No.309
『バレちゃしょうがねぇ』
バレちゃしょうがねぇ。
あ、その前に、4月9日(土)に横浜で行われたチャリティイベントおよび募金活動にお集まりいただいた皆さま、ありがとうございました。皆さまからお預かりした募金は、日本赤十字社を通じて寄付されます。この他、今後行われる復興支援活動については、随時『最新情報』でお伝えしていきます。
では、あらためて・・・、バレちゃしょうがねぇ。
ま、バレたというか、自分でしゃべっちゃったんですが。それはFM COCOLOの【KANと要のWabi-Sabiナイト】の収録で、なんかの流れで古い携帯をしつこく使い続けてる話になり、根本要さんに「KANちゃんの携帯ちょっと見せてよ」と言われたもんですから、要さんに言われちゃっちゃっちゃひにゃぁ、逃げも隠れも除けるわけにも躱すわけにもいきません。ブレザーの胸のポケットからそれをゆっくりとマイクの前に出しました。すると「おぉぉぉぉぉぉっ!」と要さんが予想以上に大きく反応しました。
はい、携帯電話、12年半ブリーボガードにとうとう機種変更しました。3月12日のことです。私が98年から使い続けていたdocomoの【P205】は去年から【P205-WG】となり、端から見れば瀕死の状態でも、いや、まだ電源は入るのだしと、movaサービス終了の2012年3月まで使い続けようとしていたことは、この金曜コラムをお読みいただいていた皆さまは御存知のことかと思います。
私は極度のアンティーク趣味で、意地でも古い機種を持ち続けることに快感をおぼえていたわけではありません。まだ使おうという気持ちさえあれば使えるものを捨てて、新しいものに切り替える、その理由・キッカケがなかっただけです。
しかし、3月11日の大地震、東京も激しく揺れました。それは、その晩になってたいへんに恐ろしい現実をメディアを通じて知る前に、私が携帯の機種変更を決意するキッカケとなりました。もちろんあの日は、最初の揺れが一旦おさまった直後からすでに携帯は皆かからない状態になりましたし、携帯メールも受信するのに1時間以上かかったと聞きました。しかしその夜遅く、やはり通信手段のひとつとして確保しておくべきではないか、と考え、機種変更を決意し、翌日docomoに行くことにしました。
ところで最近はどんな機種があるんだろうかと、行く前にdocomoのウェブサイトをざっくりと見てみましたが、なんだかどれも同じに見えてねぇ、個性がないと言うか。薄く期待していた“らくらくホン”だって思ってたほど見劣りしない感じです。ま、売れるもんを作ろうとするとどうしても同じ傾向になっちゃうんだろうな、ってのは携帯電話に限ったことではないのでしょう。二つ折りのものがほとんどだったなか、ふと目に留まったのは、二つ折りでもスライド式でもない平板型。いや、微妙に角度のついた“弱への字型”のものでした。その機種をなんとなく意識しながら家を出て、docomoに到着する前に最初の2文字だけで早合点したのか間違ってDOUTORに入ってしまったのでエスプレッソを飲みました。
今度こそdocomoに到着すると、30分待ちということで店内をうろうろ。髪の毛がツンツンと立った男性店員さんに、「いちばん売れてないのはどれですか?」と聞くと、「このぉ、初回契約0円のSALEの棚がぁ、売れてないやつですねぇ、基本的にぃ」とのこと。その棚のいちばん下に私が意識していた機種があったので、「コレとかは?」と指差すと、「あ、そ〜れは誰〜も持ってないっすねぇ」ということだったので、「じゃぁコレだ」と即決しました。
この日が特別に混んでいるのか、いつもこんな感じなのかはわかりませんが、まだまだ待ち時間があるのでさらに店内で時間を潰す工夫をします。12年半使った愛機をディスプレイ棚に並べてさまざまな最新機種と比べてみたりしましたが、やはり【P205-WG】は他を寄せ付けぬ品格のある名機だということを、皆さんにも下の写真で再認識していただけることでしょう。
そのうち思ったより早めに順番がやってきて、ついに機種変更手続き。独特なしゃべり方のお嬢さんから、慣れた感じの早口で説明書にいちいちピンクの蛍光ペンでラインを引かれながらの説明を受けていると、「あれ? オレってバカになっちゃったのかな?」と思う瞬間が2回ほどありました。で、お金を払い、ついに世代交代です。91年から98年まで【mova D】、98年からこれまでの12年半【P205-WG】。02〜04年のパリ在住時は【ALCATEL】というメーカーの電話を使ってましたので、それも数えると4代目となる【L-04B】です。
しかし、この歳になって機種変更なんて、ジューク・ハタチのカワイイギャルじゃあるまいし、はじゅかちくって誰にも言えなかったので、電話がかかって来ることはほとんどない2〜3週間をやり過ごしましたが、先週、会社にいる時に私のブレザーのポケットから聞き覚えのない【着うた】が鳴っちゃったもんで、「え、なに?なに?」「えぇぇ!KANさん、まさか!」みたいなことになって、そこから徐々に周囲にバレはじめました。こないだの札幌での番組スタッフの送別会の席では、私のコラムをずっと読んでくれていた女性に「KANさん、携帯見せてください!」って言われましたが、「ぼく、変えちゃったんですよぉ」と申し訳なく新機種を差し出すと、「えぇぇぇぇ、なんでですかぁぁぁ、見たかったのにぃぃぃ」とその場に泣き崩れる、なんてこともありました。ということなんかもありながら、機種変更から1ヶ月経った今、恥ずかしながらここにその事実を発表することにしました。
そんな新携帯の【着うた】は迷わずPerfumeの『ワンルーム・ディスコ』です。えぇ、もちろん。だってそうでしょう。音の鳴りだしから4小節間のインパクト、次の4小節で「え、誰から?誰からなの?」という緊張感に包まれながら人差し指を立てた右手をまっすぐ上にのばし、ドンスコドンスコ♪とドラムの音が入ってきたところで、携帯を持った左手をグリングリンと回転させながら水平に伸ばし、歌いだしの「ワ〜ンルームディスコ」にかぶるように素早く携帯を顔に当てながら“受話器上げボタン”を押して「もしもし」です。
受信動作としては完璧な選曲だと言えます。それがどのような動作であるかはPerfumeの『ワンルーム・ディスコ』のイントロの振付けを思い浮かべていただければそれがそのままです。
このように、かかってきた電話にでるには、♩=127のテンポで12小節弱の時間を要しますので、このコラムを読んで、じゃぁKANくんの携帯に電話をかけてみようと思った私の知り合いの方々は、それ相応の余裕を持って、もしくは事前にPerfumeの『ワンルーム・ディスコ』のイントロサイズを確認してから、おかけいただくことをお勧めします。
では最後に、久しぶりにクイズです。
問題:私の新携帯【L-04B】の待ち受け画像は次の3つのうちどれでしょうか? 答えがどれであるにせよ、いいから3番のものを購入して観なさい。
1.中国の画像 |
|
2.佐々木希ちゃん |
|
3.年めくり30年30曲 |
ところで、予定どおりに行われる5月1日(日)の【KAN×昭和音楽大学管弦楽団】。ありがたいことにチケットはすでに完売していますが、機材席の調整により、4月19日(火)から若干数ではありますが改めてチケットを一般発売することになりました。チケット御購入の詳細は19日(火)にこのサイトにてお知らせします。たいへんに希少なこの公演をひとりでも多くの方に観ていただきたいのです。
2011/04/15
|