Membership ID

PIN code
SSL(https)接続
ログイン方法について

Friday Column

No.119

『富士宮まで焼きそばを食べに行ってきた』

なんだかバカ暑いですよ、東京。陽が入らないようにカーテン閉め切ってますもん。03年のパリの酷暑を思い出します。そんななか今回のレコーディングも18日深夜に無事終わって、そのまま午前3時から打ち上げやって5時に店を追い出されたら外は明るかったです。ってことであとはマスタリングを残すのみです。なのでカラダは暑さでグタグタですが、精神的にはスポッと爽やかコパカパーナそなアホーな、みたいな感じです。いつ頃どのようなものを出すかの発表はもうしばらくお待ちください。別に私の趣味でもったいぶってるわけでもなんでもないんですが、守るべき順序・通すべき筋などあるもんですから。

お盆はレコーディングをしながらもそれ以外には特に何もなくサラッとヒマだったもんで、でもって、ベルギーから中学生の甥っ子“光太郎さん”が帰ってきてて、帰国子女向け塾の夏期集中なんたらかんたらみたいなのも終わってヒマになったってことで、「よし、富士宮いこう!」ってことにしました。

静岡県、富士の麓の富士宮(ふじのみや)市は、知る人ぞ知る“ソース焼きそば”の街。私も以前テレビかなんかで知って、知っちゃった以上はグルメ系アーティストとしては行かないわけにはいかないという責任めいたものを勝手に感じていました。いつ頃からどうしてどのようにそうなって打ち出されたのかはわかりませんが、とにかく『富士宮やきそば学会』というものがあって、そこが認定した店にはオレンジ色の“富士宮やきそば”の幟が立っていて、それも食堂や鉄板焼き屋さんに限らず、喫茶店や居酒屋にレストラン、焼きそばが食べれる駄菓子屋さんなんかもあるそうで、その数は市内だけでざっと150だそうです。っつっても基本はソース焼きそばなわけで、そのなにがどのように“富士宮やきそば”なのかと調べると、ラードを絞ったあとの“肉かす”というものが入るのと、仕上げに“イワシの削り粉”をブリブリかける、をはじめいくつかの微妙な特徴があるようです。

実は7月の『ap bank fes.』の時、出演前日に富士宮に行って焼きそば食ってやろうと心の中で企てていましたが、台風やなんやかんやでそれどころではなく断念しました。以降“スキあらば富士宮”というスタンスではいたものの、車で2時間かけてソース焼きそば食べに行く、なんてのにホイホイつきあってくれるほどのヒマヒマグルメは周囲におらず、かといって単独で乗り込むってのもなんだかちょっと寂しい感じもあってジッとしていたところ、たまたま私も甥っ子・光太郎さんもヒマという日があり、また0歳からブリュクセルに暮らす光太郎さんには“東京—富士宮間”の距離感覚がなかったのか、「富士宮に焼きそば食いに行こうか」と持ちかけると素直に「行く」ってことになったので、8月15日午前11時出発しました。

「あのね、コラムに載せるから、ぼくが運転してる間、重要だと思ったものは撮っといてくださいよ」と光太郎さんにデジカメを渡して、東名高速をぶっ飛ばします。今年のお盆は11・12日の週末が移動のピークだったのか、いや近年はお盆休みが分散してきたのか、それとも海外旅行者が増えたのか、とにかく8月15日の東名は渋滞など全くなく、スイスイスーダラダッタスラスラスーススースイと快適に流れます。すでに7月にインターネットで調べ上げてプリントアウトしていた富士宮やきそば関連情報=【富士宮やきそば店舗リスト】【富士宮やきそばランキング】【富士宮やきそばマップ】を光太郎さんに渡して、まず【店舗リスト】に書かれてある一言コメント、例えば、「創業40年の老舗」とか「座敷あり」とか「麺を炒める時に自家製スープを使用」とか「熱々のステーキ皿で食べる」などの情報を光太郎さんが次々読み上げて、そんな中で気になるコメントがあれば「何位ですか」「えぇ〜っと、15位ですねぇ」とお店の【ランキング】をチェック。まぁ、私の場合ランキングはあまりあてにしないんですが、一応情報としてね。で、“よさそうかも”ということになれば「今日やってますか」と光太郎さんが電話で確認し、やっていれば【マップ】に印を付ける。そんな感じで東名をぶっ飛ばしながらイメージ目標を5店ほどに絞ったころには、そろそろ富士インターです。


東名料金所
 

今回は右ルートから
 

ぶっ飛ばし叔父ちゃん

富士インターで東名をおりたら、そのまま西富士道路をぶっ飛ばして富士宮市へ、ここまで約2時間。地図を見ながらとりあえず市役所付近へ行って絞り込んだ焼きそば店を外から観察します。まずはランキング第1位の『前島』を見てみようと東小学校付近をぐるぐる迷っているところに、目標ではなかったがランキング25位の『くぼた』を発見。しかしこの日だけ休業でした。私が小学校だと思っていたそれは中学校だったとわかり、直後に『前島』に到着。うわ、ほんとに駄菓子屋さんという佇まい、30数度の炎天下というのに店外待客が5〜6人、うぅむ、さすが第1位。大きな通りに出ると『ちゃん』という店がありましたが、建て直したばかりなのか妙にキレイな建物だったんで、どうも風情に欠けるよなぁってことで通過。続いてランキング15位のイメージ目標店『つぼ半』を発見。看板には「お茶漬け 焼きそば」と書いてあります。北に戻ってランキング32位のイメージ目標店『こんどう』を確認。手書きの屋号がわざわざやって来た感を煽ってくれます。


