No.299
『讃岐さぬき録』
【弾き語りばったり #13 ~Moonlight Sirinade~】、先週末は京都、そして9年半ぶりーボガードの金沢公演が終了しました。観にきていただいた皆さま、ありがとうございました。金沢は大雪でね、京都から向かう電車は30分遅れた程度で済んだんですが、公演翌日の小松空港からの帰京便は雪のため欠航。ま、それは予想されていたので、早めの判断で、三度“はからずも”の富山空港に行って、そこから帰ってきました。その辺のお話はまた機会があれば。
さて、今週は四国での話。愛媛・松山は【弾き語りばったり】だけでも3度目来てますが、タカマチュは1992年以来、実に18年半ぶりースタジアムです。
1月22日(土)、前日私用での福岡からJACのプロペラ機【SAAB 340B】で豊後水道を越えて松山入り。JALの機内誌1月号には松山の特集が載っていて、そこに“鍋焼きうどん”の【ことり】がチラッと載ってまして、そういや、これ久しく食べてないなぁ、と思い出したこともあって、今回はそれを食べると静かに決めてました。ということで空港から鍋焼きうどん店がある商店街へ直行します。
その前に前回たしか93年の話。バンドメンバーと数名でやってきました。 【ことり】と【アサヒ】という2つの老舗が至近距離に在り、協議の結果なんとなく屋号が旨そうってことで【ことり】に入りました。“鍋焼きうどん”ですから、土鍋のフタを開けたらぶわっと湯気が立ち、海老天・しいたけ・かまぼこ・卵。鍋淵がふつふつと煮え立つ画を当然のようにイメージしながら待つ私たちでしたが、実際に運ばれてきた鍋焼きうどんを見て、一同「ん・・・?」と顔を見あわせたものでした。小ぶりのアルミ鍋のフタを開けると、ねぎ・かまぼごに気持ちばかしの肉のしぐれ煮。特にふつふつと煮え立った気配もないそれは、私たちのイメージよりはもっともっと手前にある質素なものでした。いや、もちろんおいしいのはおいしかったんですが、量的にも軽〜くおうどん1杯程度ですし、なにしろ“鍋焼き”というイメージを払拭できぬまま完食してしまったもんですから、えもいわれぬもの足りなさに苛まれた私たちは、「こっちじゃなくて、あっちだったんじゃないの、本場の店は」「そうだ、そうですよきっと」ということで、その足で【アサヒ】に入り、今度こそと“鍋焼きうどん”を待ちました。が、しかし、運ばれてきたそれは、やはり、というか、先ほどの【ことり】のそれとの違いを誰も見いだせぬほど同一のものでした。
というわけで2軒はしご食いして、これが松山の“鍋焼きうどん”。東京に於ける“鍋焼うどん”とは大きく異なるのだ、と頭では理解してながらも、でもなぁ・・と、どこか傅に落ちない私たちでした。
と、前置き昔話が長くなりましたが、それ以降、他のどの地方でも食べたことの無い“松山の鍋焼きうどん”を食べると決めてやってきたのです。
「オレは区別がつかなかったんだけど、どっちの店にする?」とイベンター【DUKE】の岡野くんに話すと、岡野くんは「ボクは【アサヒ】のほうが好きですねぇ。味がしっかりしてるというか・・」ということで【アサヒ】にやってきました。それをそれだとわかって、ちゃんとイメージして食べるとおいしいですね。創業当時は他のおうどんに比べてちょっと贅沢なものだったのでしょう。ねぎ・油揚げ・かまぼこ・ちくわ・しぐれ煮の基本具材が思ってたよりたっぷり。そこにオプションで卵を追加したので、かなり豪華になりました。甘めの味付けも九州出身者にはイイ感じ。さらに“いなり”で甘々感を楽しむのです。というわけで、たいへんおいしゅうございました。
で、松山公演を終えた翌23日(日)。車で高速をぶっ飛ばして次なる公演地・タカマチュへ向かいますが、ストレートにタカマチュ着いちゃっちゃ車で行く意味ないでしょう、ということでタカマチュちょっと手前の善通寺ICで降りて、あえて下調べなく、街のうどん屋さんを探します。
さて、讃岐地方に入りましたので、ここから先は「さ」を抜いて書きます。多少読みづらいかもしれませんが、そこが讃岐である以上しょうがないのですよ。では、キャリオン。
なんとも旨そうな予感のする地名“丸亀”方面へ■折し、■っ速みつけたのは【ジャンボうどん高木】。看板に“2杯喰い逃げOK”と書いてありました。“大盛り■ービス”とか“替玉無料”なんて文言は時々見ますが、“2杯喰い逃げOK”ってのは初めてです。元祖・食い逃げ系の近藤くんも「これ、どういうことなんすかねぇ」と看板をみつめています。
