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Friday Column

No.352

『グルジア旅行記 その4』

はぁ、もう木曜じゃん。遅延続きで申し訳ないです。ツアーが始まってからは、別に忙しくもなんともないんですけどね、なんででしょう。

とにかく、グルジア旅行記、今週で終わりです。
6月18日(土)、トビリシでの最終日の数時間と、トビリシでの食べたものをまとめたいと思います。
Photo Albumを開き、該当番号をクソックしながらどうぞ。


■大統領官邸付近
モスクワへ戻る飛行機は午後なので、昼食までにはそれなりに時間があります。
この3日間、ホテルのベランダからずっと眺めてままだった、対岸の丘の上の大統領官邸を見に行ってみようと思います。ホテルの前の橋を渡り、なんらかの像がある公園の階段を上ったら、大統領官邸の北側に出ました。警備のお巡りさんに「ガマルジョバ(こんにちは)」と言うと、明るく答えてくれましたが、柵の隙間から官邸の写真を撮ろうとすると、「No, no, no !」と厳しく制止されました。(01〜03)

■クヴァスガール
大統領官邸付近から、リアルに傾いた住居群エリアを歩くと、3日前に地下鉄に乗ったアヴラヴァリ駅のちょうど裏手あたりでしょうか、こじんまりとした市場がありました。市場の入口横に、なにやらステキなお嬢さんがいたので、磁石のようにすいよせられて見てみると、クヴァス屋さんでした。“クヴァス”とは、麦で作った清涼飲料。黒パンみたいな香りで、ギネスビールをかなりライトにして甘くした、みたいな、そのような感じ。ロシアではこく普通に飲まれています。そんなクヴァスをピンクのタンクトップのお嬢さんが樽から注いでくれるわけですから、飲まない理由などどこをさがしても決してありません。小さいカップで30テトゥリ(約20円)。ククッと男らしく一気に飲んで「オーチン・フクースナ(おいしい)」と言うと、やさしく微笑んでくれたので、「写真を撮ってもよいですか?」とロシア語で言ってみると、キリッとポーズをとってくれました。クヴァスはこれまでに何度か飲んだことがありますが、今回のそれが格別においしかったことは写真から充分御想像いただけると思います。グルジア・トビリシ旅がこの1杯でビシッとしまった。そんな気持ちにさえなりました。世の中とはそのようにできているのです。(04〜06)

アヴラヴァリ駅から地下鉄でひと駅、タヴィスプレビス・モエダニ駅で下車して、自由広場を通って裏路地を歩きながらホテルに戻り、荷物を詰めて13時にチェックアウト。出発までの1時間、ホテルの裏のカラクリ時計台のとなりのレストランでトビリシ最後の昼食です。(07〜09)

■裏路地のアイドルちゃん
料理を待っていると、お店の前の路地で小学生くらいのかわいい女の子がふたり、歌を歌い出しました。ペットボトルをマイク代わりにして、いかにもアイドルっぽい歌を歌っています。足下には小さな輪っかがおいてあります。観光客らしきマダムが、その輪っかに小銭をおいたとたん、女の子は「きゃぁ〜、やった〜」みたいな感じの大よろこびで、飛び跳ねながらどこかへ走り去っていきました。昨日の地下鉄の少年もそうでしたが、歌を歌ってお小遣いをもらう、という遊びなんでしょうかね。いいのか悪いのかわかりませんが、楽しそうだったし、小銭をおいたマダムもニコニコしてたので、それでよいのでしょう。(10)

14時にホテルを出て、16:30発のシベリア航空 S7-956便でモスクワへ戻りました。(11)

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はい、では最後に、トビリシで食べたものをだぁ〜っと並べてみたいと思います。

■壷焼きスープ・ペリメニ
2011年6月15日(水)昼自由広場付近の裏路地でなんとなくみつけたカフェ【OK】で、ロシア式水餃子“ペリメニ”のジャンルから、辞書を引きながらなんとなくを注文。出てきたものは、壷に入ったズメタナ(サワークリーム)たっぷりのスープ・ペリメニでした。“NATAKHTARI”と書かれたグルジアの生ビールとともに。(12)