くぼた
 

前島
 

つぼ半

いやぁ、ホントに焼きそばの街です。この半径300mくらいを車でざっと走っただけでも見えるところにこんなにあるんですからですから。『こんどう』の前に一旦車を停めて、さてどうしようか、と話し合います。私としてはここ『こんどう』か『つぼ半』。根拠はありません、ただなんとなく見た感じのイメージです。光太郎さんに聞くと「どっちでもいいよ」と。いや、その「どっちでもいい」はダメですよ。あっちはクーラーが効いてなさそうとか、こっちのほうが古くからやってそうとか、そういうのを見るためにまわってきたんですから。でも光太郎さんは「どっちでもいい」。「じゃぁKANさんは」ということになると、ううんぼくもやっぱり「どっちでもいい」。つまりお互いなんらかの決定のキッカケを相手に求めているだけなんですがお互いこれといってなく、「ううん、わからん、テキトー」ってことで『つぼ半』に戻り、店前の駐車場に車を停めて中に入ると、店内に5人の待ち客がいました。お店の人に「また、しばらくしてから来てね、そしたら空くから」と明るく言われましたが、すでにもう1時半をまわって腹ブリヘリですし、この“並んでる”ってことがキッカケとなり、「じゃぁ、あっちだね」と再び『こんどう』に戻って店に入りました。


手書きの屋号が個性的

鉄板のカウンターを囲むかたちで5〜6席、奥には小上がりがひとつ。もちろん鉄板のカウンターにすわり壁に貼られた手書きのメニューを見上げます。隣には御婦人が二人、お好み焼きが焼けるのを待っています。基本はお好み焼き・焼きそばですが、ラーメンもあります。おっ、“ドライカレー焼きそば”なんてのもあります。いやしかし、初めての“富士宮やきそば”ですからまずはスタンダードを、ということで光太郎さんは“豚玉やきそば”、ならばと私は豚とイカが入った“ミックス焼きそば”を注文しました。

おかみさんが鉄板にラードを引いて豚肉を炒めだしたころ、へんな飲み物を見つけてしまいました。見つけちゃった以上、飲まなければならないというのもまたグルメ系アーティストとしての責任のようなもんなので、たのみました。『カレーラムネ』と『わさびらむね』。御主人が奥から出てきて「カレーはうみゃぁけど、わさびは味せんよ」と言いながら昔風の飲料冷蔵庫から出してくれました。ううん、なんかよくわからん飲み物でした。


リズミカルなヘラさばき
 

この他に“杏仁ラムネ”もあった

鉄板では、たぶん“肉かす”だろうと思われるものが蒔かれヘラでカツンカツンとリズミカルに炒められます。この後、もやしとキャベツがどっさりのってガッシャガッシャと炒められ、いよいよ蒸し麺が登場したころ、おかみさんに「卵は目玉、それとも中に混ぜます?」と問われ、光太郎さんが「混ぜてください」と言ったので、ならば私は「目玉で」ってことにしました。ハケでソースをかけて最終段階、このソースの焦げるにおいがイイですね。噂の“イワシ粉”がぶ〜りぶり全体を覆うようにかかりできあがり。


ミックス焼きそば、キターッ!

で、この暑い中わざわざ富士宮まで行って焼きそば食べてどうだったの?ってことでしょうけど、ええ、そりゃぁおいしかったですよ、普通に。別に未知のものを食べにいくわけではなく、それは“ソース焼きそば”ですから、充分予想の範囲内の食べもので普通においしかったです。“肉かす”だって事前に調べてたから作る時も食べる時も意識しましたが、知らなきゃ歯ごたえのある豚肉だと思って食べてた思います。とにかくおいしかったですよ。わざわざ来てよかったです。ってことで、御主人と記念撮影。先客の御婦人は御主人の同級生でした。


御主人は通称“こんちゃん”だそうだ

でもね、日本全国のいろんなもんを気軽にホイホイ食べることができる東京ですから、ぎゃ・く・に、時間かかってもその土地に行ってそれを食べることに、私は価値を見いだすのです。いつかまたヒマな時に、誰か誘って行こうと思います。そういや、富士宮なのに富士山見てなかったなぁとその方向を眺めましたが、全体に雲がかかって見えませんでした。まぁいいじゃないか、よし、東京に戻って『ROUND 1』に行ってクタクタになるまで遊びまくろう、そうだ、それが夏休みというものだ、レッツラゴー!。そして、甥っ子が勉強しようがしまいがそのへんに関してなぁんの責任もない親戚の叔父ちゃんは、たまぁ〜に変なギャグ言いながら一緒に遊んでればそれでいいのだ。イェス・アイアム・アンクル!。


富士山は見えなかったけど、また来るぜ、富士宮。

2007/08/24

富士宮やきそば学会 http://www.umya-yakisoba.com/



≪ BACK Latest NEXT ≫

会社概要
サイトマップ
スタッフ一覧
個人情報保護
リンク
推奨環境
お問合せ

sitemap