No.169
『テーマ茶屋 2008 夏』
さぁ、北京オリンピック開幕です、イェィ。そんなこととはあまり関係なく今週は久しぶりにゴルフの話です。私がゴルフをやる以上、それは『テーマ茶屋』という芸術性と創造性に溢れるオトナのゲームとセットでプレイします。『テーマ茶屋』とは何か、についてはコラムNo.120でその成り立ちから長々と説明していますので、御興味とお時間のある方には長々とお読みいただくとして、イマイチ興味を持てそうにない方のために改めて簡単に説明しておきます。
ゴルフは通常、前半後半各9ホールの計18ホールを1ラウンドとしてプレーしますが、前半後半それぞれの中間地点に小休憩施設“茶屋”があります。普通はここでおしぼりで汗を拭いたりお茶を飲んだり、時にはおにぎりやゆで卵などで小腹を満たしたり、トイレにいったりという数分間を過ごすんですが、『テーマ茶屋』とは、選ばれた競技者ひとりが、協議されたあるひとつのテーマにのっとってその数分間を演技するエンターテイニング・ブレイクなのです。
グリーン上ではカップ(穴)に遠い人からパットをするという基本があり、茶屋手前のグリーンで最後にカップインした競技者、つまりカップの一番近くに残っちゃった人が『テーマ茶屋』の演技者となるルール。なのでゴルフの腕の良し悪しにはあまり関係なく、茶屋手前のグリーン上での運が演技者を決定すると言っていいでしょう。これまでに私は、『ロマンチック茶屋』『英語茶屋』『青春茶屋』『真冬茶屋』『ホスト茶屋』『ディスコ茶屋』『サイレント茶屋』『うた茶屋』『創作うた茶屋』『またまた茶屋』とさまざまなテーマ茶屋を経験し、うち4テーマを実際に演技しました。
7月××日、この日は7人が2組に別れてのゴルフ。私の組のプレーヤーを紹介します。“プロ”ではないという意味の表記です。
木村和 ペロ |
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野沢トオル ピロ |
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佐藤竹善 パロ |
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KO-HEY ポロ |
私の組は、アーティストの佐藤竹善さん、Skoop On Somebodyのドラマー・KO-HEYさん、野沢トオルくんと私の4人。後続組はコラムNo.120にも登場した亀山さん、近藤くん、そして茶屋史上最高傑作と言われる『うた茶屋』で哀愁に満ちた男の演技を見せた佐藤公勇さんの3人。イベントなどで数年置きに音楽的交流のある竹善さんとは初ゴルフ。KO-HEYさんとも3年前のライブイベントで顔を合わせてはいますが、ゴルフは初めてです。両名とも『テーマ茶屋』はもちろん初めてです。
木村和 ペロ |
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野沢トオル ピロ |
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佐藤竹善 パロ |
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KO-HEY ポロ |
というわけで09:10スタートしました。まず最初の茶屋は前半5番ホールの後。4番あたりからテーマを協議します。私は『ロンリー茶屋』と『ボーリング茶屋』の2テーマを提案し、KO-HEYさんが出したテーマは『ギャル男茶屋』。いわゆる“ギャル男”といわれる人種のしゃべり方で茶屋の数分間をやり過ごすというものです。竹善さんからは『童貞茶屋』という難しめの案が出ました。5番のティーショットを打ち終わりそろそろテーマを決定しましょうということになると、『ギャル男茶屋』と『童貞茶屋』の2対2にわかれたのでジャンケンで『ギャル男茶屋』に決定。
繊細な技術が要求されるアプローチ |
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茶屋前のパットは緊張感ピリピリだ |
