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Friday Column

No.052

『ググラー、マジやばいっす』

このサイトの私の文章を熱心に読んでいただいている方は、すんなり受け入れていただけると思いますが、何をかくそうなんにもかくしてないこの私は“マッパー”です。それは「純情〜な感情〜で愛情〜の衝動〜は心臓(ハート)の鼓動(ビート)をコンツォロールデキネェYo!Yo!Yo!Yo!Yo!Yo!チェキラオ!」といったような今風のラッパー(Rapper)ではありません。地図という平面を長時間睨みつけながら、その土地の実際の様子を頭の中にイメージ展開して、にやにやしたり時に小興奮したりする、それがいわゆるマッパー(Mapper)です。

マッパーになる以前は鉄道マニアだったこともある私は、当然時刻表を見るのが大好きで、好きな列車の停車駅と時間を紙上で追いながら頭の中で走らせる、まぁ一般的には“ダイヤー”と呼ばれるそのひとりだったわけです。頭の中で走らせていた列車のその本物に実際に乗る時の興奮は、ダイヤーにしかわからない格別なものです。雑誌の写真でしか見たことのなかった憧れの外タレを生で、しかも至近距離で見ちゃったくらいの興奮と同じです(なぜか言い切り)。

最近でも旅行に行く前はガイドブックを買って見る、これは普通のことですが、私はガイドブックで目的地の市街地図をなんどもなんども見つめて、その街の基本的な成り立ち、メインストリートや主要目的地などの位置関係から泊まるホテルを決定し、鉄道やバスが通る経路、さまざまな建物の集中や分散度合いから街景を想像します。なもんですから、実際にその街に降り立ったときにはすでにベーシックな方向感覚がある程度できたうえで、想像していた街景との一致やギャップやらを楽しみながら歩き出す、これが私の旅の最初の大きな楽しみだったりします。だから“今行ってみたい街”はいつでも“行ったことのない街”であるわけです。

数週間前、そんな私の性質を熟知しているデザイナー・太田さんが「KANさん、コレっすよコレ!」と教えてくれたのが『Google Earth』。おぉぉぉぉ、スゴイ、大興奮です。ホントもう、コレ、コレっすよ。といろんな人に教えようとすると、なんだそんなのもうとっくに皆さんご存知だったようですね。でも一応まだご存じないという方のために説明させていただきますと、この『Google Earth』、簡単にいうと衛星からの地上写真をつなぎ合わせた実写世界地図なんです。ダウンロードして、地球をぐるぐぐまわして、行きたい国、見てみたいにポイントをあわせズームアップすると、上空からグワァァァァァァァ〜っと一気に降下してその街の写真が見れます。うぅん。うまく説明できないので、ここまで読んだらとにかくダウンロードしてみてください。

http://earth.google.com/】にアセクサしたら、ページ右上の「Get Google Earth / Free Version」をクソック。「Minimum System Configuration」を確認して条件を満たしていれば、即ダウンロード。インストールして開いてください。

じゃぁまずは手始めにあなたの今住んでるところを見てみましょう。地球をぐるぐるまわして日本をみつけたら、あなたの都市が画面の中央に来るように調節してください。そしたら【+】ボタンでグゥゥゥーっと接近、微調整しながら、まず大きな公園とか川とか、地形を判断しやすいものを見つければ、あとは自分ち探してうろうろしましょう。あった!この辺りに違いないというポイントを画面中央におびき寄せたら一気に最終チャージ!ほらここがあなたの家です。

もう私なんてこんな感じで、自分ち人んち会社学校、今まで行った世界各国の都市を巡りまくって、昨日なんかはスケジュール上今週行けなかった札幌STVまで行ってきましたよ。直で行ったんじゃないですよ。まず家からいつものルートで羽田空港へ、そこからは少しズームを引いて高度を上げて、茨城・福島・岩手と通過して、左に十和田湖を見たら三沢上空から津軽海峡を越えながら徐々に高度を下げて千歳空港に着陸。そこからはJRの線をたどって札幌駅へ。でもって駅南口から西に向かい、7丁目と8丁目の間を左折してSTV到着。いやぁ、楽しいですよ、グーグルアース。ググラー、マジやばいっす。

あんまり楽しいので調子に乗って、私がパリ時代に2年5ヶ月住んでいたアパルトマンへ特別にご案内しましょう。

まず『Google Earth』ページ左上の「Fly To」に「Paris」と入力してルーペマークをクソック。画面がグァァァ〜ンと動いてゴォォォーっと高度を下げて示した場所はパリ市庁舎前広場。広場の右の建物がパリ市庁舎「Hotel de Ville」です。その北側の建物が“パリの東急ハンズ”と名高い「B.H.V/ベーアッシュベー」、家具から電化製品、食器、ガーデニング系、日曜大工系、ネジ・クギ・スリッパまでなんでも揃ってます。では、私のアパルトマンまで行きますから、【N】ボタンで画像の上が北になるように保ちながらついてきてください。