ま、どっちみち休業だったので、次を■がします。■らっと数分走っただけでうどん屋■ん4軒くらいあるわけですから■すがは■ぬ岐、うどんの本場です。そんななか屋号と外観の感じでなんとなく【おおまえ】に入ってみました。
■ぬ岐ならではの“セルフ”形式。トレイを持ったらまず“かけ”や“ぶっかけ”また“釜揚げ”などの基本うどんを頼んで、そこに任意のおかずをのせたり、おにぎりとったりしてお会計。私は“肉うどん”にねぎと天かすをかけて、それとは別におにぎりとじゃこ天。やや調子にのっちゃった感じはありますが、■まざまな天ぷらやらなにやらがズラッと並ぶセルフ形式は、つい調子にのりがちなんですよね。ところで、DUKE・岡野くんは、“釜玉うどん”なるものを注文します。“かけ”や“ぶっかけ”はすでに茹でてあるうどん玉を■っと湯通しするだけなので、ほんの20秒で出てきますが、“釜揚げ”は注文を受けてから生うどんを釜に放り込み茹でるので10分ほどかかります。なので茹で上げの熱々を食せるのです。私たちがもう食べ終わっちゃうよという頃に岡野くんの“釜玉”はやっとできあがりました。茹で上げ熱々のうどんに生卵がカルボナーラ的に絡み、そこに出汁醤油なんかかけやがりました。ちっきしょー、めちゃくちゃ旨そうぢゃないか。そんな旨そうなことなんで■きに言ってくれなかったのよっ。んんん、もうバカバカバカバカ、岡野くんのイケズ!と涙ながらに岡野くんを責めました。とはいえ、私の“肉うどん”もたいへんおいしゅうございました。あぁぁぁ、食った食った、腹いっぺぇ。
ってことで、再び高速に乗って■ぬ岐富士を眺めながらタカマチュへ。約18年半ぶりーライク・ザ・ウルフのタカマチュ公演も終わり、スターダスト・レビューのキーボーディスト・添田くんが、わざわざ東京から専用機に乗って観に来てくれたので、深夜までシャンパーニュをぶりぶり浴びてやりました。2軒目でDUKE・岡野くんが「日本地図書くやつ、やりましょうよ」と言ったので、「っつったって、もうベロベロだよ」と言いながらも、みんなでやりました。そのあたりは来週書こうと思います。
で、翌24日(月)の朝。タカマチュ空港に着き、帰京便のチェックインを済ませて、「■ぁ、四国のシメにうどん喰おうぜ」と2階に上がると、■ん軒のレストランのうち2軒がうどん店でした、■すが■ぬ岐です。で、どっちの店にしようかとショーケースと店頭メニューを熟視していたら、その奥に【空の駅 かがわ】なるものがあったので覗いてみると、女性店員■んが「蛇口からうどんのだし汁が出ますから、どうぞ召し上がってください」と言いました。それはいわゆるひとつの蛇口商法ではないか、そんなもんにひっかかるもんか、と不審がっている私をよそに、添田くんは■っ■と紙コップをとって、うれしそうに蛇口をひねっていました。せっかくなので私も飲んでみました。小さめの紙コップに薄い褐色のぬるい液体が少量。ちょっと懐かしい検尿感につつまれながらもおいしゅうございました。
■て、2軒あるうどん店、どっちにするか。コレといった決め手も無かったので、窓が大きくて明るいという理由で【■ぬき麺業】に入ります。空港のうどん店では、“釜揚げ”っつっても注文聞いてからわざわざ茹で始めたりしてくんないよなぁ、と思い一応聞いてみると、「お時間かかりますけど、よろしいですか」とうれしい返答だったので、迷わず“釜玉うどん”を注文。10分ほど待ってうまそうなアツアツが出てきました。うん、しかし、具がないのもちょっと■みすぃ〜なぁと思い、1本100円の“おでん”もつけました。うぅん、これだ、これですよ。たいへんおいしゅうございました。
というわけで、お読みいただいた皆■ま、お疲れ■までした。でも、こうしてみると、「■」って思ったほど使ってないんですね。これからはもっと意識して「■」を使おうと心がけるの■。
■て、今日はこれから名古屋公演。明日は仙台です。どちら■まもよろしくお願い子門ま■人。
あ、昨日、東京のNHKホールで、山崎ま■よしくんのコンサートを観せていただきました。いやぁぁ、■すが、ミュージシャンだなぁ。「いちぅあ〜うくふ、おと■〜うぃの」。たいへんおもろうございました。
2011/02/04
|