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Friday Column

No.109

『カスタマ野郎!』

いやぁ、作詞してましてね、今週はこのコラムについて何を書こうか考える時間が少なかったというかなんというか、頭の中が作詞系のモードになってるもんで、この原稿を書き出した現在もまだ文章の行き先が定まってません。

さてどうしたものかと先週のコラム『カスタマイズド・ポカリスエット』をなんとなく読み返してみると、うぅぅん、“カスタマイズ”という意味合いがちょっと弱かったというか、“カスタマイズ”というほどの話ではなかったというか、そんな小反省もあって、今週は“カスタマイズ”について改めてつっこんでみようと思いますが、どうなるかはわかりませんから何も期待せずにどうぞ。

“カスタマイズ”。皆さんパソコンを使うようになって目がシパシパするように、ではなくシバシバ目にするようになった単語だと思いますが、その意味を辞書で調べてみると、カスタマイズ【customize】=「コンピューターで、アプリケーション-ソフトの操作方法やいろいろな設定値を利用者が使いやすいように変えること。」だそうです。

利用者が使いやすいように変える“カスタマイズ” 、私の場合のはコンピューター関連よりもやはり食べものに関するものが多いです。よくあるのはサンドイッチ類を注文する時の“マヨネーズ抜き”。タルタルソース、サウザンアイランド、ツナ、タマゴなどのマヨネーズ絡みのものすべての排除を要求します。15〜6年くらい前、大阪のホテルのレストランでクラブハウスサンドの“マヨネーズ抜き”を念には念を押して注文したにもかかわらず、パンと具の間からはみ出したたるくらいマヨネーズが入っていたのにゲンナリして、注文をとったウェイトレスさんに「あのぉ、マヨネーズ抜きってお願いしたんですが・・・」と言うと、「お待ちください」とその場を去った後、店長さんがやってきまして、「なんぞトラブルでも?」と独特のイントネーションで言うもんですから、「いや、あの、マヨネーズ抜きでとお願いしたんですが、これ・・」と指差すと、店長はサンドイッチのお皿を手に取り、顔に近づけてじーっと見つめた後こっちを向いて「ほな、チェンジしますわ」ってことがありました。いや、このこと自体はどうでもいいんですが、「チェンジ」の「チェ」に高くて強いアクセントがついた「ほな、チェンジしますわ」というフレーズが妙に頭に残りましてね。それ以降この「ほな、チェンジしますわ」というフレーズを自分もいつか誰かに向かって言ってみたいとずっと思ってきたんですが、未だにジャストな機会に恵まれません、もう15〜6年。

それから、たまぁ〜に焼肉屋さんでユッケを食べる時は“リンゴを多めに”とお願いします。これももう16年くらい前、韓国・ソウルの焼肉店で普通にユッケをたのんだんですが、えぇぇぇ〜ってくらい肉が少なくて、これじゃ“生肉入りリンゴサラダ”じゃないのという見た目だったんですが、まぁいいかと食べてみるとこれがいいバランスでね、旨かったんです。以降、ユッケを注文する時は“リンゴを多めに”と付け加えますが、これが言い方むずかしくてですね、イメージどおりのものが出されたことがありません。いや、こっちとしてはただ一方的にリンゴを多くしてくれと言っているわけではなく、肉は減ってもいいからそのぶんリンゴを多く、わかりやすく言うと“肉とリンゴを同量くらい”がいちばんいいんですが、そう言っても伝わらないんですよね。なんででしょう。とまぁこのように、私は飲食の様々な場面でカスタマイズろうとしているわけです。

今ぐっとよみがえりましたが、思えば高校生の時から私はカスタマイズってました。福岡県立城南高校の南西側に『大龍軒』というラーメン屋さんがあり、たしか高校2年生=1979年だったと思いますが、部活終わりの放課後によく食べにいってました。なにしろ水泳部でしたから、すごい腹減るんですよ。私はワンタンメンが大好きで、いや、でもここのチャーシューもすごくおいしいもんですから、ワンタンにしようかチャーシューにしようかっていっつも迷ってたんですが、ある日、ワンタンチャーシューメンを頼めばいいとのだ、と思いつきます。メニューには載ってないものの、ワンタンメンだってチャーシューメンだって存在するんだからできないわけはないのだ、ということで、おかみさんに「ワンタンチャーシューメン作ってください」とお願いしたところ「ちょっと高うなるけど、いいと?」「あぁいいさ、カネならあるんだよ」ってことで、“ワンタンチャーシューメン”を食べるようになりました。それ以降、先輩も同級生や後輩もみなオレもオレもと注文するようになり、私がカスタマイズした“ワンタンチャーシューメン”は『大龍軒』の正式メニューとして短冊に書かれ壁に貼られました。

『大龍軒』では、私のカスタマイズしたメニューがオフィシャル化したものがもうひとつありました。それは “かき氷”です。メロンやらイチゴやらのシロップでわかりやすい色に染まった“かき氷”の上にコンデンスミルクがブリブリかかってね、九州の暑い夏には欠かせません。しかしいつも後半はだんだんツラくなってきてカラダもすっかり冷えきって、最後のほうはどちらかというと我慢くらべっぽくなって、ガラスの器に残ったいかにも合成着色料的な液体をシーンとみつめる、みたいな感じでした。ってゆうか半分でいいんだよなぁ、と提案したカスタマイズメニューが“かき氷のハーフ”。おかみさんに「すいません、かき氷、レモンミルク、半分だけ作ってもらえます?、ハーフで」「半額よりちょっと高うなるけど、いいと?」「あぁいいさ、カネならあるんだよ」ということで作ってもらった“かき氷ハーフ”。「あぁぁ、なくなっちゃったぁぁ〜」と気持ちを次につなげながら完食でき、「また明日じぇったい食べよう」というポジティブ思考になるのです。「この“かき氷ハーフ”をメニューとして貼り出したら、女子がみんな食べに来ますよ」とおかみさんを説得して正式メニューにしてもらい、学校内では「大龍軒、かき氷ハーフあるよ」と女子学生ひとりひとりにプロモーションをしたものでした。

とまぁこのように、なにかにつけて自分向けにカスタマイズしたがる人を“カスタマ野郎”と呼ぶことにしました。思えば私は30年も前からかなりの“カスタマ野郎”だったわけです。言い換えれば“わがまま”ってことなんですが、本来アーティストなんてものは作品を作ることによっていかに自己の満足を追求するかという、そのようなもんですから、社会性・協調性を持とうとしたところで基本“わがまま”と解釈される存在ですし、それでいいんです。

“わがまま”ってのは言葉としてまだ可愛げがあるというか、状況によってはわがままきいてあげてもいいかも、と思える余地が残っている気がしますが、この“カスタマ野郎”ってのはかなりイメージ悪いですね。なんつたって不衛生な響きです。目に余るわがままを言うヤツに周囲が明らかに困惑している状況に出くわしたら「いいかげんにしろよ、このカスタマ野郎!」と一喝してみるのもいいでしょう。その直後、一喝した側・された側のどちらが孤立するか、そればそれでひとつの勝負です。

はい、頭の中が限界になってきたんで今週はこのへんで失礼します。イキな写真もなくてすみません。ところでこんなあたしに歌詞なんて書けんでしょうかねぇ。

2007/06/15



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