まず市庁舎広場のすぐ下の橋「Pont d'Arcole」を渡ってください。下はセーヌ川、渡った島が俗に言ういいかげんにシテ島です。すぐにまた広場がありますね、この右の建物があの「ノトルダム寺院」です。そのまままっすぐ「Pont au Double」を渡ったらパリ左岸のカルチェラタン地区。川沿いを西に曲がってふたつ目にある「大」の字の交差点が「St.Michel」、知らないですか、いいんですよ。そのまま川沿いに西へ進み、3つ目の路地の角の西側、ここが当サイトの「世界のレストラン」で紹介している『Les Bouquinistes』。この路地を南に入ってください。少し行ってふたつ目の路地を西に折れたら「Rue Christine」。ここでさらにズームインしてください。この路地をはいって2軒目くらいの下に「口」の字型の茶色い建物がありますね、これは私が98年の旅行のときに泊まった「Hotel Relais Christine」。古い修道院を改築した品のいいホテルでね、つい先日カメラマンの大川直人さんもここに泊まったようです。私のアルバム『KREMLINMAN』をお持ちの方は、インナーブックレットを開いてください。「英語でゴメン」の歌詞の背景の写真はその客室です。

この「Rue Christine」をまっすぐ行ってつきあたりを左(下)へ、その先の変形5叉路を西へ折れて、次の通りをつっきって斜め下に進んだ先の変形5叉路が「Mabillon」の交差点です。このサンジェルマン大通りを西に行くと、上に横長の十字架がありますね、これが「サンジェルマン教会」です。教会前の広場から一本西側の路地の角が「Cafe de Flore」。雑誌「LuckyRaccoon vol.05」のコラムでも紹介した私の友人「テツヤ」が初の外国人ギャルソンとしてがんばっているカフェです。大通りを挟んで向かい側(下)には「世界のレストラン」で紹介している「Brasserie LIPP」があります。教会前広場にもどって交差点の大きい方の通りを下に進んでください。この大通りが「Rue des Rennes」、知らないですよね、いいんですよ。変形5叉路を過ぎて、X字交差点を過ぎて、緑の遊歩道も過ぎた先の派手な7叉路。この北西角の裏っかわが私がキーボードを買った楽器店「Hamm」。曲がらず真っすぐ下ると最初の路地の角に変台形の建物があります、ここが大型書店&CDショップの「fnac」、それ系の買い物はいつもここでした。さらに行ったらモンパルナスの交差点にでます。斜め上に長い影をおとしているのはパリで最も背の高いビル“パリのサンシャイン池袋”として有名な「モンパルナスタワー」。この屋上があまり知られていないナイススポット。なにがいいっていっつもガラガラなのがいいです。何十分も並んでやっと上れるエッフェル塔からエッフェル塔は見えませんが、並ばず上がれるこの屋上からはエッフェル塔が丸見えどころか360度のパノラマ独り占めです。

で、なんでしたっけ? あ、家ですよね、そうでしたそうでした、もう寄り道せずにささっと行きましょう。モンパルナスタワーの下を南南東に下ってください。変形6叉路の右上はモンパルナス墓地。緑の並木通りをさらに真っすぐ下ると堂々とした6叉路の交差点が現れます。この交差点の太い通りを下に進み、すぐの路地を東へ、すぐYの字交差点があります。ここで思いっきりグゥゥーっとズームインしてください。Yの字交差点の上側にエンジ色のテントが歩道にはみ出しているのが見えますね、これはカフェ。その東に窓が4列ありその半分に影がかかっている建物があります。そのもうひとつ東に窓が2列で裏庭側にも長くのびた建物があります。その東隣の窓が5列ある建物、やっと着きました、ここが私の住んでいたアパルトマンです。ね、素敵でしょう、なんつたって築102年ですから。狭いベランダ部分の中央から少し東側に黒い点が見えます、そう、それが私です。いやね、いつ撮影されたものかがわかりませんかなんともいえませんが、そう思いたいじゃないですか、ここまで来たら、ねぇ。だから、その黒い点は私です(言い切り)。

どうですか、ちょっと疲れるけど、楽しいでしょう。ググラー、マジやばいっしょ。私のようなマッパーにはもうホント、純情〜な感動〜で衝動〜が展望〜でYo!Yo!Yo!Yo!クラッピョへ〜ン!です。このコラムが掲載される12日の夜は私、上海「新天地ARK」で地味〜に弾き語ってますから、この『Google Earth』でグワァァァァ〜ッと上海まで飛んで、新天地さがして上から見守ってやってくださいよ。

・・なに?ってゆうか「Minimum System Configuration」ってやつに書かれている条件を満たしてない? じゃぁ今すぐどうにかして満たしましょうよ。OS入れ替え? いいじゃないいいじゃない入れ替えましょうよ。お金なんて気にしちゃだめです、その価値は充分ありますから。そしてそれはあなたが真のマッパーであるかどうかを確かめる最大のチャンスなのです(言い切ったわりに意味不明)。

2006/05/12


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