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Friday Column

No.107

『ぷ〜らぷらのボヨヨ〜ンのモミモミ』

は〜い、風邪ひきました。ツアー終わってゴルフやってベトナム行ってまたゴルフやって、で、風邪ひきました。じぇったい風邪ひけない、ひいちゃったらすべてパーみたいな時期もあるので、今みたいな時にひいとかないと、という意味では予定どおりというか、そんな感じの軽いやつです。

先日のハノイ旅行から帰ってからの私は、この秋に発表できるかなぁというイメージでのシングル曲の頭の中での作曲段階。優秀なアーティストのみなさんは、常に作品づくりを意識して生活しているんでしょうけど、私の場合は“作る・作れば・作るとき・作んなきゃ・作れ”という感じで、作るべき時期にがんばって頭の中を作るモードにしてとりかかる、というやり方で生きてきましたし今もそうです。

この時期は、車を運転してても、おいしいワイン飲んでても、風邪ひいて寝てても、寝起きの時にさえも、常に頭の前上のほうにメロディがぷ〜らぷらぷらぷらしてるというか、そんなボヨヨ〜ンと晴れない雰囲気がず〜っと続きます。ぷ〜らぷらしているのは、昔作りかけてたけどそのままにしておいたメロディだったり、なんとなく新しく思いついたものだったり、でもどっかで聴いたことあるメロのような気がしてならなかったり、そんなようなもんがぷ〜らぷらぷらぷらしてボヨヨ〜ンとしてるわけです。

これまでほぼ99%“曲先”で作ってきた私ですが、90年代は後でそのメロディにどのような歌詞がのるかはあまり考えずに、曲だけの状態でデモテープを録って、時にはそのまま本レコーディングしちゃって、で、結局歌詞ができずにお蔵入り→宇宙のゴミ、みたいなものもあったもんですから、ここ数年はメロディを思いついてある程度曲としてまとまりそうになったとしても、そのメロディにいったいどんな言葉をのせて私は何を歌うのか、ということが見えてこないことにはデモテープを録る段階に進めないというか、でもって私の場合、デモテープはスケッチ程度ではなくアレンジも含めてキッチリ作りたいタイプなもんですから、それ作っちゃうと後で頭の中で修正があまりきかないというか、作っちゃったものを崩さずにその中で歌詞をのせる、ということになるので、それはそれで良いっちゃいいんですが、いや、やはり“何を歌うか”、つまりどんな歌詞なのかのモチーフや方向性が見えた上でデモを作っていくほうが、アレンジも最終的な仕上がりも良くなるだろうという考えから、デモテープを録る段階以前のぷ〜らぷらのボヨヨ〜ンが続いています。

普段は、音楽家にしてはあまりCDを聴かないほうだと思える私ですが、この時期はなんやかんやと聴きます。それは、脳の中の動かしてなかったところをウォーミングアップするような、どちらかというと“頭を揉む”というか、また凝り固まっている感性をほぐすような、そんなタイ古式マッサージ的イメージでなんやかんやCDを聴きます。なんにも考えないと好きなものばかりを聴いてしまいますが、そればっかりだとなんだか新しい発想が生まれないような気も時々しますんで、普段あまり聴かないようなものも買ってきたりして聴いてます。

というわけで、今週は滅多にない音楽の話題を久しぶりに、“そんなこんなで例えば最近こんなの聴いてます”を書きたいと思います。私はどうもイヤホーンが嫌いなんで、iPodみたいなものも持ってないんで、聴くのはほとんど車の中です。ある程度音量出せますし。でもいつもステレオの右寄りで聴いてることにはなるんですが。とりあえずざっと並べてみました。



では上段左から右に。

【High Times / Singles 1992 – 2006 / Jamiro Quai < 2006】
これまでは上辺だけでなんとなく聴いてたつもりになってたようなジャミロ・クワイ。正面からちゃんと聴いてみるとどうなんだろう、と思って買ってきました。まだそんなに聴き込んでませんが、カッコイイっす。歌、跳ねてますしね。70年代ソウル風のストリングスがティラリラリラリ〜、みたいなやつが特にイイです。

【Morph The Cat / Donald Fagen < 2006】
ドナルド・フェイゲン14年ぶりのソロアルバム。これはもう、私の中での“Album of the year 2006”グランプリ受賞作品ですから。発表から丸1年、車のCDチェンジャーに入りっぱなしです。しれ〜っと14年ぶりで高級なもんもだけをさらっと8曲、理想ですね。

【It Won’t Be Soon Before Long / Maroon 5 < 2007】
続いては私の中での“Album of the year 2004”グランプリと最優秀新人賞の2冠に輝いた前作『Songs about Jane』から4年ぶりの新作。これがまた、もう、全曲イイですよ、全曲。歌もピュッと抜けてます。スティングの哀愁とスティーヴィのうねりと、でも奥底にはジョン・レノンが、みたいな。若いバンドですが、むしろ私たちの世代のほうが楽しめるんじゃないか、と思える素晴らしい作品です。

