No.373
『くしゃみにでる英単語』
はぁぁ、7月に入ったらちょっとは落ち着くと思っていたのは、いったいどんな根拠に基づいていたのだろうか。というわけで、毎日なんやかんやで、今週もこの原稿書くのに充分に遅延しております。
東京はジメジメとして、1年の中で最も過ごしにくい季節です。そこに追い打ちをかけるようにイヤなのが冷房です。節電っつったって、私に言わせれば、まだまだ必要のないところで電気使い過ぎです。がしかし、今日はそんな冷房批判をするつもりではありません。
今日はめずらしく勉強の話です。受験生の皆さん、また、お子様が受験生で家の中がピリピリしている皆さまは、特に注意深くお読みいただけることをお勧めします。
そんな私は、あいかわらずお昼に食べるものと言えば、ラーメン以外にあまり思いつかない性質なんですが、今日は野菜が食べたいなぁと思い、だからといて野菜炒め定食じゃないんだよなぁ。そのような自問自答を繰り返しながら結局、札幌ラーメン店に入りました。わかってはいたんですが、この店がまた冷房ガンガンでですね。入った瞬間「寒」って感じだったんですが、まぁ食べてりゃあったまるだろうということにして、味噌野菜ラーメンを注文。ここのは野菜がどっさりで、いいんですよ。で、食べてたら案の定、ってゆうか充分すぎるくらい暑くなってきまして、あまりぶりぶりとは汗をかかない体質の私ですが、食べ終わる頃にはけっこう出てきましてね。たいへんおいしゅうございましたとお会計をしてコインパーキングに戻ったら、車はまたこれがイイ感じに温まってまして、窓全開で走ればなんとかなるかと思いますが、こういう日に限ってちょろちょろ雨が降ったりしてますからそういうわけにもいかず。こりゃダメだ、とクーラーをブワァ〜ッと入れるわけです。
そんな寒い・暑い・寒いを繰り返したせいか、ふと、くしゃみが出たのです。
「アプリケーション!」
・・・ん? 今、オレ、なんて言った?
今起こったばかりの自分のくしゃみを頭の中で思い返すと、どうやら私は、いや、それは明らかに「アプリケーション!」というくしゃみをしたのです。
くしゃみ時に発する語を文字に置き換えると、一般的には「ハクション!」ですが、これまでの人生、私のそれはどちらかというと「ヘーックション!」、いや「ヒーックシュ!」と表すのが最も近いイメージです。
その私が、なんということか、今、確かに、「アプリケーション!」というくしゃみをしたのです。
これはいったいどういうことなのか。コンピューターの使い過ぎで、目や肩や手首が疲れるのはまだわかりますが、くしゃみで「アプリケーション!」と発してしまうとは思いませんでした。しかし、そんなことで動揺したり落ち込んだりする私ではありません。
人間は考える葦であり、あっしは考える人間です。
いったい、なぜ、私は「アプリケーション!」というくしゃみをしたのか。 確かに「アプリケーション!」の「ション!」は、「ハクション」や「ヘーックション」の「ション」に似ていることから、くしゃみエネルギーを排出するに適した発音だ、ということが考えられます。
じゃぁ、「コミュニケーション!」でもよかったんじゃないのか。
そう思って、試しに「コミュニケーション!」というくしゃみのマネをしてみるとどうでしょう。「コミュニケーション!」の「ミュ」の部分、つまり「m」の発音をする時に、しっかりと口を閉じてしまい、この瞬間、くしゃみエネルギーの排出導線は鼻孔=鼻の穴だけになります。そしてそれは、ハナミズ突出の危険性を充分に孕んでいるのです。
このことから「コミュニケーション」に近い単語、例えば「コンピレーション/compilation=編集」や「コンプリケーション/complication=複雑」などは、同様にくしゃみ時にハナミズ突出の危険性があると考えられます。また、更なる安全性を考慮すると、「m」を含む単語、例えば「アニメーション/animation=動画」「デノミネーション/denominaion=命名」「エグザミネーション/examination=試験」なども、くしゃみ時には極力発音しないほうが良いでしょう。
やはり、くしゃみを軽やかに気持ちよく発するには、まず、大きく外気を取り入れて、リズムに乗って、弾けるような発音が、最も適しているのではないでしょうか。
そのような観点から、「アプリケーション/application」を検証してみるとどうでしょう。
「ア/a」で大きく外気を取り入れ、「プリッ/ppli」のリズムで弾みをつけ、「ケー/ca」で距離を測って、「ション/tion」で一気に排出する。
あぁ、そう考えると、「アプリケーション/application」とは、極めてくしゃみに適した英単語だと思えてきました。また、単体の「p」ではなく、2つ連続した「pp」、そこに続く「li」、この「プリッ/ppli」が、たいへんに重要なのではないか、とも思えてきました。
「アプリケーション/application」の意味を辞書で調べてみたら、「適用」とありました。
そうか、そうだったんだ。あくまで無意識でありながらも、くしゃみに最も適用すべき単語にのせて、発するべきして発せられたくしゃみ「アプリケーション!」だったのです。そう思うと、とても清々しい気分になりましたし、早くまた次のくしゃみがでないかなぁ、とワクワクしています。
ちなみに、上の写真の辞書、中学校の時からですから、かれこれ37〜8年使ってるものです。もうほとんど消えかかってますが、側面にマジックで「JOHN」と書かれているのが分かります。そして、その姓は「WAYNE」でも、「TRAVOLTA」でもなく、「LENNON」だと思います。
冷房と戦う夏、いつ出てくれるかわからないくしゃみ、その時に備えて、久しぶりに辞書を開いて、あなた自身の英単語を探してみてはいかがでしょう。
そんな私が、次にくしゃみが出る時のために準備している英単語は、「サティスファクション/satisfaction」。意味は“満足”です。
2012/07/07
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