■鶏のクシェムルリ
同日夜は、ホテルからゴルガサリ広場方面へムトゥクヴァリ河沿いを歩いている時に、なんとなく楽しそうなレストランを見つけで、入口にいた男性に「Georgean restaurant ?」と訊ねると、「No, Germain restaurant.」ということでした。グルジア料理なら、ここをまっすぐ行った右側に【MAIDEN】という店が良い、と教えてくれたので、素直にそこに行きました。グルジアの民族音楽や舞踊パフォーマンス有りの大型店で、ヨーロッパからの観光客らしき、10数人の団体が2組いました。当然、英語メニューがあり、ちょっと拍子抜けしながら、私が注文したのは、ガッツリ揚げた鶏肉をガーリックのスープで煮込む、的なことが書かれたあった“Chicken KSHEMRULI”という名の料理。ラーメン丼くらいの直径の鉄鍋で出されたそれは、たいへんに食欲をそそる見た目です。しかし鶏の半身は、私には量的にツーマッチ。いくら白ワインを追加しても、食べきれませんでしたが、いやしかし、たいへんおいしゅうございました。(13)

■カチャプリとチャカプリ
6月16日(木)の遅いお昼。ガイドのソフォちゃんとドライバーのガバさんに連れて来てもらったのは、【民族生活博物館】に行く途中、街の北の外れにある木造の郷土料理店【RACHA】。目ニューを見ながら、ソフォちゃんにいろいろ質問しながら、仔牛肉と香草を煮込んだスープ“チャカプリ”と揚げた茄子にチーズぬったもの“チャカプリ”。それに、ギリシャのフェタ的なチーズが入ったピザ生地のようなものをたのみました。どれもグルジアの家庭料理で、それだけに、それぞれの家、店によって味も形態もいろいろあるそうです。ここでソフォちゃんに「ザリアン・ゲムリエリア=おいしい」という言葉を教えてもらいました。(14)

■オジャクリにトゥケモリソース
同日夜は、いつも地元の人でいっぱいのグルジアレストラン、とガイドブックに載っていた【シャモイヘデ】。予想に反してオシャレでスタイリッシュな店内でした。ビールを飲みながら時間をかけて辞書を引き、決定したのは豚肉のローストと書かれた“Ojakhri”という料理。出てきたのは、ガッツリとローストされた豚肉とデカめに切られたポテトがどっさり盛られパセリがぶりぶりかかった鉄鍋でした。昨晩に続きこれまた旨そうでしたが、食べてみるとこれがしょっぱい。豚肉ってゆうかベーコンです。ポテトにもバッチリ塩が振られて、そうとうしょっぱいです。とりあえずパンだ、と思いたのんだら、インドのナンのようなものが出てきました。しかし、それを食べたところでただでも多い量が増えるだけで、しょっぱさは軽減できません。どうすりゃいいものか、レモンかなんかぶっかけてみるか、と店員さんに「リモン」と言ってみると、なんかわかんないけどメニューを持って来て、ソースの欄を指差して何かをすすめてきます。ここに更にソースはいらねえよ、と思いましたが、よく聞いてみると、「ハーブ&ビネグレット」的なことを言ってるようだったので、「なんかわからんけどそれ!」という感じでお願いしました。出てきたのは、ハーブを刻んでオイルとビネガーで混ぜたドレッシングのようなソース。これが意外とよくて、しょっぱさを軽減はできませんが、とりあえずちょっと避ける感じで食べられました。メニューを確認すると“Tkemoli”というのがそれのようでした。(15)

■ディドゥべのチーズパイ
6月17日(金)のお昼。地下鉄でなんとなく行ってみた【Didube】駅前のカフェ。おかみさんに指差しですすめられ、言われるがままにたのんだそれは、四角いパイ生地の中にやや黄色がかったチーズが入ったものでした。グルジアの皆さんは、これを単品で食べるのか、それともなんらかのおかずで食べるのか、いや、おやつなのか? よくわかりませんでしたが、ビールを飲みながら、適当にイイ感じでした。(16)

