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Friday Column

No.231

『横手やきそば3本勝負!』

【弾き語りばったり #11 〜言った、言わない〜】ツアーまっぱだかです。秋田・仙台・帯広・札幌公演が終了しました。観に来てくださった皆さま、ありがとうございました。そんな今週は、秋田から仙台への移動日の1日についての長い話です。

10月11日、9年ぶりの秋田公演終了翌日、イベンター・GIPさんにレンタカーを借りていただき、マネージャー近藤くんとGIPの中鉢さんとの3人で仙台へ向かいます。その道中には最近じわじわと“横手やきそば”の名を全国に轟かせ始めている横手市があり、ならば横手で“横手やきそば”を食べるべきではないか。べきかべきでないかというと、それは明らかにべきだ、ということでそうすることにしました。

しかし、ただ横手に行って“横手やきそば”を食べるだけでは『金曜コラム』としいてはイマイチ弱いんじゃないかということで、せっかくの機会ですから、横手の焼きそば3店を巡ることにしました。しかし、ソース焼きそばをたてつづけに3皿も食えるわけはありません。というわけでいろいろと協議し、3店それぞれで3人中2人だけが食べることにして、それぞれの食者2名をゲームで決めることにしました。それはつまり、3店で3皿食うハメになる可能性もあれば、3店巡って1皿も食べれない可能性もあるという、よくよく考えりゃかなり過酷な“横手やきそば3本勝負”なのです。


レンタカーでホテルを出発

午前10時、秋田のホテルを出発。まずはボウリングで1店目の食者を決定しますが、インターネットで調べたところ、横手にはボウリング場がないということで、秋田市内でプレイします。やってきたのは広面にあるナイスなネイミングのアミューズメントスペース【ロックンボウル】。ここで1店目の食者2名を決定します。


今週のキャスト 左から KAN・近藤くん・中鉢さん

私がボウリングをやる以上、それは“スペアボウル”です。これは私が90年代中期に考案したボウリングの新しいカタチ。一撃ですべてを破壊する“ストライク”は極めてアメリカ的でハシタナイ行為であり、“スペア”こそが計画的で理知的な行為だという基本理念の“スペアボウル”。1投目で9ピンを倒し2投目でスペアはすれば30点、それ以外のスペアは20点でそれぞれ次フレームの第1投が加点され、ストライクは0点という計算法です。なので、自動的に計算されたスコアが表示されるモニターは消してもらい、手製のスコアシートに記入します。ストライクを出してはうなだれ、また相手のストライクが最高に気持ちいいという斬新なゲーム“スペアボウル”試合開始です。


 

 


で、結果は以下の通り。



ストライクをひとつ出してしまったものの、9のスペアを含む3つのスペアをとった中鉢さんが121点でトップ。9のスペアチャンスが4回あったものの、うち3度をミスし、ストライクもひとつ出してしまった近藤くんは112点で2位。“スぺアボウル”の考案者でありながらもスペアチャンスをことごとくミスしまくった私は103点で最下位。というわけで“横手やきそば”1店目の食者は中鉢さんと近藤くんに決定。レンタカーで秋田自動車道にのり、横手の街を目指します。


1店目の食者は中鉢さんと近藤くんに決定!

事前にインターネットで調べてプリントアウトしていた数店を道中車内で協議し、1店目は【ふじわら】に行ってみようということになりました。横手インターをおりてカーナビの指示どおりに数キロ走り、正午過ぎに【ふじわら】に到着。しかし、ごらんのとおりの大行列。中鉢さんが店内を覗くと、席数も少ないということで、1時間待ちは必至と推測して断念。すぐ近所にあった横手やきそば館【ゆう】を見てみると、ここも数人の行列ですが、ま、でもこんなもんでしょうと1店目は【ゆう】に決定しました。 


『ふじわら』の長い行列にひるんで
 

横手やきそば館『ゆう』へ

10分ほど待ち店内に入ると完全びっしり相席状態。待ち客がいる状態で席に3人座って「ひとりは食べません」というのは、さすがにまずいだろうと判断し、“スペアボウル”敗者の私は、近藤くんにカメラを渡して、さらに増え続ける行列を尻目に、店外のベンチでぼーっと待ちました。しかし目の前に出された焼きそばを見ながら食べれない、というよりはまだマシです。腹がグ〜ッとマンガのように鳴りました。


 

 


ふたりが食べ終わるのを店の隣のベンチでただひたすら待つ

『ゆう』の焼きそばを食べ終えた近藤くんと中鉢さんは、「いやぁぁ、旨かったっすよぉ!」と満足気に店を出てきました。あぁ、そりゃよかったじゃないですか。ってことで車に乗り、次なる勝負は“ダーツ”です。13:00、横手市東部にあるカラオケボックス【AQA横手店】にやってきました。ここではカウントアップ8ラウンドでの勝者2名が、2店目の食者になります。店員のお嬢さんのスカートがやけに短かったこともあり、ホントはわかり切ってるダーツ機の使い方を何度も聞いたりしながら、ゲームスタート。「まだまだ食いますよ」とノリノリの近藤くんと中鉢さん。「次食えなかったらマジでつらいよ」な私。なかなかの接戦でしたが、中鉢さんが後半にわかに勢いを落とし、近藤くんが405ポイントでダントツのトップ。私は321ポイントでなんとか2位。中鉢さんは208ポイントでした。というわけで、2店目の食者は私と近藤くんに決定。


 

 


 