それまでの4ホールとは比にならない緊張感に包まれた5番ホールのグリーン上でのパッティングは、竹善さんが長い距離を見事にワンパットで沈めて一抜け、私、トオルくんと続き、惜しくもカップギリギリに残してしまったKO-HEYさんが最後のパットとなり、自ら提案したテーマでの茶屋デビューが決定しました。
さぁ『ギャル男茶屋』です。KO-HEYさんは茶屋に入ると真っすぐカウンターに進み、用意されたおしぼりで首まわりを拭きながら茶屋の女性に大きな声で「今日、マジ暑くねぇ? これってヤバくねぇ?」と始まりました。「今日、混んでんの?」「今日はあと3組で終わりですね」「マジ?、3組?、それってヤバくねぇ?」「今日は午前中で仕事終りですよ」「午前中って、マジヤバくねぇ?」 幸運にも茶屋の女性が明るい方だったこともあり、KO-HEYさんはこの後約5分間“ギャル男しゃべり”を休むことなくやりきりました。いやぁ〜よかった、素晴らしい、初めての茶屋とは思えないテンポがよくアタックの強い『ギャル男茶屋』でした。さすがドラマーです。
前半を終え、レストランでのランチ。後続組に「なにやったの?」と聞くと『ハーレー茶屋』だったそうです。「ブルルルルン、ブルルルル〜ン」とハーレーに跨がって茶屋に入り、エンジンを止めずに豪快でアメリカンな数分間を過ごし、再びハーレーに跨がって茶屋を出るという、極めて創造的な演技を要求される上級者向け茶屋。演技した近藤くんはかなり大きな精神的ダメージを残してしまったようです。その後のランチの話題は後半の茶屋のテーマに終始しました。後続組は「マイケルジャクソン茶屋」というこれまた無茶なテーマに挑むようです。
さて後半はいろいろと協議した結果、私の発案で『ヒルズ茶屋』に決定。六本木ヒルズに住み、株や不動産やフジテレビの女子アナとの合コンの話ばかりを大声でする、そんなバブルでセレブなイメージです。極度の緊張感に包まれた14番グリーン、最後のパットはトオルくん、なんと4ラウンド目にして初めての茶屋演技です。とはいえ、『G-whiz』『Gyan-buy』と演劇集団を率いる現役パフォーマーですから、当然の如く期待は膨らみます。・・・が、しかし、「ここは、ブランデーとかおいてるのかな?」という入り口はよかったんですが、その後があまり広がらず、携帯電話で架空の部下に「ヨット買っちゃえ」「CX(フジテレビ)買っちゃえ」と指示した程度で、なんだか小さくまとまってしまいました。唯一の小ヒットは架空の部下に電話で予約を入れさせた六本木のレストランの店名が「タスポ18」だったことでしょうか。そんな感じで正直期待はずれに終わり、トオルくん本人も「ふがいない、ふがいない」と肩を落として残りのホールをプレイしました。後半は日照りも強くなり皆徐々にバテバテになりながらも14:00過ぎにホールアウト。いやぁぁ、楽しいゴルフでした。
では、スコア公開です。
竹善さんは前半後半ともに安定したプレーでダントツトップ。私はまぁこんなもんですが、KO-HEYさんと同得点だったのはイイ感じです。トオルくんは特に乱れた印象はありませんでしたが、結果的にちょっとスコアを落としたようです。本人はスコアよりも『ヒルズ茶屋』のふがいなさを悔やんでいることでしょう。「演技モノは死ぬほど苦手」と前夜真剣にパットの練習を繰り返していたという竹善さんに、次回はハードなテーマ茶屋を演じてほしいものです。
ゴルフ場によって、スタート時にカメラマンさんが集合写真とティーショットの連続写真を勝手に撮ってくれて、できた写真をプレー後やんわりと売りつけられるというところがあり、普段は買うことはないんですが、今回はこのページのために買いました。どうでもいいけど2000円は高すぎ〜、たかすぎ〜、たかすぎ〜かいはつ〜(私の世代の九州の人だけわかるギャグ)。というわけで最後に私のスウィングフォーム公開です。
ポロシャツの色が違うのは、前半は赤着てて昼食時に緑に着替えたからです。さて、どうでしょう。ゴルフをやる方なら、どこがどういうふうに良くないかなんてのがわかるんでしょうね。しかし、私の場合ゴルフに関しては人の忠告など全くもってキクミミモタンですから御心配なく。私のスウィングを見て悪いところを見つけたら、御自身のスウィングを省みてください。それが世に言う“人の振り見て我フリチン”です。
2008/08/08
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