No.375
『Gibson SG 1961 和田シャーmodel』
さて、先日7月21日(土)は、河口湖ステラシアターでの【SSK ALL STARS Special Live】。観に来ていただけた皆さま、お楽しみいただけましたでしょうか。私自身はそーとー楽しい思い出ですが、後日、MCについて要さんからキツくダメ出しされましたよ。でも、演奏についてはダメ出しされなかったので、良しとしました。夏のライブイベントはまだまだ続き、それぞれに充分な力を注いでいますので、是非観にいらしてください。
さぁて、たいへん長らくお待んたせをいたしました。【TRICERATOPS 15th Anniversary Tour】に、スペチャルシークレットゲストとして出演させていただいた金沢・柏の2公演。今週は、その内容というか、準備段階を書いていきと思います。
まず、今回のTRICERATOPSデビュー15周年記念ツアーは、『UNISON SQUARE GARDEN』『HOME MADE 家族』『The SALOVERS』『GRAPEVINE』『SCANDAL』『NONA REEVES』『OKAMOTO’S』と、TRICERATOPSにゆかりのあるバンドと、各所で対バン形式のライブを行うというスペシャルなツアー。そんななかお声かけいただいたこの私ですが、スタンディングのライブハウスで、エレピの弾き語りは、演る側も観ていただく側もちょっとツライのでは、ということから、“なんか複雑なことやりましょうよ”というでミーティングを始めたのが3月の終わり。
私としては、TRICERATOPSと一緒ですから、やはりガツンとカッチョイイROCK’n ROLLをやりてぇ、という気持ちが強く、また、「オレに歌わせてくれ」と言いたいTRICERAの曲もいくつもありますし、そんなミーティングを繰り返すうちに、「ってゆうか、オレが唱くんになりてぇ」「なっちゃいますか?」「なりますか?」「なっちゃいましょうよ!」みたいな、ハッキリとは覚えてませんが、おおまかにそのような話になっていき、ついには「じゃぁ、オレが唱くんになって、オープニング2曲歌う」というところまでいきつきます。
ドラムの吉田佳史くんと、ベースの林幸治くんとともに、和田唱くんに扮した私“和田シャー”がステージに登場して、オープニング2曲を演奏した後、水を忘れたという定で一旦ソデにハケて、本物の和田唱くんと入れ替わって、すかさず3曲目になだれ込む、という流れ。
やるんだったら徹底的にやらなきゃ気が済まない性質の私なもんですから、まず、唱くん御用達の紳士服店で、唱くんと全く同じ3つ揃いのスーツを作り、まったく同じシャツとネクタイを買い、全く同じではないものの全く同じに見えるベルトと靴を買い揃えました。ヅラは、去年の5月、TRICERATOPSの【12-BAR】にシークレット出演した時に、結局かぶりはしなかったものの、すでに購入していたもの。現在の唱くんの髪型を前・横・後ろの3方向から撮った写真とヅラを持って美容室に行き、全く同じにカットしてもらいました。
で、問題はギターです。最近の唱くんがメインで使用するギターは【Gibson SG】1961年製のWorn Cherry。
これと同じものを探すのは、まぁ、相当難しいです。知り合いのミュージシャンに「61年のSG、持ってません?」かたっぱしから聞きまくってみたものの、同型を所持する人はおらず、探して購入し用にも、まずみつかんないでしょうし、まつかったとしてもそれはそれは高額なことが予想されます。「よし、じゃぁ、作るか」ということで、見た目が最も近いと思える安価なギターを探し、【Epiphone SG Faded G-400 Worn Cherry】を、イシバシ楽器渋谷店にて、26,700円で購入しました。
下の写真を御覧いただくとわかるように、唱くんの【SG】には、ボディの下部に金属製の筆箱型のものがついています。これは、もともとその時代のトレモロアームの装置らしいのですが、これがなかなか音程が不安定なためアームは取り外して、新たにブリッジを装着し、しかし、もとのアームが設置されていた金属の筆箱型はそのまま残した、というものです。つまりそれは、どこを探しても同一のものは存在しない【Gibson SG 1961 和田唱model】なのです。
さて、これを、どうするか。どうするかっつたって、同じギターすら探せないんですから、この筆箱だけ探してくっつけるなんてのは無理な話です。なので、作るのです。はい、作ります。唱くんに、筆箱の接近写真を複数方向から撮ってもらい、それをもとに寸法を割り出して、作るのです。この製作については 「コラムNo.371」に詳しく載せてますので、御覧ください。で、出来たのがコレ。
どうですか、ステキでしょう。角の部分にRを施すまでの技術はありませんでしたが、客席から観るぶんには充分良しとしてください。しかし、まだこれでは不完全です。ヘッド部分の【Epiphone】のロゴを【Gibson】に、また同じく【SG】という文字を【Les Paul】にしなければなりません。そう、1961年製のそれは、【SG】ではなく【Les Paul】と書かれているのです。なんでそうなのかは聞いたけど忘れましたが、とにかく同じにするのです。これは、まぁ、簡単です。私の所持する【Gibson 135】というギターのロゴ部分を撮影し、CDラベルシールにプリントすれば良いのです。【Les Paul】は、最も近いフォントで入力しました。
で、このようになりました。
どうですか。上からシール貼ったのバレバレな感じが、涙を誘いますね。
仕上げは、ローディーの篠原さんに、イエローだった切り替えスイッチ部分をアイボリーに付け替えてもらい、ついに【Gibson SG 1961 和田唱model】にクリソツの【Gibson SG 1961 和田シャーmodel】の完成です。
そう言えば、私が中学校に入った頃、初めて弾いたエレキギターは、幼なじみの哲っちゃん(3つ上)が持っていた、GrecoのSGだったなぁ、ということを思い出しました。あの写真、なんかに載せたんだと思うんですけど。たしか、『ぼけつバリほり』だったか・・。
はぁい、というわけで、連週遅延のこの『金曜コラム』、今書いてるコレは、まだ先週分です。なので、今回は、ここまでで一旦オヒラキすることを御勘弁いただき、この続き=伝説となるべきライブの内容については、次回、ってゆうか2日後なんですけど、じっくり、カッチョイイ写真とともにお伝えしたいと思います。ちょ〜御期待ください。
2012/07/25
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