字のカンペです。ふふふふふ、どうですか、かなりハラショーじゃないですか。これで共演アーティストやスタッフの皆さんを、静かに威圧するのです。

はぁ〜い、というわけで、今週は私のカンペあれこれでした。

明日21日(土)は札幌・ニトリ文化ホール、24日(火)は横浜ブリッツです。曲によって多少ロシア語訛りの発音でのコーラスになるかもしれませんが、そんなことも含めて、観にきていただける皆さまにはよろしくお願いしたいと思います。

2013/09/20



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