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Friday Column

No.284

『だってしょうがないじゃん』

まずは、87年のデビューから99年までのアルバムリマスタード盤12枚+アルバム未収録曲集『Songs Out of Bounds』を含めた【THE RESTORATION SERIES】が、当サイト内『For Sale』で御予約・御購入いだたける準備が整いました。

そして、“はるばる来たぜハコダケ”。上記13枚に『Gleam & Squeeze』『遥かなるまわり道の向こうで』『カンチガイもハナハダしい私の人生』を加えた、アルバム16枚収納を想定した特製高級空箱【The Complete Empty Box】も出来上がりました。

価格1,200円はどうでしょう。「ってっゆうか高くねぇ? だって箱でしょう?」という印象をお持ちの方が多くいらっしゃることでしょうが、いえいえいえいえ。前にも書いたとおり、この高級空箱に関しては一切の利潤を無視した芸能生活23周年記念“特別感謝価格”であるということをハッキリ申し上げておきます。音楽家が音楽以外で利益を求めようとしたその時からもはや音楽家ではない、という私の基本理念もあります。いやしかし、箱って箱ですし、中身入ってませんから、基本はタダみたいな感覚があるじゃないですが、私も当初はなんとなくそういう感覚でいたんですが、これが、実際つくろうとするとちゃんとかかるもんがかかるんですよ、ホントに。中身はカラであろうとも、紙製立方体の商品をつくるわけで、それも既製の定型サイズであれば大量生産によるコストダウンもあり得るんでしょうけど、縦横高のサイズを指定して作るいわゆるオーダーメイドである以上、それを成型する過程もすべて手作業というわけですから、かかるもんがちゃんとかかってしまうのです。また、このような商品を製作・販売することは初めてなもんですから、いったいどのくらい売れるのか、つまり生産個数をどのくらいに設定すれば良いのかが全く検討つかず、作りすぎちゃって在庫をぶりぶり抱えるなんてことは、全くもって意味のないことなのです。しかし当然、生産個数が少なくなればなるほど製作単価は上がります。そんなこんなに悩みながら、予測が立たないなりに無理をしない個数を生産しました。意外にもささっと売り切れたら、また追加生産すれば良いでしょう。・・と、思うでしょう。ところがどっこい、上にも書きましたようにオーダーメイドの手作業ですから、印刷物などと違って、一度作った原版から増刷すれば良いじゃん、というわけにはいかないのです。なので、予測がつかないなりに無理をせず設定した生産数がありがたく売り切れたら、追加生産はしません。つまりはある意味・逆に・ある反面、限定販売品であるのです。そこまで言っておいて、いったいいくつ作ったのかの数字を言わないところが、ちょっと感じ悪くていいでしょう。だって、そんな数字言っといて、いつまでたっても“発売中”だったら相当カッコワルイからです。そんなこんなの【The Complete Empty Box】に強く御興味をお持ちいただけた方は是非どうぞ。


The Complete Empty Box

さて、先週末、16日(土)は名古屋の隣市・清須での野外ライブイベント【音市音座】。いやぁこれは豪華なイベントでした。まずオープニングに花火があがり、スターダスト・レビューが登場。『夢伝説』『木蘭の涙』と2曲演奏したあと呼び込まれた私は、カウントを出しながらダッシュで走り込んで『愛は勝つ』『まゆみ』と演奏します。そのもそのままステージに残り、平松愛理さん、杉山清貴さんとそれぞれ2曲ずつを演奏。そしてシークレットゲストにはサンプラザ中野くんさん。続いて渡辺美里さん。そして最後は大御所・小田和正さんが登場。最後は出演者全員でスタレビュの『今夜だけきっと』をアカペラ歌唱。でもってシメにハデな花火という、なんとも豪華なイベントでした。たいへんでしたけど楽しかったです。観にきていただいた皆さま、ありがとうございました。

そして昨日23日(土)は、奈良・平城京跡、大極殿前特設ステージでのライブイベント。こちらはスターダスト・レビュー、杉山清貴さん、そして私の計8名で1つのバンドとしてほぼ全曲を演奏するという構成。これもピアノ・コーラスはかなりたいへんでしたが、いやぁ高い達成感のある、たいへんに楽しいステージでした。観にきていただいた皆さまにも充分に、その楽しさが伝わったことだと思います。


大極殿前にて杉山清貴さんと

と、このように大先輩スターダスト・レビューに乗っかるかたちで、やりきった2大イベントが終わりました。衣装は、久しぶりに燕尾服を着てみたら、心のきれいな人にだけ生える羽が生えてきました。このあとは11月28日(日)に大阪城ホールで行われる【星屑の隙間に木村基博】に向かいます。スターダスト・レビュー、スキマスイッチ、秦基博くん、そして私の4組での複雑なコラボレーション。恐らくこれまで経験した数多くのイベントの中で、最もたいへんなリハーサルになることは明らかですし、それらを今度は私がひっぱっていかねばならないのですから重大任務です。しかしこれをキチッとやりとげたら、それは前例のない、そう簡単にはマネの出来ないステージとなることでしょう。チョー御期待ください。

現在は札幌のホテル。今日からプロモーションとボンソワ収録とSTVラジオワンデイジャックで3泊。今回は大阪から続いて6泊です。というわけで、連続遅延のゆる金コラム。遅れたわりには告知と報告と宣伝だけでおわることを申し訳ないと思いながら、だってしょうがないじゃん、忙しいんだもん、というささやかな開き直りのニュアンスも出しながら、逃げるようにオヒラキとさせていただきます。

2010/10/24



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