【All My Life / Billy Joel < 2007】
はい、勝手に我が師ビリー・ジョエルさんの、歌ものとしては14ぶりの新作は、スロウでジャジーでスタンダード風ナンバー。歌が低音部に着地する時のタメ方や発音など、ナット・キング・コールさんの歌唱法を模倣しているだろうと思える部分が随所にあり楽しめます。100年後にも残っているであろう名曲を数多く世に出したビリー・ジョエルさんですが、この曲はもっともっと長いタームで、たとえば2400年頃に『My Way』と『All My Life』はアメリカン・クラシックとして同じ括りで聴かれているのかも、みたいなそんなことを思って作ったんのではないか、そんなふうにも思えます。ちなみに『My Way』って元はフランスのシャンソンだったりシルヴプレ。

【ことたび ロシア語 / 佐々木精治著 < 2002】
白水社の比較的お気軽な外国語シリーズ『ことたび ロシア語』の付属CD。これは、まぁ、あれですよ、もう2年くらい前から車に入れっぱなしです。去年秋のウラジオストック/イルクーツク旅行で“そろそろ本気でロシア語を”とは思ったんですが、まだ本気で勉強することなく、時々車でこれをなんとなく聞いてるだけです。人によって色んな勉強法がありますが、私の場合は、まず基本文法をきっちりやって、そこに単語量を少しずつ増やす、というモロ日本の学校教育的スタイルですから、このCDを時々聞いてるだけじゃじぇんじぇんダメです。なぜか「レストランは何階にありますか?」=「ナカコム・エタジェ・レスタラン」ってフレーズだけ妙に頭にこびりついてるんですが、そんなこと言う場面ないしなぁ。

下段に移って左から右に。
スクロールするのも読みにくいでしょうから同じ写真をもう一度。



【Shostakovich / Symphonies No.5 & No.9 / Vladimir Spivakov / Russian National Orchestra < 2000】
たまにはクラッシックも聴いといたほうがいいですよ。こういうの聴くのはパリ時代から少しずつですが、今のとこなんとなくロシアものが荘厳で物悲しくていいです。これは去年買ったものですが、特に聴きたいものがない時にかけてます。やっぱ作曲家として人生のうちでいつかは交響曲みたいなの作ってみたいですしね。ロシアの作曲家ショスタコヴィッチの作品なので、ロシア人指揮者とロシアのオーケストラによりモスクワで演奏されたものを選んで買いました。

【Some Enchanted Evening / Art Garfunkel < 2007】
これはなんとなく買ってんみたものです。そう、あのサイパンでローアングル、ではなくサイモンとガーファンクルのアート・ガーファンクルさんのソロ、カバーアルバムです。まだサラッとしか聴いてませんが、いいですよ、なんの刺激もなくて。ゆっくりただぼ〜っと優しい歌声を聴く、そんなアルバムみたいです。

【シアワセ / aiko < 2007】
aikoさんは新譜が出る度に必ずサンプル盤を送ってくださいます。ちょうど、2〜3日前に最新シングルが届いてたんで、車でつぁっと1回聴いたところですが、イイですね。タイトルどおりシアワセになれます。やっぱ聴いてて気分が良くならないとね、ポップスの基本です。aikoさんはカップリング曲も「こっちもシングルでぜんせんいいんじゃないの」と思える曲が多く、今回の『リップ』もそうでした。3曲目にはジャジーでメロウなナンバーも入ってます。

【Flaming Youth / Milco < 2004】
今の『Milco』は4人のバンドですが、菅原龍平くんがひとりで『Milco』だった時代のアルバム。小樽出身の菅原くんの書く曲はどれもたいへんに優れています。中盤に入っているギターのインストナンバー『灯台の殺し屋』もグー。

・・・とまぁ、例えば最近はこんな感じです。オススメCDの紹介コーナーではなく、ただの現状報告ですのであまりお気になさらずに。でもまぁ、興味があれば是非どうぞ。あ、それからこのCDの中からメロディー引っぱりだしてきてつなげて新曲つくるわけではありませんからね、ぷ〜らぷらのボヨヨ〜ンのモミモミですから、そこんとこよろしくお願いしますよ。というわけで私の新作、どんなものができるのか、楽しみにしてください、ってのはまだ早すぎます。出るのが決まってからまたご報告します。ってゆうか、こないだのアルバムだって出してまだ9ヶ月ぽっちしか経ってないんですから、繰り返し何度もお聴きいただき、「早く新曲を早く新曲を」といったアメリカ式大量消費主義的発想から日本の音楽業界が開放されることを強く希望します。

2007/06/01



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