■豚のストロガノフ
同日夜、見える範囲に信号も横断歩道も歩道橋もない大通りを決死のダッシュで横断してたどりついた【ズベリ・シャリフ】は、ムトゥクヴァリ河沿いのテーブルで、民族音楽の演奏も楽しめる、観光客の多そうなレストランです。テーブルにつくと、英語とロシア語2種類のメニューが出されました。あえてロシア語のほうを開こうとしたら、となりのテーブルのトルコ人らしい男性3人が、「テーブルをかわってください」と言ってきたので、「あぁどうぞ」と入れ替わり、あらためてロシア語メニューを見ていたら、まだたのんでないビールが運ばれてきて、あれ?と思ってたら、となりのトルコ人らしき男性からのお礼の1杯ってことでした。どう考えても同じ条件のテーブルなのに、なんで替わりたかったのか、その理由もわかりませんでしたが、まぁビールおごってもらって悪い気はしないので、「どうも」と会釈して、さっさと飲んじゃいました。

で、料理ですが、ロシア語の辞書で調べながら、魚か肉か迷いましたが、海のない街で魚はやはり危険か、と弱気になり、結局、豚肉・ズメタナ(サワークリーム)・香草、あたりのキーワードで決定し、注文しました。出てきたのは、小間切れの豚肉をサワークリームでソテーしたようなもので、食べてみると、ストロガノフの豚肉版って感じです。これがグルジア料理なのかどうなのかはわかりませんが、どうあれオーチンフクースナ。トビリシでの最後の晩餐は、目の前で演奏される民族音楽を聴きながら、グルジアの赤ワインを少し多めに飲みました。男性従業員と女性従業員が仕事しながらスッゴイ言い合い、それも結構長い時間やってたのがとても印象的でした。(17,18)

■Potage aux Poireaux
6月18日(土)トビリシでの最後の昼食は、ホテルの裏のレストラン(店名は忘れました)。かわいい店員さんに「May I speak English ?」と言うと、「No… Russian ?」と聞き返されたので、「Het(ノー)」というと、「French ?」と言われたので「Oui, un petit peu(えぇ、ちょっとだけ)」と答えて、なんでそうなっちゃったのかわかりませんがフランス語でいろいろ聞きました。とってもかわいかったのでわかりきってることまでいちいち聞いたりもしました。で、結局、そんなに腹が減ってるわけでもなく、ネギのポタージュとパンってことにしました。あ、ビールも飲みましたけど。(19)

はぁ〜い、というわけで、これにて、アゼルバイジャン・バクーとグルジア・トビリシ、計6泊7日の旅は終了。お疲れさまでした。

イスラム教のアゼルバイジャンとは、同じカフカス地方で国境を接する国でありながら、大地の色も街の景色も何もかもが違ってたいへんに興味深かったです。しかし、ロシアのロの時も感じない両国はいずれも20年前まではソ連だったわけで、そう思うと、ソ連ってのはそうとう無理のある括りだったんだなぁ、と思えます。ソ連時代には義務教育でロシア語を勉強した両国ですが、現在ロシア語を話す人は都市部で約60%、若い人はロシア語ではなく英語を勉強しているそうなので、20年後は“ロシア語圏”とは言えなくなるのでしょう。んんん、なんだかなぁ。

現在、ロシアとは国交を絶っているグルジアの通貨は、モスクワでは両替してくれませんでしたので、そのまま持って帰りました。ってことは、「またグルジアに来いよ」ってことなのかもしれません。(20)

というわけで、先週(2月10日)分の金コラをやっと書き上げたら、もう明日は今週分の金コラです。これも週明けになると思いますが、おつきあいください。

さて、19日(土)は、BAND LIVE TOUR 2012【ある意味・逆に・ある反面】最終公演です。なにしろ全部出し切りますので、観に来ていただける皆さまは、充分にお楽しみに。LIVE DVDの撮影も入りますのでよろしくお願いします。

2012/02/16



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