再び車に乗り13:30、目玉焼きが2コのっているという【北海屋】にやってきました。幸い行列はなくすぐに座れましたが、店内はカウンターとテープル6卓がほぼ満席でした。私と近藤くんは“肉玉やきそば”を注文。敗者・中鉢さんは何もたのめず、ただ水を飲むだけです。御夫婦ふたりで切り盛りする店なので、多少の時間がかかるのは当然、ゆったりと横手時間が流れます。もうすごく腹へってますから、まわりのテーブルに出されるラーメンや餃子がどれもこれも旨そうに見えてたまりません。そしてついに“肉玉焼きそば”がやってきました。いやぁぁ、やっと食えます“横手やきそば”。キャベツたっぷりで2コの目玉焼きがのり、やや太めの柔らかい麺で、豚肉は薄切りではなく挽肉で、福神漬けが添えてあります。はい、旨かったです。なにしろ朝から何も食べずに、しかも1店目はおあずけの私でしたから、なおさらです。あぁ、旨かった。


 


やっと食えるぅ〜!
 

2皿目にがっつく近藤くんをただ見るだけの中鉢さん

さぁ、3店目はゲームの最もシンプルな基本型“ジャンケン”で勝負です。写真的に絵面のいい所はどこだろうと考え、近藤くんの提案で【横手城】にやって来ました。そんな近藤くんはすでに2皿を勢いよくたいらげ「正直、僕もう食えないっすよ」と弱音をはきます。1皿目から2時間が経過した中鉢さんは「ちょうどいい感じで腹減ってきてますよ」と余裕の表情。私はと言えば、「うぅぅん、もうちょっとだけ食べたいんだけどなぁ、あと1皿は多いかもなぁ」という微妙な状態です。そんな思惑それぞれのジャンケン横手城決戦です。


最初はゲー! ジャンケンほい!

グー・チョキ・チョキで近藤くんが見事に1発で勝ってしまい3皿目決定。直後、中鉢さんと私の勝負は中鉢さんが勝ち、中鉢さん2皿目、私はさっきの1皿で終了が決定しました。


うわぁぁぁぁぁぁ、もう食えないってぇ

3店目は秋田自動車道・横手インターに近いってことで、【元祖神谷】にやって来ましたが、さすが横手やきそばの発祥店とあってか、もうすでに2時半だというのに、これがたいへんな行列。中鉢さんが偵察に行くと、店の中も含めて軽く30人は並んでるということだったので、やめようということになり、再び街中に戻って、1店目【ゆう】のすぐ裏にあった【井端屋】に行ってみましたが、ここも10人越えの行列。じゃぁ、さっきの【北海屋】の近くにもでかいのが1軒あったよね、と【食い道楽】にやってきました。


流れ流れて【食い道楽】へ

待ち客はいるものの4〜5人だったのでここに決定します。10分ほど待って小上がり卓につき、3皿目の近藤くんは少しでも味のバリエーションをと“マーボー焼きそば”を、中鉢さんは“肉玉焼きそば”を注文。食権のない私はコーラでじっとり、ただみつめるだけ。“マーボー焼きそば”とは、ノーマルの横手やきそばにマーボーダレが別添えされています。そのマーボーダレが冷たかったことに驚愕しながらも、近藤くんは3皿目を勇敢に完食。京都のラーメン店【あかつき】でチャーシューメン(大)と餃子とチャーシュー御飯を完食できず、「オレも落ちましたよ」としょげていた近藤くん(コラムNo.230参照)、“食いキャラ”の名誉挽回です。結果的にベストな食いパターンだった中鉢さんはペロッと軽やかにたいらげ、“横手やきぞば3本勝負”終了です。そしてここで信じられない事実が発覚。帯広では4時間に渡り“チャック全開クールビズ”だった近藤くん(コラムNo.229参照)はこの日、焼きそばを3皿たいらげた時点で、ズボンの股部が裂けていたことが判明します。食い過ぎでズボンの股が裂けるなんてのはこれまで聞いたことのない新現象。写真撮影を執拗に依頼するも、頑に拒否されました。


 

 


3皿目を勇敢に完食した時には
 

ズボンの股が裂けていた

ところで“横手やきそば”とはいったい何だったのでしょうか。以前、甥っ子を連れて車を飛ばして食べに行った静岡県富士宮市の“富士宮やきそば”には、“肉カスを使う”“仕上げにイワシ粉をかける”というルールがあったようですが、“横手やきそば”には、そのようなルールや定義づけがあるのでしょうか。今回共通していたのは“目玉焼きがのる”ことと“福神漬けが添えられる”ことの2点。たぶん、昔からソース焼きそばが特に市民に愛食されていたなんらかの背景があって、それをある時だれかが街興しの一貫として計画・実行したのでしょう。その歴史がどのようなものかはわかりませんが、人口10万の街に数多くの焼きそば店があり、そのいくつもの店に行列ができているわけですから、街興しとしては充分な成果をあげているのだと思います。実際、東京の私が秋田に来た以上は横手やきそばを食べるべきだと3店も巡り、こうして長々と書いているわけですし。高速道路休日1000円という新制度も、地理的にも横手市にとって大きな好影響があるんでしょうね。

というわけで、“横手やきそば3本勝負”いかがでしたでしょうか。いかがでしたでしょうか、って言われても、ってことでしょうけど。まぁとにかく楽しく有意義な移動日でした。横手インターから秋田自動車道に乗り、仙台へ向かいます。途中で眠たくなってきたので、錦秋湖SAで運転を中鉢さんに代わってもらい、助手席でブリ寝しました。でもなぁ、やっぱもう1皿食べたかったかなぁ。



さて、明日は3年ぶりのは〜るばる〜きたぜ函館公演。函館の皆さま、お会いできるのを楽しみにしています。

2009/10/16




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